忙しい日々のなかでの料理作り。「仕事が終わった後や、育児の合間に何品も作るのはもう限界!」「休日に作り置きをしなきゃと思うものの、疲れていてそんな気力もわかない」こんなお悩みは“あるある”なのではないでしょうか?せめて短い時間でパパッと料理ができたらラクなのに……。ということで、今回は家事代行サービス「CaSy」の料理代行で活躍する行本なおさんに、短時間で何品も作り上げるポイントを教えてもらいました!
こんにちは!家事代行サービス「CaSy」でスタッフ(CaSyではキャストと呼びます)の育成講師をしております、行本なおです。
毎日の食事の支度は、できれば時間をかけたくないですよね。家事代行サービスは、日々お忙しい方や、ご自身の時間をつくりたい方などから依頼をいただくことが多いです。
私が担当するCaSyの料理代行サービスでは、基本的に3時間で8品程度をお作りしています(※)。短い時間で何品も作るためには、コツを押さえて効率よく動くことが大切。
実際の家事代行サービスで実践していることも含め、ご家庭でもできる、短時間で何品も作る5つのコツをご紹介します!
※CaSyの料理代行サービスは、基本的にはあらかじめお客さまと献立の相談をし、材料をご用意いただきサービスを行います(ご希望の方には買い物代行サービスもあります)。
また定期利用の場合は献立をお任せいただき、当日に考えてお作りすることもあります。その他、献立が決まっているプランも複数ご用意しています。
詳しくはCaSyのサービス紹介サイトをご覧ください。
短い時間で何品も作るコツ
料理代行サービスでは決められた時間の中で、献立決めから片付けまでを全て終わらせます。
<実際に時間内で行うこと>
①献立を決める
②食材の準備をする
③食材の下ごしらえをする(洗う、皮をむく、切るなど)
④調理をする(茹でる、焼く、揚げるなど)
⑤味付けをする
⑥盛り付けをする
⑦片付けをする
ところで、皆さんは料理のどの工程に時間がかかっているのかを考えたことはありますか?
料理で一番時間がかかる工程はズバリ、「③食材の下ごしらえをする」です。焼いたり煮たりに時間がかかりそうに思えますが、実は野菜の皮をむいてカットしたり、肉や魚に下味をつけたりという工程に時間がかかるのです。
実際に弊社のサービスでも、下ごしらえには時間がかかっています。つまり、下ごしらえの時間を短縮すれば、食事の準備そのものを短時間で完了できるんですよ!
コツ① 食材をあらかじめカットしておく
普段からよく使う野菜は、用途に合わせて切っておくとすぐに調理ができて便利です。一度にまとめて切っておく作業は大変ですが、まとめて切ることでまな板を洗う回数が減り、この点も時短につながります。
切り方の例
・玉ねぎ:薄切り(グラタン・牛丼など用)、みじん切り(ミートソース・ハンバーグなど用)、ざく切り(シチュー・肉じゃがなど用)
・にんじん:細切り(副菜の煮物・スープなど用)、みじん切り(ミートソース・ミネストローネなど用)、乱切り(シチュー・肉じゃがなど用)
・ほうれん草、小松菜:4~6cm幅のざく切り(お浸し、野菜炒めなど用)
まとめて切る時点で使用用途が決まっていない場合は、家のメニューでよく作るものを思い浮かべながら、汎用的に使えそうな切り方にしておきましょう。
コツ②すぐに調理できる状態で冷凍しておく
食材をカットしておいたはいいけれど、使い切れずに傷ませてしまってはもったいないですよね。カット後は小分けにしてから冷凍しておくと、すぐに調理できて便利です。
※冷凍してはいけない食材もあるので注意しましょう。
生のまま冷凍できない野菜を冷凍保存する方法--キャベツ、ゴボウは?
節約のために、冷蔵庫に入っている食材はきちんと使い切りたいもの。しかし、傷みの早い野菜の保存には苦労している方も多いのではないでしょうか。そんな時にうまく活用したいのが冷凍保存です。ところで、そのまま冷凍できる野菜とできない野菜があるのをご存知でしょうか。節約のために冷凍保存したのに食材を無駄にしてしまった…なんてことがないように野菜の冷凍方法をチェックしておきましょう。
にんじん
冷凍しても水気が出にくいので、炒めものに加えたり、スープに入れたりとマルチに使えます。献立に加えることで彩りが良くなり、野菜不足解消にもGOODです。
玉ねぎ
冷凍することで時短度が上がる玉ねぎのみじん切り。玉ねぎを冷凍すると繊維がこわれるので、火が通りやすくなります。時間のかかるアメ色の玉ねぎも、冷凍することで生の玉ねぎを炒めるときよりも短時間で作れます。
きのこミックス
しめじ、エリンギ、えのき、まいたけなど、お好きなきのこを一口大の大きさにカットしてまとめて冷凍すると便利です。炒め物やスープなどさまざまな献立に使えますよ!
