
ネット版の日刊スポーツによると、女優の遠野なぎこ(39)が、スーパーマーケットで若い女性の店員に対し、男性客が激高している場面に遭遇し、男性客への怒りとともに、それを制止できなかった自分の後悔を8月4日、自身のブログに綴った……らしい。とりあえずは、その内容の一部を紹介してみよう。
「ジジイが、大声で怒鳴り散らしていました。『レジが遅い、人を呼べ、客が大事だろ』って。閉店間近な店内です。列も出来るし、店員さんも少ないのは当たり前です。そして怒鳴り散らされた対象は若い女の子でした」
「静かに様子をうかがっていました…正直、私も怖かったのです。…ごめんなさい、本音です。こんな時代です。いつ自分が被害者になるか、分かりません。何も言えずに、チラチラと見るしか出来ませんでした。今振り返ると、自分でも非常に情けなく悔しく思います」
(男性客が立ち去ってからレジに行き)「怖かったね、あなたは何も悪くない、庇ってあげられなくて本当にゴメンなさい。どう考えてもあっちがおかしいのだから…もう忘れようね、と声を掛けました」
「…チキショウ。帰宅して、怒りの感情がどんどん増幅しました。あのクソジジイめ、何の落ち度もない若い女の子を傷つけやがって。マジでマジで、ふざけんな」
(しかし怒りの反面、自身も)「スーパーの端っこか素早く店外に出て警察に通報をすれば良かったのではないかと…今更ながら思うのです。(中略)このご時世、そうすることが良い結果を生むとは一概には言えません。でも、何故自分は“行動”を起こせなかったのかとひたすら後悔しています」
わかる! むっちゃわかりすぎ!! 「人が居なかったらレジで怒鳴られていた若い女の子を抱きしめたかった」とも彼女は語っているが、私もこの談話を聞いて、あまりの同意っぷりに(全然面識もないのだが)思わずなぎこサンを抱きしめたくなったくらいである。
たとえば、満員電車での痴漢めいた行為を、女性が嫌がっている風なのに男がしつこく迫るナンパを、飲食店であまりに声がデカいオバチャンの集団を……ついつい見て見ぬフリをキメてしまうケースは私も過去、多々あった。「見て見ぬフリをキメてしまう」理由はさまざまだ。「コレは本当に痴漢なのか? 単なる偶然で触れてしまっているだけではないのか?」あるいは「このナンパは本当に女性側が嫌がっているのか?」……の判断が難しかったり(“行動”を起こすのが嫌で、あえて判断から逃げているという解釈もある)、ナンパしている男がいかにもマッチョでタトゥーとかも入っていて単純におっかなかったり、一言えば百は返ってきそうなオバチャンとやり合うのが面倒だったり……。
そして、そんなラビットハートな自分に対する嫌悪や後悔の念は、家に帰ってからよりいっそう増幅する。決して大袈裟ではなく、ベッドの上でゴロゴロのたうちまわりながら「あ〜!」と雄叫びをあげてしまうことすら、しばしばだったりする。
レジで怒鳴るのは立派な脅迫行為ゆえ、警察への通報で問題ない……とは言われても、「この程度のことで警察を呼ぶのも迷惑なのでは…?」なんて迷いがよぎってしまう。こういうとき、躊躇なく“行動”に移せるギャルの反射神経は、心底うらやましくてしかたがないのだけれど、いっぽうではその“慎重さに欠けたメンタル”が誤解絡みの問題を引き起こす可能性だってあり得なくはない……みたいに思考が負のスパイラルへと陥って、今日も私はベッドでのたうちまわるのであった。
ってなわけで、なぎこサン……若い女性の店員さんに「あなたは何も悪くない」と声をかけてあげただけでも、それは十分に“行動”に出たことになりますから! その姿勢、猛烈に支持します!!