成長ホルモンとは、成長期に骨や筋肉を成長させる機能が最初に見つかったために付けられた名称。その後の研究によって、ほかにもいろいろな作用があることがわかってきました。その筆頭が脂肪分解作用。ただし、筋トレ前に有酸素運動を行うと成長ホルモンの脂肪分解効果のムダ使いになるのです。
筋トレを行うと成長ホルモンが分泌
成長ホルモンでもっとも注目すべきは、脂肪の分解の促す作用。もし脂肪の分解効果が先に発見されていたら、成長ホルモンは脂肪分解ホルモンと命名されていたかもしれないといわれるほど、その作用は強力です。
同じホルモンの仲間であるアドレナリンにも脂肪分解を促す作用があります。しかし、成長ホルモンはアドレナリンよりも強く働くもの。しかも、成長ホルモンは分泌が終わってからも5~6時間、脂肪分解を促す効果が持続します。
ここで、成長ホルモンによる脂肪分解効果がどのようにおこるかを見ておきましょう。脂肪はそのままでは消費されません。筋トレを行うと成長ホルモンが分泌されると脂肪が遊離脂肪酸に分解。それが血流に乗って筋肉に届いて初めて消費されるのです。
筋トレ後に有酸素運動が推奨される
ただし、この段階ではまだ脂肪は消費されていません。蓄えてあった体脂肪をエネルギーとして利用しやすくしただけの状態。分解された脂肪を消費するためには、燃焼することが必要です。
そして、この遊離脂肪酸の燃焼に効率的なのが有酸素運動になります。だからこそ、脂肪を燃焼させるダイエットには筋トレ後に有酸素運動をすることが推奨されているというわけ。筋トレ前の有酸素運動は成長ホルモンのムダ使いです。
しかも成長ホルモンは分泌が終わっても、脂肪を分解を促す効果が5~6時間は持続することは前述のとおり。このあいだに、ふだんより長めに歩いたり、エレベーターではなく階段を使ったりすることで、脂肪を燃焼させられるのです。
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