またきのこは冷凍すると、細胞内のうまみ成分であるグアニル酸という物質が増え、きのこ本来のうま味をより味わうことができるといわれています。
大根
冷凍すると繊維がこわれるため食感は変わりますが、加熱調理することによりぐっと味が染みこみやすくなります。冷凍する前に大根に塩と砂糖をまんべんなくふっておくと、余分な水分が抜けてぐんと甘みを引き立ててくれます。
コツ③ストック食材を使用する
あともう一品欲しいとき、缶詰や乾物などのストック食材があると、時間がなくて買い出しに行けなかったときでも余裕が生まれます!また缶詰や乾物は下ごしらえが終わっているものが多いので、料理の手間や時間もかかりません。料理代行でもよく使う、オススメのストック食材は以下の通りです。
缶詰(ツナ缶、さば缶、トマト缶、大豆水煮缶)
冷蔵庫にあまっている野菜と一緒に調理することで、簡単に一品ができあがります。
乾物(乾燥ひじき、切り干し大根、はるさめ、高野豆腐)
比較的賞味期限が長く便利。スープや小鉢などを作るときに活躍します。
冷凍食材(かぼちゃ、ごぼう、ミックスベジタブル)
カット処理に手間がかかるかぼちゃやごぼうも、冷凍食材を使えば簡単に時短で調理できます。
コツ④調味料は極力少なく!
調味料の種類が多ければ、分量の計測をはじめ、フタを開けたり閉めたりとそれだけで時間を取ってしまいます。1つあれば簡単に味が決まる調味料としてオススメなのが以下の3つです。
塩こうじ
麹の酵素の働きで魚や肉のうまみをひき出してくれる万能調味料。魚や肉につけ、少し時間をおいて焼くだけで、味も食感もバツグンの一品が仕上がります。
トマトペースト
洋食の味付けはこれで決まり!鶏肉のトマト煮込みやオムライスもこれ一つで完成します。
にんにく醤油
冷蔵庫に一本常備しておけば、どんな食材に使っても、食欲をそそる味に仕上げてくれます。炒め物や煮物をはじめ、焼いた肉にかけたり、好きなオイルと混ぜてドレッシングにしたりと、やみつきになること間違いなし!
<万能にんにく醤油の作り方>
●材料(300mlの小瓶1つ分)
にんにく…4〜5かけ
醤油…150ml
みりん…30ml
酒…30ml
鷹の爪(好みで)… 1本
●作り方
1. にんにくの皮をむき、半分に切って芽を取る。
2. 鍋に全ての材料を入れて、ひと煮立ちさせて冷ます。
3. 保存用の容器に入れて、冷蔵庫で2~3日おく。
賞味期限の目安は冷蔵庫で2カ月ほど。それ以上経つとにんにくから苦味が出てきます。空気にふれるとカビやすくなるのでお気をつけください。
コツ⑤調理家電やキッチン便利グッズを使う
お助けアイテムを上手に使うことによって、調理の時間を短縮することができ、忙しくてもストレスなく下ごしらえができます!
フードプロセッサー
食材を粗めにカットしたいときに重宝します。付属の刃を変えることで、刻んだりスライスしたりと切り方を変えられて便利。野菜のみじん切りなどがあっという間にできる優れものです。
ハンドブレンダー
ミキサーと違うところは、専用の容器に入れなくても、鍋やボウルに入れた食材をそのまま混ぜたりスープ状にできる点。洗い物も少なくすみ、時短になります。
ジッパー付き保存袋
カットした野菜を保存したり、お肉をタレに漬け込んだりできて重宝します。冷凍用、レンジ調理用などのものもあるので使い分けると良いでしょう。使い捨てできるので後片付けも簡単です。
電子レンジOKの蓋つき食器
調理した料理の保存と電子レンジ加熱ができる、蓋つきの食器や容器も持っておくと重宝します。器のまま食卓に並べられるので盛り付けの手間がなく、洗い物も減ります。
忙しい毎日のなか、家族の食事を作ることは本当に大変ですよね。今回は家事が苦手な方や、マメでない方でも続けられる、時短調理のコツをお届けしました。できた時間は、家族と過ごしたりご自身の趣味の時間にあてたりなど、大切なことに使ってくださいね。