
2021年3月に発売されたばかりのこびり付き汚れを落とす粉末洗剤「キュキュット つけおき粉末」。その名のとおり、粉末をお湯に溶かしてつけおきしておくことで汚れを浮かせて洗い物が楽になるという商品なのですが、その実力はいかに?様々な条件で検証してみました!
こびりついた汚れ落としに有効!「キュキュット つけおき粉末」とは?
2021年3月6日、 花王の「キュキュット」シリーズから、 食器・調理器具用洗剤 「キュキュット つけおき粉末」が新発売されました。
カレーや煮込み料理の後にお湯に溶かしてつけおきすれば、 強力発泡パワーでこびりつき汚れをラクに落とすことができるという新発想の洗剤です。 つけおきすることで食器・調理用具の除菌・ウイルス除去(※)もできます。
※すべての菌・ウイルスを除去するわけではありません
本体は320g入りで、直径26cmの大きめの鍋だと約6回分、直径20cmの小さめの鍋だと約17回分です。値段はオープン価格で、筆者は本体を税込437円で購入しました。
キュキュットシリーズでの使い分け方
キュキュットシリーズといえば、「Clear泡スプレー」「あとラクミスト」も有名です。
話題の食器用洗剤「あとラクミスト」はどこまで汚れが落ちる?4種の汚れで検証してみた!
食器をすぐに洗えないとき、かけておくだけであとで洗うのがラクになると話題の「あとラクミスト」。本当に水をかけておくよりあとがラクなの?実際に汚れは落ちるの?と疑問に思ったので家庭でのよくある汚れで検証してみました。
それぞれの使い分けは下記の通り
Clear泡スプレー
タッパーのパッキンや水筒の細かい部分など、スポンジが届きにくいところを洗うのにおすすめ。
あとラクミスト
すぐに洗えない汚れた食器にスプレーしておけば、時間が経ってから洗っても汚れがスルッと落ちてくれます。
つけおき粉末
洗剤を溶かしてつけおきすることで、面倒なこびりつき汚れを楽に洗うという新たな使い方。キュキュットシリーズに仲間入りしました。
入っている成分は通常の洗剤とどう違う?

つけおき粉末に入っている洗浄成分は主に2つ。発泡剤の「過炭酸ナトリウム」と、界面活性剤の「アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム」です。
「過炭酸ナトリウム」は、いわゆる酸素系漂白剤の主成分で、有名な酸素系漂白剤「オキシクリーン」にも使われています。
「アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム」は衣料用洗剤や衣料用漂白剤にも使われている成分で、過炭酸ナトリウムと反応して「有機過酸」を発生します。この有機過酸が、除菌作用や漂白作用を持っています。
液性は弱アルカリ性。食器用洗剤の液性の中で最も刺激が強いのが弱アルカリ性なので、お肌の弱い人はゴム手袋をして取り扱うのがおすすめです。
ただ、「つけおき」という性質上、洗剤が直接手に触れるタイミングは多くはありません。
肌への刺激は多少あるものの、直接手に触れにくい使い方の商品だからこそ実現した、漂白剤並みの洗浄力が期待できる食器用洗剤といえそうです。
キュキュット つけおき粉末の基本の使い方
では、早速使ってみましょう!
1.拭き取れる汚れや水で洗い流せる汚れはあらかじめ取り除く。
2.つけおく鍋や容器にぬるま湯(水)を入れる。40度のお湯が効果的です。
3.使用量の目安にそって粉末を入れる。
4.1か所に固まらないよう2~3回かき混ぜる。
5.つけおき時間の目安にそってつけおく。鍋、フライパン、食器類のつけおき時間の目安は30分~1時間です。

6.スポンジ等で軽くなで洗いして、流水で5秒以上すすぐ

キュキュット つけおき粉末の実力を検証!
基本的な使い方が分かったところで、
- 長時間放置した汚れは落ちるか?
- 汚れの種類によって差は出るか?
について検証していきます。
長時間放置しても汚れは落ちる?
調理後1時間と半日経ったカレーの鍋で汚れ落ちに差が出るかを実験。製造元である花王のコールセンターに問い合わせたところ、放置した時間が長いほどつけおき時間も長い方がいいとのことだったので、どちらも1時間つけおきしてみました。
調理後1時間

調理後1時間経ったカレーの鍋です。汚れが固まってしまい、最初に拭き取りったり、さっと流すことが難しかったので、このままつけおきしてみます。
1時間つけおきしてから、さっと水洗いしてみました。

汚れは残っていますが、フニャッとふやけていて、今にも剥がれ落ちそうです。
スポンジで軽く撫で洗いしたら、汚れは残らず落ちました!

