部屋干し需要の高まりによって近年人気の「衣類乾燥除湿機」。夏の湿気対策、冬の結露対策に加え、洗濯物の部屋干しをする家庭では1台あるととっても便利!衣類乾燥除湿機の主なタイプと製品選びのポイントを紹介します。
PM2.5や花粉の飛散などによる屋外に洗濯物を干すことの抵抗感、さらには外干しができない高層のタワーマンションなど住環境の変化によって、近年日本では室内干しの需要が高まっています。
でも、室内干しをいつまでもしていると見栄えが悪く、何より邪魔ですよね。掃除をする際にも面倒です。そんな時に衣類乾燥除湿機が1台あれば、悪天候が続く季節でもスピーディーに洗濯物が乾くので便利です。
夏の湿気対策に使われることが多かった「衣類乾燥除湿機」は、近年通年で活躍する家電となりました!
では、どんな製品がよいのでしょうか?
ひと言で衣類乾燥除湿機と言っても、サイズや性能、機能などさまざま。
そこで今回は、衣類乾燥除湿機のおもな3つのタイプを解説し、製品選びのポイントをご紹介します。
1.除湿方法により大きく3タイプ
現在、市場には、除湿の仕組みの違いによるおもに3つのタイプの衣類乾燥機が存在します。
それぞれどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
空気を冷却して湿気を取り除く「コンプレッサー式」
1つ目が「コンプレッサー式」と呼ばれるもの。
湿気を含んだ空気を冷やすことで結露させ、水滴に変えて水分を取り除く方法です。仕組みとしてはエアコンの除湿運転と同じ。この方式の名称の由来である「コンプレッサー」と呼ばれる部品が、空気を冷やすための冷媒(ガス)を循環させる働きをしています。
メリットは、外気温が25℃以上の高い場合にも除湿能力が高く、除湿量が多いこと。そのため、梅雨時期や夏場の利用に向いています。また、ヒーターを使わないため、他の方式に比べると室温をあまり上げずに、消費電力が小さいのも特長。電気代を低めに抑えられます。
反面、大型の部品であるコンプレッサーを内蔵しているため、本体サイズが大きめで重く、振動音が大きくなりがちであることが難点です。
ヒーターを使用する「デシカント式」
2つ目の方式は「デシカント式」。
「ゼオライト」と呼ばれる水分の吸着能力に優れた乾燥材を用いて水分を取り除く方式です。低温時での除湿力が高いので、冬場の使用にも適しています。ゼオライトに吸着した水分は、ヒーターで温められた後に熱交換器内で冷やされることで水滴となってタンクに溜まり、乾いた空気だけが外に放出されます。
コンプレッサーを内蔵していないため、本体が軽量コンパクトで、運転音が静かなことが利点。
しかし、ヒーターを使用するため消費電力が大きくなり、室温も上げてしまうため、夏場の利用には向いていません。
2つの機能を併せ持つ「ハイブリッド式」
そして3つ目は「ハイブリット式」。その名の通り、コンプレッサー方式とデシカント方式の両方の機能を併せ持つタイプです。
夏場は「コンプレッサー方式」、冬場は「デシカント方式」で稼働でき、気温に左右されずに1年中安定した除湿能力を発揮できます。
しかし、2つの方式の機能を有していることから、本体が重く大型になりやすく、価格も高めになります。デシカント式で運転する冬場の利用は、もちろん消費電力が大きく、ランニングコストがアップしてしまいます。
2.「除湿能力」の高さをチェック
衣類乾燥除湿機選びで、除湿方式によるタイプの違いの次に重要なのは「除湿能力」です。
各製品のカタログには、必ず「定格除湿能力」が記されており、1日に除湿できる水量としてリットル(L)数で示されています。除湿能力は、この数値が大きいほど性能が高く、洗濯物の量や部屋の広さなどが同じ条件であれば、より早く乾燥させられます。
家庭用としては6~18L程度の容量が一般的で、「除湿面積」として別に示される数値は、定格除湿能力と相関しているため、実際の空間の面積に関わらず定格除湿能力が高い製品を選んだほうが高い効果が得られます。
とはいえ、除湿能力が高ければそれだけ本体のサイズや重量も大型化する傾向にあります。実際に使用する空間やスペースを考慮して、ベストプラクティスな1台を選びましょう。
3.意外と見落としがちな「タンク容量」
また、除湿能力とともに意外に大切なのが、タンクの容量。
多くの製品ではタンクが満杯になると自動停止する機能が搭載されています。取り除いた水を溜めておくタンクが小さいと、せっかくの除湿能力を発揮できなかったり、水捨ての回数が増えて手間に感じることもあります。
タンクの容量や取り外し、持ち運び、水の捨てやすさ、洗いやすさなどのメンテナンス性、ホースをつないで連続排水が可能か否かなどもチェックポイントの1つです。
4.電気代を左右する「消費電力」
もう1つ外すことのできない確認項目は、消費電力(=電気代)の目安です。
1で解説した通り、省電力なのはヒーターを使わない「コンプレッサー式」。カタログ上は"消費電力(W)"や、"1時間あたりの電気代の目安(円)"と言った形で記されているので、必ずチェックしたいところ。ランニングコストという観点から、長時間で運転したり、使う頻度が高い場合には、コンプレッサー式のほうが優位と言えるでしょう。
その他、製品によっては空気清浄も兼ねており、フィルターなどの消耗品が必要な場合も。交換用部品の有効期間や代替品の価格も含め、購入時の本体価格だけでなく、トータルでかかる費用を考え、費用対効果が高い製品を選んでください。
いかでしたでしょうか。これからの季節は除湿機があると部屋の結露対策にもなりますし、寒い外に出なくても洗濯物を取り込めるというメリットも!
ご紹介した除湿方法や機能のうち何を優先させるかを決めて、お宅に最適な1台を選べるといいですね。