UCC上島珈琲が販売している「UCC ミルクコーヒー」は、缶コーヒーのロングセラーブランドとして、多くの人から愛されている商品です。今回は、ギネスにも認定されている「UCC ミルクコーヒー」の、知られざるトリビアをお届けいたします!
■【商品開発】「もったいない」の気持ちで誕生
1969年の発売開始当初は「UCCコーヒーミルク入り」という商品名だった「UCC ミルクコーヒー」は、2018年に缶コーヒーのロングセラー製品ギネス世界記録に認定されており、 “世界初の缶コーヒー”と呼ばれることも。現在では、当たり前の存在となった缶コーヒーの基礎を築いた商品だと言えるでしょう。
商品開発のきっかけとなったのは、UCCグループの創業者である上島忠雄のある思いでした。ある日、駅で販売されていた瓶入りミルクコーヒーを買った上島。列車の発車を待つつもりで、ミルクコーヒーを一口飲んだところで、なんと発車ベルが鳴ってしまったのだとか。その当時、飲料の瓶は店に返さなければならなかったため、予想外に早く出発する列車に乗り込むために、ミルクコーヒーを飲み残さなければならなかったそうです。
残してしまったミルクコーヒーが「もったいない」と、いつまでも心に残っていたという上島。このことから、常温で長期保存ができて、いつでも・どこでも手軽に飲めて、車内などにも持ち込めるミルクコーヒーを作れないだろうかと考え始め、容器を瓶から缶にするというアイデアを思いついたそうですよ。
■【大ヒット!】きっかけとなったのは万博だった!
上島が中心となり、開発が始まったミルク入り缶コーヒーですが、完成までにはかなりの苦労があった様子。コーヒーとミルクが分離してしまうことや、高温で殺菌することによる風味劣化といったさまざまな問題を、専門家と協力しながら解決していったそうです。
紆余曲折を経て、1969年4月に「UCCコーヒーミルク入り」が誕生したのですが……当初は売り上げに苦戦。なかなか受け入れてくれない消費者に向けて、営業マン自ら売店で缶コーヒーを買う姿を見せたり、電車のなかで飲んだりと、さまざまな販促活動を行っていたのだとか。
同じ頃(1970年3月)、大阪万国博覧会が開催されることになります。万博は格好のチャンスだということで営業活動に勤しんだところ、会場で缶コーヒーが大ヒット。万博で初めて缶コーヒーを飲んだという人からのリピート注文も殺到し、世間に広く知られるきっかけとなったそうですよ。
■【茶色・白・赤の組み合わせ】デザインの意味とは?
「UCC ミルクコーヒー」のトレードマークとなっているのが、発売当初からパッケージに採用されている茶色・白・赤の組み合わせ。これは、「焙煎されたコーヒー豆(茶色)」、「コーヒーの花(白)」、「熟したコーヒー豆の実(赤)」を表しているそうです。
2019年には、この3色の組み合わせが国内8番目となる「色彩のみからなる商標」に登録。それまでに認定されていたのは、トンボ鉛筆やセブン-イレブンのイメージカラーなどで、食品業界で灯籠されたものはありませんでした。
ギネス世界記録に次いで、業界初となる快挙を果たした「UCC ミルクコーヒー」。これからも、缶コーヒーのブランドとして人々に愛され続けることでしょう。