健康診断の中性脂肪の数値が問題ないからといって安心してはいけません。じつは食事後に中性脂肪の数値が高い「隠れ中性脂肪」が急増しています。しかも食事後の中性脂肪の数値が高いと、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクが3倍にも上がってしまうのです。
中性脂肪の数値が食事後だけ高い
食事後だけ中性脂肪の数値が高くなる隠れ中性脂肪は「食後高脂血症」という病気です。食事をすると私たちの血液中に中性脂肪が入ってきます。ここで登場するのが、中性脂肪を分解する酵素である「リポたんぱくリパーゼ」です。
リポたんぱくリパーゼは中性脂肪を、小さな脂肪酸と呼ばれる粒に分解します。脂肪酸は血管の小さな穴から体の各部分の細胞へ出て行き、エネルギーとして使われるのです。
このとき使い切れずにあまった脂肪酸は、脂肪細胞に貯蔵されていきます。そして、脂肪細胞が脂肪酸でいっぱいになると、脂肪細胞から出る信号によって血液中のリポたんぱくリパーゼが減少してしまうのです。
中性脂肪の数値で発症リスク3倍
このリポたんぱくリパーゼが少ない血管に中性脂肪が入ってくると、すべてが脂肪酸に分解されずに一部が残りカスになります。残りカスは血管の小さな穴から細胞へ出て行くことができません。これが中性脂肪の数値が高い状態です。
血管の壁の内部に残りカスは徐々に溜まっていき、結果的に動脈硬化が引き起こされます。これが食事後だけ中性脂肪の数値が高い、食後高脂血症のメカニズムです。
日本人の男女1万人を対象に、食後の中性脂肪の数値が「高い/低い」で、心筋梗塞や狭心症などの発症リスクがどれだけ違うのかを調べた調査結果があります。中性脂肪の数値が低い人と比べて、高い人の発症リスクは3倍もあったのです。
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