トヨタ・CH-Rやスズキ・イグニスなどの大衆車から、ベントレー、ジャガーなど高級メーカーから相次いだSUVのリリースまで、2016年はキャッチーな自動車の話題が多かった(輸入車が強く、国産車が弱い)年でした。
本記事では2017年のリリースが既に発表されている自動車メーカーの新車種の中から、注目車種をピックアップしてご紹介していきます。スーパーカーレベルの自動車から十分検討できる大衆車まで、新しく自動車を購入する前のご参考になれば幸いです。
なお、1月13日-15日の東京オートサロンや、3月9日-3月19日のジュネーブ・モーターショーでも新車種の発表や正式リリースを公表していない車種の情報がアップデートされると見られます。そちらも併せて要チェック。
※正式リリースされるものとは仕様が異なる場合があります。
TESLA(テスラ) モデル3
もしかしたら2017年をきっかけに自動車業界の勢力図は大きく変わるのかも知れません。CO2問題など、ガソリン車の地球環境に対する影響を危惧するイーロン・マスク氏のテスラ・モーターズは2017年に大衆向けのEV車、「モデル3」を発売します。
コンシューマーレポートで史上最高の評価を得た同社のセダン、「モデルS」は1000万円近くの価格であるのに対し、こちらの「モデル3」は3万5000ドル(約400万円、日本では輸送など諸経費が加算されるがEVのため補助金がある)と購入を十分検討できる価格帯です。1回の充電による航続距離は実質345kmからと言われており、コンパクトになったボディは日本の道路事情にもマッチしています。
なお、デリバリーは左ハンドルの地域からになると見られ、生産は2017年後期になり、これから予約した場合、納車は2018年中旬となります。プリウスだらけの街の景観も少しは変わるかも?
価格:$35,000 USD~
LEXUS(レクサス) LC500
LEXUS(レクサス)が満を持して放つ、ラグジュアリーな4座のスポーツクーペ。シャシーを新開発したことにより、車高を抑えホイールが四隅に配置される魅力的なエクステリアデザインが実現されました。車好き待望の新車種と言えますが、価格が高いうえにポルシェ911など強力なライバルもいるので、販売台数も気になるところです。エンジンは467馬力の高出力、ハイブリッドモデルの「LC500h」もあり。
価格:約1300万円
BMW(ビーエムダブリュー) X2
コンパクトタイプのSUVである「X1」のモデルチェンジでも話題になったBMW。SUVはX1からX6までラインナップされていたものの、BMW2シリーズにワゴンタイプの車種があったため(?)欠番だった「X2」が満を持して遂にリリース。
BMWのSUVは奇数のX1、X3、X5がボックスタイプのシルエットで、X4、X6の偶数番号の車種がルーフがなだらかに傾斜するクーペスタイルのフォルムを採用しています。「X2」はX1のクーペバージョンとしてリリースされ、X1と同じ「UKLプラットフォーム」を採用しています。
画像はコンセプトモデルのため実車は若干デザインが異なる場合がありますが、スポーティーさを前面に押し出したデザインで車高もX1より低くなるとみられています。現在のところ発売時期や価格は不明ですが、メルセデス・ベンツのGLAを意識した価格帯・仕様になるでしょう。
価格:400万円~(予想)
MINI(ミニ) 新型クロスオーバーPHEV
発売から7年経ったMINI(ミニ)の人気車種クロスオーバーの初モデルチェンジが2016年に発表され、日本国内でも2017年中に発売されます。
写真は「クーパーS」のもので、他にもディーゼルエンジンを搭載した「クーパーD」、そして同ブランド初のプラグインハイブリッドモデルとなる「クーパーS E」が発売されます(国内発売時期は不明)。
丸みのあるエクステリアデザインはシャープで力強い印象になったほか、先代モデルにはなかったタッチスクリーン式の新型コンソール、自動減速機能などを備えます。「クーパーD」はエンジン音や振動が気になった先代モデルからの改善も期待されます。
▼インテリアは格段にハイクラスな雰囲気に
