以前は運動をしている男性が飲むイメージのあったプロテインですが、最近では健康づくりや美容のために取り入れる女性も増えてきています。
ですが、「運動していない場合にプロテインを飲むと太るのでは?」と心配する方もいるかもしれません。
今回の記事では、プロテインの理想的な取り入れ方について、管理栄養士が解説します。
プロテインは太る?適切に取り入れれば運動しなくても太りません
運動していない場合「プロテインを飲むと太るのでは?」と思うかもしれませんが、プロテインは適切に取り入れれば運動しなくても太りません。
また、プロテインを飲むだけでは、筋肉ムキムキになることもありませんので、安心して取り入れて大丈夫です。
そもそも太るのは、消費エネルギーより摂取エネルギーが上回った場合に起こります。
運動していない人でも、消費エネルギーと摂取エネルギーが釣り合っていれば計算上は太りません。
そのため、消費エネルギーと摂取エネルギーが均等になるようにプロテインを取り入れれば良いのです。
プロテインはたんぱく質など身体に必要な栄養素を補給する手助けをしてくれます。
プロテインを取り入れたい場合は、上手に取り入れましょう。
NG!太るプロテインの飲み方の例
とはいえ、プロテインは飲み方を間違えると、太ってしまう場合もあります。
そのような事態を避けるために、NG例を知っておきましょう。
水分補給代わりに飲む
プロテインはカロリーが抑えられてているものが多いとは言え、水分補給変わりにたくさん飲むと、カロリーオーバーしてしまいやすくなります。
プロテインをなんとなくダラダラ飲むのは避け、飲む回数やタイミングを決めておきましょう。運動していない場合は、1日1杯程度で十分です。
現在の食生活を変えないまま取り入れる
先ほどお伝えしたように、摂取エネルギーが消費を上回ると太ってしまう原因になります。
現状の食生活を変えないままプロテインを飲めば、摂取エネルギーがプラスされることになるため太ってもおかしくありません。
プロテイン1杯は80~100kcal前後ほど。
たとえば、毎日プロテイン1杯80kcalを飲んで摂取エネルギーがプラスされた場合、体脂肪は1kg=7200kcalですので<7200kcal÷80kcal=90日>となり、3ヶ月で1kg太る計算になります。
ただ単にプロテインを取り入れるだけでは、知らず知らずのうちに太っていた……という場合も考えられます。
OK!理想的なプロテインの取り入れ方【太る飲み方はしない】
では、太らずにプロテインを取り入れる場合は、どのようにするのが正解なのでしょうか?運動しない場合でもOKな、理想的なプロテインの取り入れ方をお伝えします。
水で溶かして飲む
粉末タイプで溶かして飲むプロテインの場合、水で溶かして飲むようにしましょう。
乳で溶かして飲むと、牛乳分のカロリー(122kcal/200g)がプラスされるためカロリーオーバーになりがちです。
ただし、牛乳はカルシウムの良い補給源であり毎日とりたい食品でもあります。
牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品をとる習慣のない方は牛乳で溶かしてもOKです。
低脂肪タイプや無脂肪タイプなど、カロリーを抑えた牛乳を選びましょう。
間食の代わりに
プロテインを間食の代わりに置き換えると、カロリーカットができダイエットにも役立ちます。
たとえばメロンパン1個(100g)349kcal、甘いカフェオレ1本(500ml)250kcal、バニラアイス1個(200g)356kcalなどのカロリーの高い間食をとっている場合、プロテイン(1杯80~100kcal)に変えれば大幅にカロリーカットが出来ます。
ダイエットに役立つだけでなく、たんぱく質などの栄養補給ができる点も良いでしょう。
バランスが偏りがちな食事に
簡単になりがちな朝食など、どうしてもバランスを整えにくいときに取り入れるのも良いでしょう。たとえばサンドイッチやパンなどにプロテインドリンクをプラスすると、たんぱく質を補えます。
たんぱく質は毎食欠かさずに摂る必要があるため、手軽にとれるプロテインが重宝するでしょう。
運動する場合は運動後30分以内に
運動している方や、これから運動をしようと考えている方は、運動後30分以内にとるようにしましょう。
運動後は糖質とたんぱく質を速やかに摂ることで筋肉の合成を助けることが知られているため、筋力アップに繋げられます。
このときに選ぶプロテインは、カロリーオフタイプのものでなく糖質が含まれたものを選ぶと良いでしょう。
太りにくいプロテインの選び方【太る商品は避ける】
運動していない方でも取り入れやすい、太りにくいプロテインにはどのようなものがあるのでしょうか。もちろん運動している方でも、カロリーを控えたい方は参考にしてくださいね。
ドリンクタイプならソイプロテインがおすすめ
ドリンクタイプのプロテインなら、ソイプロテインがおすすめです。ソイプロテインは大豆たんぱくから作られており、牛乳のたんぱく質から作られたホエイプロテインやカゼインプロテインに比べ、カロリーが抑えられている傾向があります。
ソイプロテインは飲みやすさも特徴であるため、プロテイン初心者でも取り入れやすいでしょう。
プロテインバーはカロリーをチェック
バータイプの食べるプロテインは、カロリーを必ずチェックしましょう。バーという形状にするために脂質が多くなっていることがあり、飲むタイプに比べるとカロリーが高い傾向があります。
ただし、食べるタイプは満足感を得られやすいのが魅力です。間食の代わりに手軽に食べられます。
カロリーを控えたい方は、カロリーや脂質をチェックして選んでくださいね。
腹持ちの良さならゼリータイプを選ぼう
腹持ちが良く手軽にとれるのが魅力なのがゼリータイプです。持ち運びしやすく、どこでも手軽にとれるメリットがあります。
ゼリータイプはカロリーが控えられているものも多く、選び方によっては大幅にカロリーダウンも可能です。
味もさまざまありますので、一度チェックしてみてください。
プロテインの摂りすぎは太る以上の身体への影響も!基本はバランスの良い食事を
プロテインは手軽に栄養補給できる良さがありますが、基本的には食事のバランスを整えることが大切です。
日本人の平均的なたんぱく質摂取量は不足しておらず(※)、魚や肉、卵や大豆製品を取り入れた食事をとっていれば基本的にはプロテインは不要です。
たんぱく質はたくさん摂れば良いというわけではなく、たんぱく質の摂りすぎが続くと腸内環境の乱れ、体臭、腎臓への影響など、知らないうちに健康へ影響する恐れもあります。
基本は3食のバランスの良い食事を心がけ、取り入れたい理由がある場合にプロテインを取り入れるようにしましょう。
※参照:厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
プロテイン飲むと太るは誤り!目的に応じて、正しく取り入れよう
今回の記事では、「運動しない場合のプロテインの取り入れ方」を管理栄養士が解説しました。
プロテインは正しく取り入れれば太る心配はなく、ダイエットの手助けもしてくれます。食事を基本としながら、上手に取り入れるようにしましょう。