暑い日が続き、日中の都内はインドやタイなどよりも気温が高いこともある昨今、エアコンは必需品です。熱中症予防のためにも、適切な空調を入れることは必須であるといえるでしょう。
しかし、予想以上の電気代の請求が来て驚いたことはありませんか?
エアコンを定期的にお掃除し、正しいお手入れをすることで、無駄なパワーを消耗させずに電気代の節約へとつなげることができるのです。
今回の記事では、お掃除のプロが「電気代の節約につながる正しいエアコン掃除のやり方」について解説します!
エアコン掃除は最大の電気代節約術!
地域により多少の差はありますが、家庭の電気使用量のうちエアコンが占める割合は次の通りといわれています。
・冬場:約30%
・夏場:約50%
これほどの割合を占めるエアコンの電気代、できるだけ節約していきたいですよね。
正しいお掃除をすることで、エアコンにかかる負担を減らせるようになります。その結果、電気代を抑える効果に期待ができるのです。
【驚異の節約術】エアコン掃除で電気代が安くなる理由は?
エアコンは、部屋の空気(熱)を吸い込み、室外機を使いながら熱を冷やしたり温めたりする熱交換機で適切な温度の熱を作り、風を使って部屋を冷やしたり暖めたりする構造です。
フィルターにホコリなどの汚れがたくさん溜まると、うまく風を出せなくなってしまいます。
そうなると、設定温度になるまでに時間がかかってしまい、普段よりも余計に力を使って動かなくてはなりません。
そして、そのぶん電気代も余計にかかってしまいます。
また、室内でエアコン本体を掃除しているから節約できていると思っていても、室外機が汚れていたらあまり節約できていないということも。
室外機には、エアコンとともに状況に応じて熱を冷却・排熱させて循環する機能があるため、やはり、スムーズに稼働しなければ冷暖房効果が弱くなります。その分、余計な稼働の力が働くことで電気代がかかってしまうのです。
自宅で簡単!電気代節約のための正しいエアコン掃除
エアコンは、高い場所に設置されているので、一見、掃除が億劫に感じられますが、自分でできる掃除は限られているので意外と簡単ですよ!
手の届く場所だけ、掃除すれば大丈夫です。
手の届きにくいエアコン内部の掃除は、ご自身でお掃除することはあまりおすすめできません。エアコンクリーナーなどは市販品もありますが、ご自身で掃除した場合は洗浄不足になることも多く、内部に汚れがこびりついてしまうこともあります。結果、故障の原因につながってしまうことも。
エアコンメーカー各社も、内部掃除でご自身でクリーナーを使用しないように推奨しています。
そのため、エアコン掃除は「エアコン本体の手の届く場所」と「室外機」の2つの場所に留めると良いでしょう。
エアコン本体掃除方法
【エアコン掃除に必要なアイテム】
・ハンディーワイパー
・使い捨て掃除用シート(もしくは拭き掃除用のフキン)
・掃除機
・ウタマロクリーナー(台所用中性洗剤でも可)
・小歯ブラシや綿棒
掃除できる場所は、主に「本体のカバー」「ルーバー(風が出る部分)」「フィルター」の3カ所です。
フィルターなどを洗って乾かすので、晴れている日に掃除することをおすすめします。
2週間に1度を目安に掃除していきましょう。
1.電源を切り、コンセントをはずす
コンセントをつけたままだと漏電や感電のおそれがあります。
掃除のときはコンセントは外しましょう。
2.ハンディーワイパーで、全体的にホコリをとる
掃除の時に、ホコリが落ちてしまうことがあります。
気になる方は、周りのものをどかしたり、新聞紙などで下をカバーしたりしておきましょう。
まずは本体の表面のホコリをとります。
その後、カバーを開けて、中のホコリを取っていきます。フィルター以外にも内部にもたくさんホコリが付着しているので、全体的にホコリをとっていきましょう。
ハンディーワイパーは、ほこりを静電気で吸い取ってくれるアイテムですが、たくさんホコリが溜まっている方は、先に掃除機で吸い取ることをオススメします。
3.フィルターを外す
フィルターは、下に引くと簡単に外せますが、エアコンの種類によって取り出し方が違うものがあります。
わからない場合は、無理に引っ張らず、まずは取扱説明書を読みましょう。
4.フィルターを洗う
フィルターについたホコリは、裏からシャワーをかけると意外と簡単に汚れが落ちます。
流しても落ちない黒い汚れは、ウタマロクリーナーなどの中性洗剤を使って古歯ブラシなどで擦っていきましょう。
洗った後は、カビの原因にならないよう、フィルターをタオルで拭くなど水気をとり、しっかり乾かしてから戻します。
5.手の届く範囲を拭いていく
フィルターを干している間に、エアコン本体の表面、ルーバー部分(風の入り口や羽根のところ)など、手の届く範囲を拭いていきます。
端っこは、綿棒を使ってみたり工夫しましょう。
拭くと意外とすぐに真っ黒になるので、100円ショップで売っている除菌付きの拭き掃除専用の使い捨てシートがオススメです。
もちろん、マイクロファイバーなどのフキンでもOKです。
その場合は、ウタマロクリーナーなどの中性洗剤を使っていくと、汚れが取れやすくなります。
エアコンの内部の汚れは、ホコリだけではなく、カビも繁殖しやすい場所です。
カビの繁殖を防ぐよう、アルコールで拭くのもオススメです。
手の届かない隙間掃除には工夫を
針金ハンガーやお箸などの棒に、使い捨てシートを巻き付けてゴムで縛ったスキマ掃除棒を作って掃除をすると、手の届かなかった部分も拭き掃除ができますよ!
