元貴乃花親方と河野景子さんが23年半におよぶ結婚生活を解消した。このニュースを聞いて、巷では男性たちが「うちも言い出されるかも」と戦々恐々としているとか。
■ひとりになる恐怖
決して家庭的ではなかった、だからこそいつ妻から「卒婚したい」と言われるかわからないと怯えているのは、ヤスオさん(49歳)だ。結婚して19年、ひとり娘は高校生である。
「妻と娘は仲良しで、私はふたりの間には入っていけません。話の内容もよくわからない。妻とはごく普通ですね。20年も夫婦やっていれば、ラブラブではないけど、妻のことは好きですよ。ただ、妻は私のことがあまり好きではないような気がする」
なんとなく避けられている。そんな気がするという。数年前から寝室も別々だ。真夏にエアコンをがんがんにかけて寝る夫に耐えられなくなったというのが理由。
「寝室を別にすれば、セックスレスにもなりますよね。それまでは月に1回くらいはしていたのに、それ以来、まったく関係はありません。なんだか妻は15年後を目指して離婚準備をしているのではないか、少なくとも離婚を視野に入れているのではないかと思うことがあります」
娘が中学に入ったときから、妻はパートを始めた。パートの時間はだんだん延びている。ヤスオさんも料理や洗濯などの家事は比較的やるほうだが、妻が仕事をするようになってからは、自分がひとりになっても大丈夫かどうか、妻が計算しているのではないかと思っている。
「被害妄想に近いかもしれません。ただ、私は年とってからひとりになるのはイヤなんです。寂しすぎるじゃないですか。妻は仕事だ趣味だ、友だちだと着々と老いてからの生き方を考えているみたいだけど、そこに私は入っているのかどうか不安です」
だからといって、妻に聞いてみる勇気はない。今からさりげなく「老後」について、夫婦で話しておくことは重要なのではないだろうか。
■妻は卒婚ニュースに頷いていた
「うちなんて、今すぐ“卒婚”と言われても不思議はないかもしれない」
そう言うのはヒロフミさん(46歳)だ。元貴乃花親方と同い年のため、卒婚ニュースは他人事ではなかった。結婚して15年、不妊治療の末ようやく恵まれた双子は、今、10歳。
「子どもが小さいから実感はないけど、定年になるころには子どもも大人ですからね。妻とは可もなく不可もなくという感じ。今は私の仕事が多忙で、週末以外はなかなか家庭にも関われない状態です。以前は文句も言われたけど、最近、妻はあまり文句を言わなくなった。呆れられているのか諦められているのかわかりませんが」
だからこそ、卒婚ニュースが堪えた。一緒にニュースを見ていた妻は顔色ひとつ変えなかったが、「結婚生活から卒業するっていうのも悪くないわよね」とぽつりと言った。
「いや、オレはイヤだよと言ったら、妻はニヤリと笑っていました。それが怖くて(笑)。オレは死ぬまで一緒にいたいよと言うと、ふうんと気のない返事が返ってきました」
妻も夫の真意をうかがっているのではないか。この卒婚ニュース、世間の夫たちを震撼とさせているのかもしれない。