近年、美容に敏感な女性たちの間で話題になっているのが「インナーケア」。スキンケアやコスメといったアウターケアはもちろん大切ですが、それだけでは足りない時代に。体の内側から整える”腸活”が、美容にも健康にも欠かせないキーワードとして注目されています。そんな中、”発酵性食物繊維”という新たなトレンドが誕生。美容に役立つ成分を自らの腸内で生み出すというまさに「体の中で作る美容液」なのです。
腸活は”菌を摂る”から“いい働きをしてもらう”フェーズへ
今回、“発酵性食物繊維”について解説してくれたのは、まいこホリスティックスキンクリニックの院長 山﨑 まいこ先生。先生のクリニックにはニキビや毛穴、シワ、シミ、たるみなど様々な肌悩みを持つ患者さんが訪れ、共通する原因として、腸内環境の乱れがあることが多いのだそう。
「肌は外から見える“内臓の鏡”であり、“腸ケア”こそが美肌作りの土台!」と先生。これまでの腸活は「菌を摂ることで便通を整える」ものが中心でした。これからは、「腸内の菌に働いてもらい、美容に良い成分を生み出してもらう」という新しい腸活が注目されてきていて、そこで必要なのが”発酵性食物繊維”です。
“発酵性食物繊維”では腸内細菌のエサになって発酵し、美容に良い成分(短鎖脂肪酸)を作ってくれるというスゴい働きを持つ食物繊維です。
最新の研究で判明!”発酵性食物繊維”が美肌へ導く
山﨑先生は、”発酵性食物繊維”を摂取することによって肌の状態がどう変化するかという研究を実施。
その結果、”発酵性食物繊維”を摂ることで、シワの数が減少・肌表面の凹凸が減少・毛穴の状態が変化するなど、主に「肌バリア」と「肌のキメ」の向上が統計的に証明されました。
いつも通りのスキンケアに加えて、発酵性食物繊維を6週間継続的に摂取することで、肌バリア機能の向上、キメ、シワ、毛穴が整い、さらに立体感とみずみずしさが生まれ、肌年齢は摂取前と比べて平均マイナス1歳、最大でなんとマイナス7歳も若返ることがわかったそうです。
サラダでは足りない”発酵性食物繊維”の効果的な摂取方法
“発酵性食物繊維”は、普段の食事にプラス3gを意識して摂るようにするといいのだそう。日本人はそもそも食物繊維量が足りておらず、特に穀類からの摂取が減少しています。”発酵性食物繊維”は茶色の穀類や根菜・豆類に多く、実は葉物野菜には少なく、サラダを食べるだけでは不十分です。
“発酵性食物繊維”が多いごぼうやにんじん、じゃがいもを白菜と一緒にポトフ風に煮込んだ「おなかすっきり和風ポトフ」。もち麦が入っていて満足感もあり、トッピングの刻み昆布が良いアクセントに。
アボカドとバナナと豆乳をミキサーにかけ、アサイーボウルのように仕上げた「アボカドバナナボウル」。
こちらもデザート感覚でありながら、満足感があり、朝食はもちろん、小腹が空いたときのおやつにも最適です。
「毎日続けられることがインナーケアには重要で、がんばりすぎないことが大事。また最初は腸がびっくりしないように、発酵性食物繊維を含む食品をゆっくり噛んで食べることでより効率よく腸内細菌のエサになり、たるみ防止にもなります。」と山﨑先生。
なんだか最近肌の調子が悪い…と感じたら、それには腸の乱れが潜んでいるかもしれません。
美容だけではなく、生活習慣病発症リスクの低減にも効果がある発酵性食物繊維。ぜひ意識して毎日の食事に摂り入れてみてください。