都内から車で約1時間で行ける七沢温泉。
「化粧水につかっている」と言われるほど肌にいいアルカリ泉で、自然が美しい丹沢の山の中にあります。近場にあるのに知名度が高くないため、ゆっくりとグルメや温泉を楽しむことができる穴場エリアです。
できれば一泊して、翌日は日本三大薬師のひとつ・日向薬師を訪れるのがオススメです。もちろん、日帰りでも楽しめるので、秋の行楽シーズンに、ふらっと七沢温泉はいかがでしょうか？
七沢温泉について
「名湯百選」にも選ばれた神奈川県厚木市にある温泉地。 名湯百選はNPO法人・健康と温泉フォーラムが、「温泉療法医がすすめる温泉」という観点から選んだ温泉です。
泉質はアルカリ性単純温泉で、神経痛・リウマチ・切り傷・胃腸に効くとされ、美肌の湯としても知られています。
《アクセス》
よく「都心から約１時間」と表記されますが、これは車で行った場合。 電車だと、新宿から小田急線を利用して1時間40分くらい かかります。行き方は、伊勢原駅・本厚木駅・愛甲石田駅からバスかタクシーになります。
日帰り入浴のできる宿 3選
元湯玉川館
『のらくろ』の田川水泡や山本周五郎など多くの文人に愛されてきた、明治35年創業の旅館。 アンティークな内装で、ドラマのロケ地として使われることも。お風呂は総ヒノキ造りです。ランチ付きの日帰り入浴プランもあります。
- 住所：神奈川県厚木市七沢2776
- 電話番号：046-248-0002
- 立ち寄り湯の利用料：1,000円 ※約1時間
七沢荘
2023年8月1日にリニューアルオープンした七沢荘。ゼロ磁場であることから、パワースポットとしても知られています。 朗報は 「ペットと一緒に泊まれる部屋」 の復活！室内飼いをしている小型犬であれば、一緒にお部屋で過ごすことができますよ。
- 住所：神奈川県厚木市七沢1830
- 電話番号：046-248-0236
- 立ち寄り湯の利用料・平日：大人（中学生以上）1,300円／子供（3歳以上）700円 ※休日は大人200円増／子供100円増 ※約2時間
福元館
安政年間1856年に創業した老舗旅館。作家・小林多喜二を当時の主人が離れにかくまい、小説『オルグ』を執筆したことでも有名。 その際の愛用品（手火鉢、行火、茶だんす、丹前など）が残っています。日帰り入浴は、お風呂のみと、豪華な和食膳のついたプランがあります。
- 住所：神奈川県厚木市七沢2758
- 電話番号：046-248-0335
- 立ち寄り湯の利用料：大人（中学生以上）1,000円／小学生 500円／小学生未満 300円 ※約1時間
イチオシの宿 旅館・福松
今年の5月に泊まったのが、こちらの「旅館・福松」です。 なだ万で修業したご主人が腕を振るう絶品料理 で有名なお宿で、 楽天トラベルのブロンズ・アワード2022を受賞 。家族経営で部屋数も限られていますが、嬉しいサービスがあるんです。それは、 各部屋ごとにお風呂が貸し切りになること！ 一人で泊まっても、大人数で泊まっても、大浴場が1時間専用になります。
- 住所：神奈川県厚木市七沢1751
- 電話：046-248-0324
- 客室数：9室
- チェックイン：15:00 （最終は20:30）チェックアウト：10:00
お食事は部屋食になります。夜は、名物の猪鍋と和食膳。
この日のメニューは、「前菜・お造り・鯛親子焼き・天ぷら5種・猪鍋・釜だきごはん・牛乳プリン」でした。新タマネギとさやえんどうのご飯があまりに美味しくて、量が多くて食べきれないのがもったいなく、ラップを借りて、おにぎりを作りました。
朝ごはんも非常に美味しかったです。納豆が少なめで、器がすり鉢なのも混ぜやすくて最高。玉子焼きは、出汁がきいていて料亭の味でした。
福松・旅館は、温泉と食事が売りなので、お部屋は古びた感じが否めないですが、そのぶんリーズナブルな料金になっています。一泊二食付きで１万円を切るのは、破格ですよね！
- 朝食付きプラン：6,150円（税別）
- 夕食付プラン：7,500円（税別）
- お宿満喫プラン：8,800円（税別）
※予約サイトによって価格変動の場合あり
日帰り入浴もやっていて、ランチには「旅館DEバーガー」という大ボリュームのハンバーガーが人気です。
