寝起き腰痛がおきるメカニズムを明らかにする実験があります。それは、棺桶のような狭い場所で寝るというもの。まるでドラキュラのように棺桶サイズの箱の中で、被験者には寝てもらいます。すると、見事に寝起き腰痛を発症。寝起き腰痛になる人は寝相がよすぎることが原因だったのです。
狭い場所で寝るとおきる寝起き腰痛
棺桶サイズの狭い場所といえどもすぐに寝始めた被験者。しかし、このときすでに体の中では異常がおきていました。実験開始直後から、腰に装着したセンサーから腰まわりの酸素量がグングン減少していることを示すデータが送られてきたのです。
そのまま7時間、就寝した被験者は冷や汗で目が覚めました。箱状の囲いを取ると、被験者の腰はガチガチ状態。腰が張って、ひどい寝起き腰痛となっていたのです。じつは「寝相がよい人」が寝起き腰痛になるのでした。
実際、腰痛歴30年という女性の寝ている姿を観察してみると、8時間の睡眠中に寝返りをした数は5回。腰痛に悩んでいない人の寝返りの数を調べてみると25回でした。最新の研究結果では、一般の人の寝返りの平均回数は一晩で24回です。
寝起き腰痛の大きな原因は寝相にある
一般的に腰痛は、姿勢が悪かったりストレスが多いとなりやすいといわれています。しかし、寝起き腰痛の大きな原因は寝相にあるのです。というのも、お腹には内臓脂肪や臓器が集中しているため、横になると体重の4割もの重さが腰にかかります。
ここで、まずおこるのが血液が腰に届きずらくなること。重さで血管が圧迫されて腰まわりの血流が低下します。このため、深刻な酸欠状態となってしまうのです。すると、筋肉の筋線維が炎症物質を放出。これが長時間にわたって腰に痛みを引き起こすのです。
さらに、横になっていると腰の骨がグーッと沈むので、痛みに敏感な靭帯を圧迫。この痛みのダブルショックのせいで、朝起きたときにつらい腰痛がおこるのです。
つまり、いくら日中にコリをほぐしてみたり、ストレス発散のために運動をしても、寝ているあいだに寝起き腰痛の原因を作ってしまったら元の木阿弥。こうして腰痛がぶり返すというわけです。
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