人間は栄養を摂取したとき、余ったエネルギーを脂肪として蓄えます。脂肪はまず皮下脂肪として蓄積され、その許容量を超えると今度は内臓脂肪として蓄積。その内臓脂肪の許容量まで超えてエネルギーが余ったときに発生するのが異所性脂肪です。さまざまな病気を引き起こす原因になります。
内臓脂肪は本来的に脂肪が溜まる場所
場違い脂肪とも呼ばれて最近、注目されているのが異所性脂肪です。異所性脂肪は概念としては以前から知られていたもの。ただし、医学的に異所性脂肪という言葉が使われ出したのは6~7年前ほどです。
異所性脂肪と普通の脂肪には大きな違いがあります。それは場所です。内臓脂肪や皮下脂肪は本来的に脂肪が溜まる場所。しかし、異所性脂肪は本来、脂肪が溜まってはいけない場所に溜まる脂肪なのです。
そして、溜まってはいけない場所に脂肪が溜まると、それぞれの臓器の働きが低下してしまいます。これによって、異所性脂肪はさまざまな病気を引き起こす可能性があるのです。
内臓脂肪の許容量を超えて異所性脂肪
ここで異所性脂肪が発生するプロセスを見ていきましょう。簡単にいえば、内臓脂肪の許容量を超えると異所性脂肪は発生するものです。そもそも人間は食事で栄養を摂取すると、余ったエネルギーを皮下脂肪として蓄えます。
これは人間が生きていくうえで必要な脂肪。皮下脂肪は本来、脂肪が溜まってもよい場所なので、脂肪をある程度溜めても病気にはつながりません。ところが、余分な栄養を摂りすぎて皮下脂肪の許容量を超えると、今度は腸のまわりに脂肪が溜まります。これが生活習慣病にもつながる内臓脂肪です。
そして、内臓脂肪の許容量まで超えてしまうと、行き場のなくなった脂肪は、最後に本来は溜まってはいけない場所である場違いな場所に溜まってしまうのです。これが異所性脂肪が発生するプロセスなのでした。