筋肉若返りホルモンと呼ばれるのが、肝臓から分泌される「IGF-1(アイジーエフ・ワン)」です。IGF-1は、いわゆる成長ホルモンの一種です。IGF-1が分泌されて筋肉にくっ付くと、筋肉の成長を効果的に促進します。ただし、IGF-1が十分に分泌されないと運動が無駄になることがあるのです。
IGF-1が出ないと筋肉がつかない
最近わかってきたことがIGF-1を上手に分泌できずに、運動しても損をしている人がいること。中高年のあいだでウォーキングが大ブームですが、せっかく運動してもIGF-1をうまく出せないために筋肉がつかないことがあるのです。
実際に、どれくらいの人が運動しても筋肉がつかずに損をしているのかを検証してみます。調べるのは、ふだんから健康を意識して、人よりも多く体を動かしているという60代の女性5人です。
どの女性も毎日3kmの散歩を欠かさなかったり、毎日午前中に2時間掃除をしたりと、たしかに体を動かしている量は多い様子でした。さっそく、太ももの筋肉量を測定。筋肉年齢を計測します。
IGF-1分泌量が基準値以下だった
ちなみに、60歳の平均的な太ももの筋肉量は片足だけで2.5~2.6㎏。一般的な大根3本分に相当する重さです。すると、6人中5人は平均よりも筋肉量が少ないという結果。筋肉年齢にして70代、80代という人もいたほどです。
そこで、今度はそれぞれのIGF-1の数値を測定。すると、平均より筋肉量が少なかった5人は、IGF-1の分泌量も基準値以下でした。反対に、唯一筋肉がしっかり保たれていた女性は、IGF-1の分泌量が基準値を大きくクリアしていたのです。
このように、人よりいくら多く体を動かしていても、IGF-1がしっかり分泌されていないと、筋肉の増加には結び付かないということ。どんなに運動をしても筋肉がつかずに、損をしているのでした。
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