登校時刻を1時間遅らせたところ、学童の睡眠時間が平均34分延び、成績も4.5%上昇したそうです。今朝の「科学進歩」誌より→https://t.co/YYwIgIhbLm (米国シアトルの高校での実地実験)
—池谷裕二 (@yuji_ikegaya) 2018年12月12日
「登校時刻を1時間遅らせたところ、学童の睡眠時間が平均34分延び、成績も4.5%上昇した」というアメリカでの事例が話題になっています。学童に適した睡眠について、睡眠専門医の坪田聡先生にお話をうかがいました。
確かに、「人間の睡眠は生理的に小学生から20代迄は急激に夜型になり、その後徐々に朝方になる」という報告はあります。「思春期に最も自然な睡眠は夜中の1時30分就眠、10時起床ではないか」という説もあるようですが、社会的な力が加わっているので「自然」とは言えないのではないでしょうか。
世界で行われている始業時間遅延、日本では中央大学高等学校が始業を遅くしてからのほうが偏差値は上がったという例からみても、日本の学校の始業時間は早すぎるのでしょうか?
夜更かしのために朝の起床時刻が遅くなっている子どもに合わせて学校の始業時刻を遅らせれば、当然、成績は上がります。
一方で、早寝早起きの子どもほど成績が良いという研究もあります。
勉強に適した時間については、一般的に、眠る前は記憶もの、朝は考える勉強が適していると思います。
ちなみに、子どもの年代によって適した睡眠時間はあるのでしょうか?
アメリカ睡眠財団の報告によると、年齢ごとに必要な睡眠時間は次のとおりです。
幼児期 1~3歳 12~14時間
学童前期 3~5歳 11~13時間
学童期 6~12歳 10~11時間
中高生 11~17歳 8.5~9.25時間
理想的な睡眠時間を満たしていない子どもたちも多いのではないでしょうか。
「遅寝になりがちな今の子どもたちの睡眠習慣を良しとして社会を変えるか、それとも早寝早起きをきちんと指導するかのをよく考えなければならない」
というのが坪田さんの考え。登校時刻を遅らせることが必ずしも子どもにとって最適な方法だとは言い切れないのが現状のようです。