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金髪よりタトゥーより“効果的”!? 「前歯がない」大人の破壊力とは?


※写真は子どもです


今、このタイミングで取り上げるトレンド感も必然性もまったくないのだけれど、幻冬舎plusが配信していた『前歯がなかった2週間で気づいた社会的不安』なるタイトルのエッセイが、私のハートを妙に揺さぶったので、賢明なるcitrus読者の皆さまにも、ぜひ今日は「前歯がないイイ大人の社会的信用」について、真剣に考えてもらいたい。



 



文庫本『モヤモヤするあの人〜常識と非常識のあいだ〜』(幻冬舎)の著者・宮崎智之さんというヒトが書いたもので、差し歯である右の前歯がやたら外れてしまうらしい宮崎さんが、諸事情によって2週間近く“前歯なし”で過ごさざるを得なかった苦労話が綴られている。



 




「僕には前歯がないし、アル中気味だし、禁煙も失敗したし、最近離婚もしちゃったし、どうせみんな人としてギリギリだと思ってるんでしょう?」




 



……と、前歯がないだけで、そんな卑屈な気持ちが、心の奥底から次々と湧いてくるそうな宮崎さんは、その心理作用をこう自己分析する。



 




つまり、前歯がないということが、過剰なメッセージ性を持ってしまうのである。(中略)似たような事柄に「金髪」があると思っている。社会人になっても金髪でいるという行為には、なにかしらの社会に対するメッセージが含まれる。(中略)あまり詳しくないが、「タトゥー」にもそういう一面があるのではないか。



 



ところが、金髪やタトゥーと違うところは、前歯がない状態は自分で選び取ったものではないということだ。



 



(中略)自分で言うのもなんだが、僕はごく普通の常識的な風貌をしている。しかしだからこそ、前歯がないことが強烈なインパクトを持ち得てしまうのだ。(中略)静かに壊れていくものを見せられた時のような不安定な感情を相手に抱かせてしまうのである。




 



たしかに、前歯がないイイ大人が他人に与えるビジュアル面での瞬間的破壊力は並大抵ではない。かつて私の弟子に「前歯二本がない一分刈りで体重100㎞越えの巨漢男子」ってえのがいたのだが、アウトロー系の仕事を受けた際や、時にファッション系のお洒落仕事に一石を投じたい際には、“最終兵器”として好んで彼を読モ(=読者モデル)として起用したものである。あの松尾スズキさんも、一時期は彼を何度か舞台だか映画だかに使っていたとも記憶する。



 



しかも、前歯がないイイ大人には「口臭が臭そう」「(差し歯を入れるだけの)お金が無さそう」「キスしたとき、想定外の方向から舌が出てきそう」……ほかの社会不適格者的第二印象がつきまとう。あと、前歯から空気が抜けてしまうため、しゃべり口調にもスースーと不思議な音が混じりがちで、実際に聞き取りづらかったりもする。



 



宮崎さんも文中でご指摘されているが、なんらかの社会に対するメッセージを発するために、あるいは「面白いから」という理由だけで前歯を抜く人なんて、少なくとも現在の日本人にはほぼいないだろう。私には無理。もし、草野球で顔面にデッドボールを食らったりして、前歯が欠けたり抜けたりした場合、私だったらすべての仕事をキャンセルして、家賃を踏み倒してでも、消費者金融に駆け込んででも、即日歯医者へと直行するに違いない。



 



逆に言えば、やり場のない不満が蔓延する一般社会との決別の意をビジュアルで表現したいなら、「金髪」や「タトゥー」なんかより、「前歯を抜く」ほうが遥かに安上がりかつ、その効果もMAXに期待できるということだ。


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