花粉症の症状は、実は毎日食べている物が大きく影響していることを知っていますか?花粉症の予防や対策になる食べ物、また花粉症を悪化させる可能性のある食べ物について、現役薬剤師が解説します。
花粉症と食べ物の関係について
花粉症は体のアレルギー反応が過剰になることで、かゆみや鼻水、湿疹などの症状が現れます。実は体のアレルギー反応は、日頃の食べ物が大きく影響しています。
花粉症に悪影響の食べ物・飲み物とは
まずは実際に、どのような食べ物が花粉症に悪影響を及ぼしやすいのか、解説します。
糖分
糖分は体の様々なホルモンバランスに影響しています。ホルモンの中でも特に副腎皮質から放出されているコルチゾールに影響し、体のストレス反応や免疫力に関係しています。
糖分を普段から多く摂っていると、その働きに負担をかけてしまいます。その結果、免疫力が下がりアレルギー症状が起こりやすくなり、花粉症が発症・悪化しやすくなります。
チョコレート
糖質の中でもチョコレートは糖質や脂質などの不純物が多く、アレルギー反応、即ち花粉症にとても影響しやすいです。なかでも高カカオのチョコレートは他のチョコレートに比べて脂質が高く、カフェインや添加物も多く含まれています。
糖質が低いチョコレートでも、その代わりに含まれている物質が花粉症に影響することがあるので、適度に摂るようにしましょう。
小麦類
小麦類は体を冷やしやすく免疫力に影響します。また小麦類は花粉症と同じメカニズムで、アレルギーを発症し易いと言われています。
花粉症の時期の前後はパンやパスタ、揚げ物などは控えるようにしてアレルギー反応が起こりにくい体作りを目指しましょう。
加工食品
加工食品は健康に影響が出にくい量の添加物が含まれていますが、それらを体の許容範囲以上に摂ると、アレルギー反応を起こしやすくなります。チーズやソーセージ、缶詰やレトルト食品など気をつけて摂りましょう。
青魚
青魚は他の魚と比べてプランクトンが多く、アレルギー症状を出しやすいです。もともと青魚で体調を崩したり、肌にかゆみを感じやすい方は、花粉症の時期の前後は控え目にしましょう。
アルコール
アルコールは主に肝臓で代謝されます。肝臓は体の余分な物も解毒したり、体の外に出すための形にするために反応する場所です。
アルコールで肝臓の働きを酷使してしまうと、体外から入ってきたアレルギー物質を解毒できずにアレルギー症状として感じやすくなってしまいます。
また、お酒には糖分が多く含まれているものが多いです。アルコールの摂取は花粉症の程度に合わせて調節したり、休肝日を設けるなどしていきましょう。
花粉症の対策とおすすめの食べ物・飲み物
花粉症対策は様々なことが原因で体のアレルギー反応として現れます。食べ物に気をつけるだけでなく、できることから気をつけていきましょう。
ここでは、花粉症対策として気を付けたい生活習慣と、それにおすすめの食べ物・飲み物をご紹介します。
排便
排便は体の免疫力に影響しています。普段から便秘の方は余分なものを体に溜め込み免疫力が下がりやすくなります。その結果、花粉症などのアレルギー症状が出やすくなります。
排便に良い食べ物
・ハトムギ茶
他のお茶と比べて不溶性食物繊維が豊富なため、便の量を増やし腸を刺激することで便秘改善効果が期待できます。
またハトムギ茶には肌や内臓の炎症を抑え、免疫力を上げる効果も期待できます。
・生姜茶
生姜は体を温める作用があり、お腹周りを温めてくれます。便秘は腸の働きが落ちているだけでなく、気付いていない「冷え」も原因のひとつなので、体の内側から温めていくことを意識しましょう。
・ヨーグルト
ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌など、腸内環境を整える善玉菌が多く含まれています。毎日少しずつでも食べ続けることで便通が良くなります。
しかし、多く摂りすぎるとガスが溜まりやすくなるので、お腹が張ったりガスが溜まりやすい方は適度に摂るようにしましょう。
睡眠
睡眠は体の免疫力に大きく影響しています。体の免疫力が下がると、アレルギー反応が起こりやすくなります。1日あたり少なくとも7時間は睡眠を取れるように工夫していきましょう。
睡眠に良い食べ物
睡眠にはタンパク質に含まれているトリプトファンという成分を摂ると良いです。肉・魚類、大豆、乳製品、卵などを意識して摂りましょう。
サプリメント
日頃偏った食生活をしている方は、サプリメントで必要な栄養を摂ることもおすすめです。
ビタミンやミネラルは、体の免疫力を高めるための反応や、余分なものを解毒するための反応に関わっていることが多いです。
花粉症と食べ物には深い関わりが
花粉症には食べ物や食生活が深く関わっています。花粉症にならないように、または悪化させないためにも、日頃からできることで対策していきましょう。