洗い終わった後の手触りは、特に鍋の外側部分が少しヌメる感じがしたので、少量の食器洗剤をつけたスポンジで洗いました。つけおきした内側はキュキュッとしているので、2度洗いは不要でした。
調理後半日

夜作ったカレーを翌日の朝まで同じ鍋に入れ、再加熱して食べた後、さらに1時間程度放置したものです。再加熱したときに、少し焦げついてしまいました...。
1時間つけおきし、さっと水で流したものがこちら。

先ほどの、調理後1時間でつけおきしたものと同じような感じで、汚れが今にも剥がれ落ちそうです。これは期待できるかも!

スポンジで軽く撫で洗いしただけで、焦げつきの部分の汚れもキレイに落ちました!洗い終わった後の手触りも、調理後1時間でつけおきしたものと同じで、つけおきした内側はキュキュッとしています。
夜作ったカレーを、翌日の朝〜昼につけおきしても大丈夫そうですね。これは嬉しいです!
汚れの種類によって差は出る?
カレー以外の汚れはどのくらい落ちるかどうかを検証しました。それぞれの料理について、1時間以上放置した汚れを、パッケージに載っている「つけおき時間の目安」を参考につけおきして検証しました。
焼きそばのこびり付き汚れ(フライパン)

まずは焼きそばのこびり付き汚れです。調理後1時間経って、カピカピになってしまったものです。
1時間つけおきしてからスポンジで軽くこすったところ、少しこびりつきが残りました。

完全に汚れが落ちなかったせいか、洗い上がりも、若干ヌメリを感じます。洗剤をつけたスポンジでの2度洗いが必要でしたが、何もせずにそのまま手洗いするよりは圧倒的にラクだし、時短もできました!
グラタンの汚れ

続いて、グラタンの汚れです。お皿に接している部分に溶けたチーズがこびりついて、普通に洗うと落ちにくいですよね...。
こちらは1時間つけおき後、スポンジで軽く撫で洗いしただけで、こびりついたチーズもキレイに落ちました!

洗い終わった後の手触りもキュキュッとしていて、こちらは2度洗い不要です。
トースターの受け皿

トースターに付属している受け皿です。長年汚れが気になっていたものの、どうしたらいいのか分からず放置した結果、このような状態に...。
こちらは昨日今日着いた汚れではないので流石に難しいだろうと試してみましたが……。
パッケージに載っている通り、まずは2時間つけおきしてからスポンジで軽くこすり洗いしてみました。

若干汚れは取れたような気もしますが、まだまだ残っています。ということで、更に2時間(合計4時間)つけおきしてから、スポンジで軽くこすり洗いしたものがこちら!

最初と比べるとかなりキレイになっているといえるのではないでしょうか!ただ、流石に完全に汚れを落とすのは難しいようです。
長い時間をかけてこびりついた炭化したコゲや、焼きそばのようにひどく焼きついたコゲはある程度効果はあるものの完全に落とすのはさすがに厳しそうです。
使える素材・使えない素材はある?
つけおき粉末には、使える素材と使えない素材があります。
つけおき粉末が使える素材は?
つけおき粉末は、鍋・フライパン(ステンレス・フッ素加工・ホーロー)、土鍋、食器類、魚焼きグリル、五徳、レンジの受け皿などに使えます。
ただし、アルミ製品は変色の恐れがあるので、2時間以上のつけおきはNGです。
つけおき粉末が使えない素材はある?
つけおき粉末は、以下の素材には使えません。
- 鉄、銅、真鍮、亜鉛鋼鈑(腐食する)
- 銀食器、金線・銀線入りの食器(変色するとことがある)
- 塗りもの
- 換気扇やミキサー等のモーター部(故障の原因になる)
- せんい製品
- 油や熱等で傷んだ塗装・フッ素コート(はげることがある)
鉄のフライパン、古いフッ素コートのフライパンなどは要注意です。
まとめ

つけおき粉末を使えば、炭化したコゲや、ひどく焼きついたコゲ以外はかなりキレイになります。今まで「しばらく水に浸けておかなきゃ取れないな……」と判断していた汚れには、とりあえず使ってみればOK。
つけおき時間は、迷ったら1時間がおすすめです。
スポンジでしっかり擦らなくてもスルッと汚れが落ちるので、食器洗いで1番面倒なゴシゴシ洗いから解放され、スポンジも痛みにくくなりますよ!
店頭で見かけたら、是非試してみてくださいね。