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ひきこもりは韓国にも欧州にもいる。彼らをどうしたら“活かせる”のだろうか…


「ひきこもり」という表現が一般的になって約20年。最新の調査では「ひきこもり」人口は100万人を数え、そのうちの60万以上は40歳~64歳。7年以上ひきこもっている人も半数以上と、ひきこもりの「長期化」「高齢化」が進んでいます。私たちは「ひきこもり」とどう向き合えばいいのか? 解決策はあるのか? 多くの当事者、家族に取材を重ねたノンフィクションライター亀山早苗が「ひきこもりのリアル」に迫ります。



 





【ひきこもる人たち Vol.05】ひきこもりが外に出ていくためには…



 



現在、日本全国の各自治体には、ひきこもりについての相談を受けつける部署がたいていある。多くは福祉とつながっているはずだ。地元で開催されている当事者会なども紹介してもらえる。



 



 



■まずは当事者会へ



 



ネットで調べれば、当事者会の存在もすぐに見つかるはずだ。社会に出たいと思うなら、まずは同様の経験がある他の当事者、あるいはひきこもりに理解のある支援者など誰かとつながることが必要かもしれない。



 



「結局は、人とつながることでしか前へ進めない」と言った当事者もいる。ひきこもった原因が、親であれ他人であれ、誰かに傷つけられたことであっても、やはり人とつながらなければ先の展開はないのだ。



 



人とつながる、地域とつながる。地域に貢献することで地域の人に愛され、ひとりで暮らしていても寂しくないと言った人もいる。



 



就労を急ぐより、まずは人慣れしたほうがいいのではないだろうか。そのためにも他の当事者とつながって情報交換をすることが大事なのだ。一歩踏み出したい。当人がそう思えば踏み出すことは可能だが、周りがそれを急いではいけないと実感する。



 



 



■日本だけの現象?



 



ひきこもりは韓国にも多く、社会問題となっていると聞いたことがある。最近では、ヨーロッパ各国にもいるようだ。



 



当事者たちが作っている『ひきポス』という雑誌があり、これが売れているのだが、この雑誌の中にはフランスやイタリアをはじめ、世界各国のひきこもりへのインタビューが掲載されている。



 



この雑誌には当事者たちの赤裸々な告白が載っている。特集記事も興味深いものが多く、4号でひきこもり当事者の恋愛・結婚事情にまで踏み込んでいたのには驚かされた。当事者でなければ作れない特集である。



 



私自身、当事者たちに話を聞いてきて、ひきこもりがいけないことなのかどうかの判断はつかなくなっている。社会的損失ではあるだろう。ただ、だからといってすべて「会社に勤めさせる」ことで解決だと思ったら大間違いだと思う。それよりむしろ、彼らがどう生きていきたいのかを一緒に考えるシステムが必要なのではないだろうか。



 



会社に就職しなくても「働く」ことは可能だ。彼らの知性と知識とアイデアとエネルギーをどうしたら活かせるのかを、もっと真剣に考えていく時代になっているのではないだろうか。



 




「この人の知識をもっと広く伝えたら、救われる人がいるのではないか」



「この人の哲学やアイデアを活かせる企業があるのではないか」




 



当事者たちと話していると、そう思うことが多々ある。ひきこもり経験者、当事者には個性的で魅力的な人が多い。想像力が豊かで「もしこうだったら」と想像の世界を語ってくれる人もいるし、親から受けた虐待を語りながら、そのときの自分や親の緻密な精神分析論を繰り広げてくれる人もいる。このまま大学の講義にしたら、今の学生たちがいい刺激を受けるのではないかとすら思う。



 



ひきこもることは特別なことではないと何度でも言いたい。一度や二度ひきこもったとしても、本人が外へ出ていきたいと思ったときにやり直せる社会を作っていくことが必要なのだ。彼らが生きやすい世の中になることは、誰もが気持ちをラクにして生きていける世の中なのではないだろうか。



 



【連載記事】

【ひきこもる人たち Vol.01】中高年ひきこもり61.3万人の衝撃…



【ひきこもる人たち Vol.02】「ひきこもり」はいまの時代特有の現象?



【ひきこもる人たち Vol.03】「自己肯定感」には2種類ある



【ひきこもる人たち Vol.04】「働きたい」「人の役に立ちたい」とは思っている



【ひきこもる人たち Vol.05】ひきこもりが外に出ていくためには…

 



 


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