2017年も、気づけば残り3カ月ほど。慌ただしく時間が過ぎ、今年はまだ歯の定期健診に行けていない…なんて人もいるのでは。私たちの歯は、食事のたびにカルシウムが失われ、その後、唾液中のカルシウムとリン酸を使い再石灰化でもとに戻ることで健康な状態に保たれている。毎食後、歯磨きができていない人は、お口の中が酸性に傾き、歯からカルシウムが失われ、「初期むし歯」が進んでいる。
その「初期むし歯」の再石灰化を助ける成分が注目されていると聞き、グリコ健康科学研究所の朝熊さんのもとを訪れた。
口内にカルシウムとリン酸が足りていれば、失われたカルシウムがもとに戻る“再石灰化”が行われますが、歯磨きを怠るなどの原因によりカルシウム量が足りないと、歯はスカスカに。表面のエナメル質にかろうじて穴は開いていないけれど、その下の層はスカスカになっているという『初期むし歯』が進んでいくのです」(朝熊さん)
初期むし歯を防ぐべく、歯の再石灰化のために重要なのは、水に溶けるカルシウム「リン酸化オリゴ糖カルシウム、POs-Ca」だ。POs-Caは、歯にカルシウムを速やかに届け、酸でカルシウムが溶けてしまった歯の再石灰化を促進。さらに、もろくなった初期むし歯部分を、健康な歯と同じ結晶構造に戻す(再結晶化)働きがあることも分かっている。健康な歯は、六角形のミクロな結晶がすき間なく詰まっていることで、より強固になっているのだ。
これまで、健康な歯のために開発されてきたガムは、キシリトールやマルチトールなどの代替甘味料を使い、むし歯の原因となる酸を作らせないガムだった。「ポスカ」の誕生は、酸を作らないとともに、すでに酸によってカルシウムが失われてしまった歯を再石灰化によってもとの状態に戻し、さらに歯の結晶構造を回復するガムが登場したということ。
ちなみに、歯の再結晶化の実証実験には、世界最大かつ最先端の放射光施設「SPring-8」を使用。宇宙の超微粒子を分析するような場所で、ミクロな歯の構造を検証したという。
すると、口の中の酸を中和させてむし歯になりにくくする機能が高まっていることが判明。歯のエナメル質の再石灰化も進み、初期むし歯が改善されたケースも確認されたという。
自分の歯の本数が多ければ多いほど、健康寿命が長くなるという論文が発表されており、歯を健康に保つことは、人生を長く健やかに楽しむことにつながるのです」(朝熊さん)
歯の健康維持のためにPOs-Caを配合したガム「ポスカ」を、毎日の生活に取り入れてみてはどうだろうか。
※取材協力
江崎グリコ株式会社
健康科学研究所
朝熊弘樹さん※参考
グリコ健康科学研究所
http://www.glico.co.jp/laboratory/