見ためは太っていないのに、体脂肪率が標準より高い人は異所性脂肪が原因かもしれません。体脂肪率が異所性脂肪とは本来、溜まるべきでない場所に付く脂肪のこと。知らず知らずのうちに筋肉と置き換わっていることがあります。そうした異所性脂肪が体脂肪率を標準より高くするわけです。
体脂肪率は標準を大きく上回る47%
異所性脂肪は知らず知らずのうちに溜まっていくもの。その付く典型的な場所が脂肪肝。肝臓のほか膵臓にも、異所性脂肪は溜まりやすいものです。そして、異所性脂肪は筋肉と置き換わってしまうこともあります。
実際に、気づかないうちに異所性脂肪が筋肉に置き換わってしまい、このままでは寝たきりになるといわれた66歳の女性がいます。その当時は筋肉があまりに弱っていたために、手を長く上げているのがつらかったほどです。
さらに、筋肉が異所性脂肪に置き換わってしまうと筋力が低下するだけでありません。女性の当時の体脂肪率は標準を大きく上回る47%でした。すなわち、見ためは太っていなくても、脂肪がたっぷりと溜まっているのです。
体脂肪率が標準より高い人はチェック
ちなみに、60歳以上の女性の体脂肪率は、標準値が23~36%。標準値よりも10ポイント以上も上回っていたわけです。筋肉が異所性脂肪に置き換わってしまった場合、見た目や体重に変化がないため、なかなか気づかないのです。
このため、肥満体型でもないのに体脂肪率が標準より高い人は、筋肉が異所性脂肪に置き換わっているかもしれません。そこで、筋肉が異所性脂肪に置き換わっていないかチェックしましょう。次の6つの質問に当てはまるかを確認します。
1.ビンのフタが開けられなくなった
2.ドライヤーを持つのが最近つらい
3.スリッパを履くとよくつまずく
4.片足立ちで靴下を履けなくなった
5.最近、二の腕のたるみが気になる
6.最近、猫背になったといわれる
じつは1つでも当てはまることがあったら要注意。6つの質問はいずれも、筋肉が異所性脂肪に置き換わったときにおこる現象そのものだからです。