えのきは味に癖がないため食べやすく、比較的安価に購入できるという点から、重宝する方も多いのではないでしょうか。この記事では、えのきの特徴的な栄養素を、きのこでよく使われるしいたけ、エリンギ、まいたけ、ぶなしめじと比較しながら解説します。最後には、えのきのおすすめレシピも紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。
えのきの栄養と効果
えのきには様々な栄養素が含まれていますが、今回は特に多いといわれる「カリウム」と「食物繊維」について解説します。えのきとスーパーで手に入れやすい、しいたけ・まいたけ・エリンギ・ぶなしめじと栄養価を比較してみました。ぜひきのこを選ぶ際の参考にしてください。
むくみ解消の栄養素「カリウム」
カリウムは、身体に余った塩分(ナトリウム)を排泄する際に必要な栄養素です。カリウムが不足することで身体に塩分が溜まりむくみが発生してしまいます。
浮腫みを解消するためにもカリウムは積極的に摂取しましょう。
では、えのきのカリウム量は他のきのこ類と比べると多いのでしょうか?
100gあたりのカリウム量を多い順に並べると以下のとおりです。
1位 ぶなしめじ(370mg)
2位 えのき、エリンギ(340mg)
4位 しいたけ(290mg)
5位 まいたけ(230mg)
ぶなしめじに次いで、えのきのカリウム量は多く、きのこ類の中でも効率よくカリウムを摂取できるといえます。
腸のお掃除には「食物繊維」
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類あります。
えのきは特に「不溶性食物繊維」が豊富。不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を含んで膨らみ、腸を刺激することで便通をよくする働きがあります。便秘の原因はさまざまありますが、食物繊維をしっかりとることで改善するケースも多いので、意識して食卓に取り入れましょう。
では、えのきの食物繊維量は他のきのこ類と比べると多いのでしょうか?
100gあたりの食物繊維量
多い順に並べると以下の通りです。
1位 しいたけ
2位 えのき
3位 まいたけ、ぶなしめじ
5位 エリンギ
食物繊維はしいたけが最も多いですが、その次にえのきの食物繊維量は多いので、きのこ類の中でも効率よく食物繊維を摂取できるといえるでしょう。
えのきには「たんぱく質」や「脂質」が足りない!
えのきは、ダイエットの大敵である「むくみ」「便通」の問題を解決するきっかけの栄養が豊富に含まれています。しかし、ダイエットに良いからといってえのき ばかり食べるなどの偏った食事は身体を壊してしまいます。
えのきには、身体をつくるのに必要な「たんぱく質」「脂質」が少ないため、バランスよく栄養摂取したいなら肉や魚などをレシピや献立で組み合わせましょう。
とくに「たんぱく質」に関しては、ダイエットをしている方には不足してはならない栄養素のひとつ。えのきはカロリーや糖質、脂質が低く、ダイエット食材として一時注目されましたが、えのき ばかり食べていてはたんぱく質が不足することで代謝もだんだんと落ち、リバウンドしやすい身体になってしまいます。
「脂質」は太るイメージが強い栄養素ですが、細胞膜やホルモンを生成したり、ビタミンを吸収しやすくするためにとても大切な栄養素です。
そんなえのきですが、きのこの中でも味が淡白なのが特徴のひとつです。
実は冷凍するとグッとうまみが増し、さらにおいしくなるんです!その理由を解説します。
えのきは冷凍するとうまみが増す?!
えのきは冷凍するとうまみが増すといわれていますが、厳密にいうと冷凍するときにうまみが増すのではなく、えのきを「解凍」するときにうまみが増します。解凍するときにえのきの細胞が壊れ、うまみ成分であるグアニル酸が溶け出すため、食べたときにいつもよりもグッとうまみを感じることができるのです。
※えのきの冷凍方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
【完全版・管理栄養士解説】きのこは冷凍でうまみ・栄養が増す!冷凍する4つのポイント
きのこを冷凍保存するメリット、おいしく冷凍する4つのポイント、各きのこの冷凍方法(しいたけ、しめじ、まいたけ、えのき、エリンギ、なめこ、マッシュルーム)、保存期間や解凍方法、冷凍きのこのおすすめ調理法を紹介します。
えのきの栄養を逃さない!おすすめの食べ方とは?
えのきの石づきを取る際にざっくり切る方も多いと思います。
実はえのきの根元部分はえのきの中でも食感がよく、特においしい部分。なるべく根元が残るように、おがくずがついている所だけを取り除くように切りましょう。
すでにご紹介してきた、えのきに多く含まれるカリウムやその他含まれているビタミンB群もなるべく逃さずに摂取したいですよね。これらの栄養素は「水に溶けやすい」という性質があるので、洗ったり茹でたりすると栄養が水に流れてしまいます。
えのきを含め、きのこ類は水洗いは基本しなくても問題ありません。茹でる調理もなるべく避けたほうがムダなく栄養を摂ることができます。
以下のレシピは、えのきの栄養を逃さない調理法を活かしているためおすすめです。ぜひ試してみてください。
【えのきとねぎのレンジナムル】
えのきとねぎのレンジナムル
えのきだけ、小ねぎ、○にんにくチューブ、○鶏ガラスープの素、●ごま油、●白いりごま、●こしょう、塩
調理時間:5分
【えのきのレンジシュウマイ】
えのきのレンジシュウマイ
豚ひき肉、えのきだけ、○オイスターソース、○しょうゆ、○しょうがチューブ、○片栗粉、○ごま油、しょうゆ(好みで)、練りからし(好みで)
調理時間:15分
上手にえのきを食べよう!
えのきは、身体にもうれしい栄養が他のきのこに負けないくらい多く含まれています。その栄養を逃さないように調理方法を工夫したり、えのきに足りない栄養を肉や魚で補ったりと、ぜひ毎日の食事で活かしてみてくださいね。