焼肉屋さんやスーパーの和牛コーナーでみる様々な部位。カルビやタンなどはよく目にしますが細かな部位の名前やその特徴を把握している人は少ないのではないでしょうか。今回はたまにスーパーで見かける部位「イチボ」について、その特徴やおすすめの食べ方をご紹介します!
「イチボ」はどの部位?
イチボは、部位としてはもも肉にあたります。お尻の先にある希少部位です。
もも肉というとなんとなく硬いイメージがありますが、イチボはお尻側のお肉ということもあり、もも肉の中では一番霜降りが多く柔らかめ。
赤身の旨味と霜降りのバランスがとれたお肉といえます。
名前の由来は?
「イチボ」という名前の由来には諸説ありますが、牛のお尻の骨などを指す「aitchbone(エイチボーン)」がなまったといわれています。
「aitch」とは、「“H”の字の形」を意味しており、牛のお尻の骨が「H」のような形をしていることから、このような名前となったそうです。
牛一頭から取れる分量
牛1頭あたりから約2〜4キロ程度しか取れない、希少な部位です。味わいも非常に美味で高値がつくことがほとんどです。
美味しいお肉の選び方
赤身部分が色鮮やかで、サシが程よく入っているものを選びましょう。
イチボのプロフィール
・サシの量:少ない←☆☆★☆☆→多い
・柔らかさ:硬い ←☆☆☆★☆→柔らかい
・スジの量:多い ←☆☆★☆☆→少ない
・うまみ :少ない←☆☆☆★☆→多い
・希少価値:低い ←☆☆★☆☆→高い
・価格帯 :低い ←☆★☆☆☆→高い
似ている部位は「サーロイン」
もも肉でありながら柔らかく、脂肪とのバランスがいい「イチボ」。他の部位でいうと、「サーロイン」と特徴が似ています。
サーロインとは背中あたり、ランプ肉の隣にある肉。「ステーキの王様」と呼ばれることもある部位で、イチボとは赤身とサシのバランスがよく似ており、どちらもステーキとして食べるのに適しています。
イチボに向いている料理
先述の通りサーロインによく似た特徴を持つため、ステーキ、焼き肉、ローストビーフなどで食べるのがおすすめです。薄切りにしてしゃぶしゃぶやすき焼きで食べるのも大変美味です。
非常に食べやすい部位なのであらゆる料理で美味しく食べることができます。
肉のプロ、エバラ担当者おすすめのイチボのレシピ
イチボは、霜降りと赤身のバランスが良い部位です。非常に柔らかく食べやすい部位のため、表面をさっと焼き、中はレア状態がおすすめ。
今回は焼肉のたれでもお馴染みのエバラ食品の担当者から、おすすめの焼き方を教えてもらいました。
定番レシピ「イチボステーキ」
<材料>2人分
牛イチボ(ステーキ用)・・・2枚(約400g)
焼肉のたれ(フルーツベースがおすすめ)・・適量
サラダ油・・・適量
<作り方>
(1)牛肉は焼く30分くらい前に冷蔵庫から出し、常温に戻しておく
(2)ホットプレート(またはフライパン)に油を熱し、牛肉を強火で約30秒、弱火で1~2分焼き、裏返す
(3)裏返したら強火で約30秒、弱火で1~2分焼き、お好みの焼き加減まで焼きあげる
(4)皿に盛り、焼肉のたれをかけて、出来あがり
<調理のポイント>
・お好みで塩こしょうをする場合は、焼く直前にふってください。
・焼く時間は肉の大きさや厚さによって調節してください。
・焼いた肉をアルミホイルに包んで2~3分休ませると、よりジューシーに仕上がります。
・焼肉用にカットされている場合は、牛肉を片面焼き、お肉の周り部分に肉汁がうっすら見えだしたら裏返します。表面に焼き色が少し付いたら、出来上がりです。
お酒にも合うレシピ「黄金漬け焼き タリアータ」
「タリアータ」とは、焼いた牛肉を薄く切って皿に盛り、バルサミコソースをかけて食べる、イタリア料理です。
<材料>2人分
牛イチボ(ステーキ用)・・・2枚(約400g)
焼肉のたれ(フルーツベースがオススメ)・・100g
サラダ油・・・適量
[タリアータソース]
残った漬けだれ・・大さじ3
バルサミコ酢・・大さじ1
バター・・5g
[付け合わせ]
ベビーリーフ、ミニトマトなど・・適宜
<作り方>
(1)牛肉に焼肉のたれをもみ込み、常温で約30分漬け込む
(2)キッチンペーパーなどで肉の表面についたたれを軽く拭き取る
(3)フライパンに油を熱し、(2)を強火で約30秒、弱火で1~2分焼き、裏返す
(4)裏返したら強火で約30秒、弱火で1~2分、お好みの焼き加減まで焼きあげ、アルミホイルに包んで2~3分休ませる
(5)フライパンに残った脂をキッチンペーパーで拭き取り、[タリアータソース]の材料を入れる
(6)フライパンを火にかけ、軽く煮詰めてソースを作る
(7)食べやすく切った(4)を皿に盛り、(6)をかけたらできあがり
※お好みで[付け合わせ]を添えてお召しあがりください。
<調理のポイント>
・焼く時間は肉の大きさや厚さによって調節してください。
豪快に焼いて食べるのがおすすめ!
「イチボステーキ」という言葉があるほど、ステーキとして食されることが人気のイチボ。見かけたらぜひ食べてみてください!