周辺スポット
七沢エリアは、東丹沢の大自然を満喫できる場所です。周りにはハキングコースが複数あり、森林浴にはもってこい！ほかにも、 七沢神社・七沢城址・金井古墳・久保屋敷古墳・村中山観音寺・広沢寺・愛宕神社・浅間神社・大釜弁財天 と、歴史好きなら気になる古墳や寺社仏閣がたくさんあります。
足に自信がある人ならば、是非行って頂きたいのが、 源頼朝も訪れた日向薬師 です。山道で曲がりくねってはいますが、七沢温泉から七沢林道をひたすら歩けば着きます。
木漏れ日の中を歩くのはとても気持ちいいです。とはいえ、これくらいの勾配がずっと続きますので、歩くのは難しいなと思った方は、宿でタクシーを手配してください。
頑張って歩くと、途中の見晴台から、厚木市内を一望できます。
旅館・福松から日向薬師までは、2.5km。Google mapでは「30分平坦な道」と出ますが、山歩きと覚悟して歩いた方が良いです。駐車場もあるので、車で来た方は林道側で停めてください。参道から行くのが正しい参拝ルートだと思いますが、参道はより急な山登りです。
日向薬師（ひなたやくし）
日本三大薬師のひとつで、伊勢原市日向（ひなた）にある高野山真言宗の寺院。本尊は薬師三尊です。かつては日向山霊山寺（ひなたさん りょうぜんじ）と称する大寺院でした。現在の正式名称は「日向山 宝城坊（ほうじょうぼう）」。昔から、薬師如来の霊場として信仰を集めていることから、「日向薬師」の名で親しまれています。
本堂は、国指定の重要文化財 となっています。寄棟造（よせむねづくり）の茅葺き屋根で、幅は7間。こんなに大きな茅葺き屋根は国内でも例が少なく、平成22年から28年にかけて行われた保存修理工事を経て、現在の姿になっています。 約270年ぶりの大修理 の模様については、公式ウェブサイトに詳しく載っています。
https://www.hinatayakushi.com/learn/major_renovation/
日向薬師には、 「秘仏・鉈彫薬師三尊像」をはじめ、丈六の薬師如来像・阿弥陀如来像、四天王像、十二神将像など、東国随一といえる仏像群 があります。本堂を含め、 重要文化財が9件 もあるのですから、一見の価値ありです！
仏像が収蔵されている宝殿（ほうでん）は有料です。午前中で参拝客が少なかったので、のんびり鑑賞することができました。
https://www.hinatayakushi.com/learn/statue/
源頼朝や足利尊氏など、名だたる武将が参拝した記録が残っていて、今も、多くの信仰を集める寺院ですが、山の上の古刹とあって、参道にはこんな立て看板が。
正直、七沢林道よりも険しい参道です。
看板にあった「徒歩15分」より「ガチ登山」という印象。「天候が悪い時は閉門する」と書いてあるのもうなずけます。途中の石に腰かけて休んでいるご年配の方もいらっしゃいました。
私は、裏の林道側から入って、参道を降りてきたのですが、この参道を往復するのは、かなりしんどいと思います。とりあえず、日向薬師に参拝する際は、ハイヒールは厳禁ですね。歩きやすいスニーカーまたは登山靴を推奨します。
丹沢の大自然に触れる旅
前半の七沢温泉から一転、日向薬師の紹介で、山歩きのイメージが強くなってしまったかもしれませんが、 私は、自分の脚で登って降りて、ものすごく達成感を味わいました。 そもそもが修験者の霊場なので、それを追体験できたというか、こういう山の中で修業したんだな、というのを肌で感じることができました。
行く順番を変えて、 「日向薬師に参拝してから、七沢林道をくだって、七沢温泉に泊まる」というルート のほうが、疲れた体を温泉で癒す、という形になっていいかもしれません。
今回の記事が、旅行プランを立てる参考になれば嬉しいです。
出展・参考
tomoko
余暇プランナー
小さい頃の夢は「世界ふしぎ発見！」のミステリーハンター、ライターのtomokoです。本業は演劇と外画アニメの演出をしています。子供向けの番組を数多く担当しているからか、小さな子供とすぐ仲良くなれるのが特徴。よく一人旅に出るので独身と間違われますが、既婚です。旅先では美術館や博物館に行くことが多いです。どうぞ宜しくお願い致します。