あまり、無理して奥まで掃除するのは故障の原因の恐れもあるので気をつけて。
エアコン専用の隙間用掃除ブラシも市販のものも売っています。
6.乾いたフィルターを取り付け、コンセントを元にもどす
諸々のお掃除が完了したら、フィルターを元に戻して起動させましょう!
お掃除後のエアコンは、空調機能が回復していることを実感できると思いますよ!
室外機の掃除方法
室外機の汚れは、エアコン本体と違いカビやホコリではありません。
虫の死骸や落ち葉がひっついていたり、ホコリや土埃などの粉塵であることがほとんどです。
本格的に冷房や暖房を使うシーズンの前に、年に1〜2回掃除をしていきましょう。
室外機の自分でできる掃除の範囲は、次の通りです。
・室外機の表面
・ドレンホース(水分を排出するホース部分)
・裏側の金属板(フィン)
できれば室外機を少し動かして、裏の隙間を開けると掃除がしやすくなります。
ただし、室内機と繋がれている配管があり、ここから冷媒が漏れるとエアコンは効かなくなってしまいます。
配管を傷つけないよう、慎重に少しだけ動かしましょう。
エアコン本体掃除方法
【室外機掃除に必要なアイテム】
・ちりとり
・ホウキ
・水を流すアイテム(シャワーホース、ジョウロなど)
・雑巾や古布
・ウタマロクリーナーなどの中性洗剤(台所用中性洗剤でも可)
・古歯ブラシ
・洗車ブラシ(ホウキでも可)
室外機掃除の手順は、以下の通りです。
- エアコンのコンセントを抜く(これで基本は室外機の電源もOFFになりますが、外から電源を取るタイプもあるので注意してください)
- 洗車ブラシやホウキを使って、室外機を撫でるように優しく砂埃や大きな汚れなどを落とす
- 落ち葉などのゴミや少し取れる砂埃などをちりとりでとる
- 水を上から下に向かってかけて、汚れを落としていく
- 水をかけただけでは落ちなかった汚れなどを、雑巾や古歯ブラシを使って、綺麗にする
- ドレンホース内がつまっていたら、割り箸や小歯ブラシなどを使ってかきだす
- 拭き掃除する
- コンセントを元にもどす
室外機は屋外に設置する前提のものなので、大雨や台風がきても大丈夫なような作りになっています。
しかし、横部分や下から水をかけると内部のファンまで濡れてしまうことがあり、故障につながるおそれもあります。
水をかけるときは、あくまでも上から下に水が流れるように、やさしくかけてください。
汚れがひどくなければ、雑巾の濡れ拭きだけでも十分です。
また、ウタマロクリーナーなどの中性洗剤を使って拭き掃除をすると、汚れがより取れやすくなります。
ただし、ファン部分は柔らかくてすぐに潰れやすいので、なでるように優しく触ってください。
ブラシで擦らず水を流すだけでも、ずいぶんと汚れは落ちるので、無理に擦らないように気をつけるようにしましょう。
正しいエアコン掃除でどのくらいの電気代節約を目指せる?
環境省によると、夏は2週間に1度フィルターを掃除することで、夏は約4%、冬は6%の消費電力の削減になるといわれています。
やってしまえば簡単なフィルター掃除を、ぜひ習慣化させましょう。
引用:https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/setsuden/home/saving03.html
掃除以外でも?エアコンの使い方をちょっと気を付けて電気代節約!
掃除以外にも、電気代を節約できるエアコンの使い方を紹介しましょう。
室外機の周りにものを置かないように
せっかく掃除をしても、室外機の周りに物を置くと、熱の放出や吸収の効率が悪くなってしまい、冷暖房の効果が下がってしまいます。
風通りをよくし、空気がスムーズに流れるように、物を置く時は、スペースを開けて置きましょう。
カーテンを使って熱の遮断を
外から当たる暑い熱や冷たい空気は、カーテンを使って遮断すると効果的です。
できれば、昼間もレースカーテンでも閉めておくとよいですよ!
ちょっとだけの外出時、昼間でもカーテンを閉めておくと、夏場は冷気が逃げることを防ぎ、冬場は暖気を閉じ込めてくれます。
空気の循環させて、設定温度を適切に保ちましょう
扇風機やサーキュレーターを利用すると、夏は風が体にあたると涼しく感じますし、冬は、上に溜まりやすい暖まった空気を循環させることができます。
室内温度は、夏場は28℃、冬は20℃を目安にし、サーキュレーターなどをうまく使って、体感温度を快適にしましょう。
エアコンの温度を1℃変えるだけで、約10%前後の消費電力の削減になると言われています。
風量設定は自動に
風量は弱風や微風で節約できると思っていたら間違いですよ!
その温度に設定されるまでに時間がかかったりして、無駄に電気代がかかってしまうことが。
風量設定は「自動」にしておきましょう。
お掃除のプロにエアコンクリーニングを依頼するメリット【電気代節約】
冒頭でも述べた通り、エアコンや室外機の内部まで自分で掃除してしまうと、最悪故障の原因になりかねません。
プロの掃除業者に依頼すると、故障の心配なく、内部まで汚れを綺麗にすることができます。
通常のエアコンの使い方をしている方は2年に1度くらいのペースで、ペットを買っていたり、アレルギーを持っている方であれば、1年に1回を目安に。
エアコンの寿命を伸ばすためにも、プロの方にクリーニングを依頼することをオススメします。
エアコン活躍の季節は要注意!正しい掃除で電気代節約を目指そう!
今回の記事では、お掃除のプロが「電気代の節約につながる正しいエアコン掃除のやり方」について解説しました。
エアコンを掃除していないままフル活動させると、知らず知らずに電力をたくさん使ってしまっていますよ!
エコにもつながるエアコン掃除で、電気代を節約しましょう。