「クーパーS E」では、センターコンソールのスイッチひとつで電動モーターによるEV走行が可能になり、電動モーターのみでも最高速度125km/h、最大40km走行でき、230Vの家庭用コンセントで3時間15分でフル充電による走行が可能となります。バッテリー残量が少なくなると自動的にガソリンエンジンに切り替わり、EV走行中の充電モードも搭載。
ご家庭を持つ方やアウトドア好きに支持され、中古車市場でも人気のクロスオーバーのモデルチェンジとなり、大きな注目を集めそうです。
なお、現行モデルのリーズナブルな「ONE」グレードの展開は今回はないそうです。
価格:300万円前後(ガソリン車)
AUDI(アウディ) Q2
ホンダ・ヴェゼルや日産ジューク、マツダCX-3など、適度な積載性と室内空間を持ちながら、低価格さとコンパクトさが人気のジャンル「コンパクトクロスオーバー」にアウディが新規参入したと言えるのが、これまで人気だった「Q3」よりボディを小型化した「Q2」。ボディサイズは全長4,191mm、全幅1,794mm、全高1,508mmと小ぶりなサイズで、駐車場の制約があった人や取り回しを重要視していた人にとっては待望の新車種となります。
ベンツやBMWが苦手な人にも支持されているアウディだけあり、注目度も高いモデルです。
エッジが効きつつ主張の少ないエクステリア&インテリアデザインも魅力的。同類の国産SUVをお求めの方は奮発する価値は十分になるのではないかと思います。欧州ではすでに販売済みで、日本国内での正式リリース日は現在のところ不明。
価格:約330万円
VOLKSWAGEN(フォルクスワーゲン) アルテオン
VOLKSWAGEN(フォルクスワーゲン)を代表するセダン、「パサート」の上級モデルとして2017年3月のジュネーブモーターショーで詳細発表予定の新型車種。パサートよりも車幅が広がり、より車高が低くなった印象を受ける高級感ある4ドアのファストバックモデル。
日本展開していない最上級ラグジュアリーサルーン「フェートン」と「パサート」の中間に位置する車種とみられますが、日本国内で販売されれば同社最上級のモデルとなります。
ちなみに世界最大の自動車グループであるフォルクスワーゲンを創業したのはポルシェで、現在はアウディ、ランボルギーニ、ブガッティ、ベントレーもグループの傘下になっています。
価格:500万円~(予想)
ALFA ROMEO(アルファ ロメオ) ステルヴィオ
イタリアの自動車メーカー、Alfa Romeo(アルファ ロメオ)初となるコンパクトタイプのクロスオーバー車種。国内では展開のないFRサルーンタイプの「ジュリア」とプラットフォームを共通化し、ターボ搭載の直噴直列4気筒2リッターエンジン、280psの「ステルヴィオ TI」、2.9リッター V6ツインターボエンジンのハイパワーな「ステルヴィオ クアドリフォリオ」の2種類がリリースされます。
「ステルヴィオ クアドリフォリオ」はニュルブルクリンク北コースにて歴代SUV最速の7分59秒のタイムを記録し、並み居るメーカーを抑えて現時点では世界最速のSUVとなっており、非常に注目度の高い車種となっています。
ジャガーFペース、レクサスのNX、メルセデス・ベンツのGLCクーペ、BMWのX4あたりが比較検討に挙がる車種になるでしょう。
価格:550万円前後(予想)
ASTON MARTIN(アストン マーティン) V8ヴァンテージS
007のジェームズ・ボンドの愛車としても知られ、日本でも多くのファンを持つアストン・マーティンは「V8ヴァンテージ」ブランドを高性能モデルである「S」に統一し、よりラインナップを縮小・強化して2017年は「V8ヴァンテージS」、「V12ヴァンテージS」、「DB9 GT」、「ヴァンキッシュ」、「ラピードS」、「DB11」を展開予定。
価格:約1660万~(マニュアル)
以上、輸入車を中心にご紹介していきました。国産車は新車種・モデルチェンジのラインナップが豊富で、レクサスのRX、NXがモデルチェンジされると見られます。そのほか「日産ジューク」、「スバルXV&フォレスター」もモデルチェンジされるほか、3列シートの「マツダCX-6」もリリースされる見込み。国産車の2017年リリースは1月13日-15日開催の東京オートサロンを要チェック。