番組ホームページにある投稿が。
長野県安曇野市で暮らす女性、Rさん。4年前、当時付き合っていた彼氏の一言で恐怖症を発症した。長野県の大学に通っていたRさん。彼氏とのデート中……こんなことを言われた。
彼氏「食べるのおっそ」
実は最近、親知らずを抜いたばかり。傷口が痛み、食べるスピードが遅くなっていた。そんな理由もあり、Rさんはムッとはしたものの……もともと少食で、食べるのは遅い方。その日は無理やり口に詰め込んだが、不快感が彼女を襲った。
家に帰っても彼の一言が頭をよぎる。食べるのが遅いなんて今まで一度も言われなかった。しかし、彼はずっとそう思っていたのだろう。
そしてこれが、彼女を苦しめる恐怖症のきっかけになっていく。
■人前で食事をする恐怖との闘い
それ以来彼氏と食事に行くと、「早く食べなきゃ」と思うようになった。遅いと思われたくない……彼女は必死に食べた。でも……彼氏は、かなり早く食べ終わる。
自分はまだたくさん残っている。Rさんはもう無理だと残そうと思った。
すると彼氏は……「残すのはもったいない」と彼女に一言。彼氏にとっては何気ない言葉だったが、それがまたプレッシャーとなった。……とはいえ、彼氏が嫌いになったわけではない。
デートは楽しい。だが食事の時間だけは気持ちが沈む。彼氏との食事はプレッシャーがかかる。早く食べなければ……そう思えば思うほど追い詰められ、ついに強烈な吐き気が。
実はこの時、彼女はある恐怖症に陥っていた。このまま彼と食事ができなかったらどうしよう……。誰にも相談できず、一人で苦しんだ。
このころは、家では普通に食べられた。彼とのデート中も、お店にさえ入らなければ普通に食べられる。やがて、友人相手でも、外食すると吐き気が襲うようになった。もしかして脳に異常があるのでは……と怖くなり、ネットで検索すると、彼女を苦しめていた恐怖症の正体が判明した。
それは……会食恐怖症。
人と食事をすると、緊張感が高まり吐き気やめまいなどの症状が出る心の病。その原因は人によって様々。Rさんの場合は、相手を待たせたくないと強く思うため、親しい人と食事をすると強烈な吐き気に襲われた。
この恐怖症に悩む人は少なくない。支援団体を運営する山口健太さんによると、年間で1000件以上の悩み相談が届くという。
しかしこの恐怖症、克服する方法はあるのか?専門の医師によると、薬で不安をやわらげる「薬物療法」と、緊張しない相手と実際に会食し、徐々に慣れていく「認知行動療法」があるという。彼氏の言葉で会食恐怖症になってしまったRさんも、病院で治療すると、不安感や吐き気はおさまっていった。
同じような症状で悩んでいる人は、専門の病院へ行くことをお勧めします。(2019年1月22日 ON AIR)