カジュアルとビジネスの中間をいく大人の休日スタイル。私はそれを「エレガントカジュアル」と呼んでお客様に提案しています。カジュアルを上品に、ビジネスをほどよくドレスダウン──そんな服装を実現するためのキーアイテムのひとつがボーダー柄のTシャツなのです。
アラフォーにもなって男のボーダーTなんて、ちょっと若者ぶっているみたいで気恥ずかしい。そう思われるかもしれませんが、要は使いようです。前回の連載に引き続き、今回はより実践的な着こなしの方法をご紹介します。
■ボーダーTはテーラードジャケットと相性抜群
秋も深まり、軽めのアウターが手放せない気温になってきました。大人の男性ならば、カジュアルなテーラードジャケットを選びたいところ。このとき、インナーに何を選んでいますか?
こう聞かれると、シャツや無地のTシャツと回答される人が多いのではないでしょうか。もちろんベーシックなインナーもステキですが、エレガントカジュアルはもう一歩先にいきます。ここで、ボーダー柄のTシャツの登場です。
アイテムの性質的にインナーが前面で露出するのがテーラードジャケットの特徴です。露出面の表面積は全身のおよそ10%程度。この分量がボーダー柄のTシャツと抜群の相性なのです。
黒やネイビーで暗く沈みがちな色のジャケットでも、ボーダー柄のアイテムをインナーに着れば明るくさわやかな印象に。無地のTシャツとは異なるメリハリと若さが生まれます。30代男性が20代に、とまではいきませんが、40代なら30代後半くらいの印象に映るはずです。
■大人の男性は「ハードさ」ではなく「さわやかさ」でモテる
ボーダー柄といっても、その幅や配色は多種多様。季節を問わずさわやかに見えるボーダー柄として、私は白地にブルー・ネイビー系の配色をおすすめしています。このとき、ロック・パンクぽい等間隔のボーダーではなく、白地に対して線が細いボーダーを選びましょう。いわゆるマリンテイスト。
落ち着いた大人の男性を目指すのであれば、ハードさよりさわやかさを求めるべきです。万人に好印象をもたらす「清潔感」を担保しましょう。
また、生地の種類によって実際の洋服の値段よりも高く見えることもあります。素材が綿100%であれば、肉厚なものが好ましいです。秋冬という季節感もさることながら、天然繊維の場合、肉厚なもののほうが“高見え”するからです。高見えという視点でいうと、春夏ならば化学繊維が含まれる光沢のあるテロッとした薄手の生地もおすすめです。
■上着を脱がなきゃいけなくなったら…
もし、室内が暑かったり上着を脱ぐのが適当なシチュエーションになったら、ジャケットを脱いで袖をまくりましょう。長袖のボーダーTシャツの表面積を減らす、という発想です。ボーダー柄の主張はなるべく控えめにすることが大人の着こなしの鉄則です。
また、袖をたくし上げて肌を露出させることで“こなれた”印象につながります。これは、女性ファッション誌でよく登場する「『3首』(手首、足首、首)を見せてこなれる!」という着こなしテクニックのひとつです。
季節が冬になったら、綿素材からウール素材のボーダー柄ニットに衣替えすることもおすすめです。アラフォー男性が秋冬にほどよく若さをチョイ足しして、エレガントカジュアルを実現できるのがボーダー柄のアイテム。ぜひご活用ください。
【関連書籍】『男の服選びがわかる本』(池田書店)