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夫が突然失業してしまった…情緒不安定な夫に立ち直ってもらうために妻がとった行動とは




 



■夫の情緒不安定につきあいきれず…



 



失業した本人は、大変なショックを受けるだろう。だが妻も、同じように衝撃を受けるものだ。





「夫の会社が倒産と聞いたときは、本当にびっくりしました。大企業ではないけど安定していると思っていたから。実際、夫自身、会社が危ないと知らされたのは倒産を公表する数日前だったようで、社内はパニックになったそうです」





1年前、夫が勤める会社の倒産を知ったマリエさん(42歳)はゆっくりと話し始めた。7歳年上の男性と結婚して13年、11歳と8歳の子がいる。





ある日突然職を失った夫は、それからしばらく呆然とする日々を送っていたという。





「失業保険はもらえたし、私も仕事を続けていたので、とりあえず生活はできる。でも多額な貯金があるわけではないし、双方の親がお金持ちというわけでもない。これからどうしようと話したいけど、夫は完全に意気消沈している。しばらくは話しかけることさえできませんでした」





3ヶ月ほどすると、夫はようやく動き始めた。ただ、夫はそのとき48歳。同じ会社の30代の社員は行き先が見つかっていったが、40代も後半となるとなかなかむずかしい。





「夫は営業だったので、一応は会社の花形的部署だったんです。だけどエンジニアみたいにスキルがあるわけではないから、年齢的にも雇いづらいんでしょうね」





毎日、職探しに出かけてはうつむいて帰ってくる夫。見ているマリエさんまで胸が痛くなった。正社員でなくてもいいし、職業訓練校みたいなところに行ってみるのもひとつの方法ではないかと彼女は言ったが、夫のプライドが許さなかったようだ。





「そのうち、朝起きなくなった。私が会社から帰ってくると、子どもたちだけで夕食をとってる。私が下ごしらえしていったものを長女が料理してくれていたんです。本来は夫にそれをやってほしかったんですが、夫はまだ日のあるうちからお酒を飲むようになっていたみたい」





夫を監視していることはできない。ときどき、「オレもがんばるよ」と言うのだが、数日間、職探しに出かけてまたイヤになり、家にひきこもってしまう。



 



 



■立ち直ってもらうために



 



1年近くたったとき、夫は朝から酒に頼るようになっていた。子どもたちやマリエさんに暴言を吐くことも増えた。このままだと家族全員がダメになる。そう思ったマリエさんは、夫を説得してアルコール依存症を診てくれる病院に連れていった。夫は自ら望んで入院。うつ病も患っていたようだ。





「正直言って,夫が入院してくれてほっとしました。私自身がめんどうを見ながら一緒に暮らしていこうと思ったけど、夫がこぶしで壁に穴を開けたのを見て、もう限界だと思いました。家でもっと暴れるようになったら、どうしようもないですから。夫には自分できちんと立ち直ってほしいと思っています」





面倒を見きれなかったことに後悔はあるが、医師からは「連れてきてよかった」と言ってもらった。





「私自身、この先どうしようかと絶望感を覚えることもあります。夫を支えていく自信はありません。夫がアルバイトでもしながら家事万端やってくれるなら、夫婦逆転の生活もありうるけど、夫はたぶん、それを嫌がると思う」





夫は「会社に命を懸ける」タイプだった。自分の生活より仕事を重視した。だからこそ、会社に「裏切られた」ショックも大きかったのだろうとマリエさんは分析する。





「夫自身、家族の存在をどう思っているのか聞きたいんですが、まだ入院したばかり。これからが私たち家族にとって大変な時期になると思います。子どもたちにだけは不自由をさせたくはないですが」





マリエさんの目の下にはクマがくっきり浮き出ていた。つらそうな彼女に、私自身もどう声をかけたらいいのかわからなかった。


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