1月9日から11日の間、大阪にある今宮戎神社では「十日戎」という祭事があります。
福笹を持った人が境内に溢れかえり、またその福笹を授けてくれる「福娘」という女性がいたり、色々な特徴があります。今回はそんな「十日戎」と今宮戎神社についてお伝えします。
今宮戎神社はどんな神社?
今宮戎神社は大阪市浪速区にある神社。七福神の一人で、商売繁盛の御利益があるとされる「恵比寿(えびす)天」をお祀りしています。
通称 「えべっさん」 として親しまれていて、大阪人にはこの呼び名の方が一般的です。
毎年1月9日から11日にかけて十日戎(とおかえびす)が開催される ことでも有名な神社。十日戎はとっても活気があって、えべっさんといえば十日戎というイメージが強いです。
場所は大阪メトロ「大国町駅」、南海電鉄「今宮戎駅」、大阪メトロ・阪堺電車「恵美須町駅」が最寄りとなっています。南海電鉄「今宮戎駅」にはほぼ直結しているほど近いので、すぐにわかります。
https://www.imamiya-ebisu.jp/
今宮戎神社の歴史
今宮戎神社は聖徳太子が四天王寺を建立したとき、その西方を護るためにつくったとされています。
御祭神は天照皇大神(あまてらすおおみかみ)、事代主命(ことしろぬしのみこと…戎さまのこと)、そして外三神など色々な神様がいます。
日本では 室町時代以降に七福神信仰が広まり、今宮戎神社も注目 されることに。豊臣秀頼が社殿の造営を行ったり、社領を寄進したりしたという記録も残っています。
そして、 江戸時代中期から十日戎が始まり、今の形に近くなりました。
秀頼が寄進したという社殿は戦争時に焼失したそうですが、再建され賑わいが戻っています。
えびすさまとはどんな神様?
七福神の一人である恵比寿さま。 右手に釣り竿、そして左手には鯛 を持っていることが特徴です。ふくよかで、にっこりしている顔からは幸せそうな雰囲気がありますよね。
日本では「最強の“福の神”」とも言われる御利益があると言われています。
もともと、えびすさまは 漁業の神様 と言われてきました。鯛と釣竿を持っておられるのでイメージできますよね。そしてそれがいつしか 「商売繁盛の神様」 として広まってきたと言われています。
大阪はもともと港を持ち、商売の街として発展してきました。そんな経緯もあり、よりえびす様信仰が強くなってきたのかもしれません。
十日戎とは?
関西の方は、「なんとなく知っている」という方も多いのではないでしょうか。多くの人が笹を求めて十日戎に行ったり、また福娘といわれる女性のニュースもこの季節にはよく流れたりしています。
十日戎は毎年1月9日から11日まで行われる、商売繁盛を願う祭礼 。毎年約100万人もの参拝客が来る、大阪では有名な行事です。(コロナ前の人数です)
今宮戎神社に関わらず、全国にある戎神社で行われていますが、やはり西日本の神社が多いため、他の地域の方はあまり馴染みがないかもしれません。
日本三大戎神社というものもあり、
- 西宮神社(兵庫県)
- 今宮戎神社(大阪府)
- 京都ゑびす神社(京都府)
の3つになっています。
西宮神社は、十日戎の早朝に行われる 「福男選び」 があるので知っている方も多いでしょう。
十日戎は、 9日が「宵戎(よいえびす)」、10日が「本戎(ほんえびす)」、11日が「残り福」 と言われています。
「商売繁盛で笹もってこい」という掛け声が飛び交うとても賑やかなお祭りです。
十日戎の笹って?
ではその笹はどんな意味があるのでしょうか?十日戎の笹は、 「福笹(ふくざさ)」 と言われていて、商売繁盛につながる縁起物とされています。 福笹は、笹の先に、縁起もの(米俵、熊手など)を付けたもの。
笹を使うにも理由があります。竹は昔から色んな道具として日本人の生活に深くかかわってきました。 竹は力強く、生命力があり、日本人はそこに神霊が宿るという考えも持っていた といいます。
例えば「かぐや姫」の話もそういった信仰から生まれたのだとか。竹から生まれる笹も同様、力強く生命力を持ち、いのちを生み続ける…そういった考えから、神事に笹を使っているそうです。
福笹の貰い方とは
境内で、どのようにこの福笹を貰うのか、具体的な方法をご紹介します。
福笹の「笹」自体は無料 で配布されています。まずは境内で、無料で配られる笹を受け取ります。この笹は福娘とよばれる、選ばれた女性たちが配って下さいます。
福娘に選ばれるまでにも様々な選考があり、福娘になりたいと憧れる女の子も多いと言われています。毎年高倍率を勝ち抜いた人のみが選ばれるので、本当に福があるのかも?と思えますよね。
次に、 「吉兆(きっちょう)」といわれる飾り物を選びます 。ひとつ大体1,500円前後になります。たくさんつけたい方は複数買ってもOK。自分だけのオリジナル福笹をつくりましょう!
そして最後に、 吉兆を福娘さんに笹へ結んでいただき、完成 です。
福笹をいただくエリアでは 「商売繁盛で笹もってこい」 というフレーズがずーっと流れています。
これはお囃子で「笹を持って来たら商売繁盛させてあげるよ」「商売繁盛したらまた笹を持ってきてお詣りしてや」といった意味があるそう。とっても耳に残るフレーズです。
十日戎の楽しみ方
ご紹介したように、 十日戎で絶対やっておかなければならないのが、福笹をもらうこと。
商売繁盛を願い、福笹を店先や職場などに飾っておきます。
サラリーマンやフリーランスの方でも、貰って飾ると何か良いことがおこるかも…?という福を授かれるものなので、興味のある方はぜひ貰いに行ってみて下さい。
2023年の十日戎の開催は、例年と同じく1月9日、10日、11日 です。
昨年は入場制限もあったので、行かれる際は公式HPをチェックしてみて下さいね。混雑が苦手という方には、福笹の郵送もありますのでご安心ください。
本来であれば「宝恵駕籠」という駕籠行列などのイベントもありましたが、新型コロナウイルスで中止されています。
福笹をもらうだけでなく、他にも縁起物を購入したり、屋台を楽しんだりと様々な楽しみ方があるので、全く退屈しない楽しさがありますよ。
十日戎で福をもらおう!
活気ある十日戎の雰囲気を味わえるのはこの三日間だけなので、スケジュールが合うという方はぜひ出かけてみてはいかがでしょうか?
昨今の情勢や新型コロナウイルスなどで気分が下がっている方や明るい気持ちになりたいという方は、福だけでなく元気が貰えそうな十日戎はとってもおすすめです。
ゆかた
余暇プランナー
金融業界出身で今はライター中心にフリーランスで活動中。大阪在住だけど京都歴の方が長く、休日はだいたい京都にいます。海外30か国旅行してる旅好き。旅のスタイルはグルメ旅/スポーツ観戦旅/美術館めぐり/ひとり旅。スイーツを求めがちです。関西の情報中心にお届けします。