秋は運動会や芋掘りなど、泥汚れが気になる季節。汚れの中でもかなり落としにくい部類に入る泥汚れですが、ポイントをおさえれば家でもきれいに落とすことができますよ。洗濯マニアの筆者が、おすすめの洗い方を紹介します。
汚れの種類
衣服や水回りなどについてしまった汚れは、種類によって性質や落とし方のポイントが異なります。基本的には汚れと反対の性質を持つ洗剤を使い、汚れを中和して落としましょう。
汗や油などベタベタしたものは酸性の汚れ。酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤を使うのが効果的です。 また水回りに発生する水垢や尿石などはアルカリ性の汚れ。アルカリ性の汚れには、反対の性質を持つ酸性の洗剤を使いましょう。
汚れのタイプを見極めて洗剤を使い分けるのがポイントですが、今回ご紹介する「泥汚れ」は、少し洗濯の考え方が異なるので要チェックです。
泥汚れは泥が繊維の中にとどまっている状態のもので、物理的な汚れです。このため「酸性汚れにアルカリ性」「アルカリ性汚れに酸性」という化学の力を利用した洗剤だけでは、汚れを落とすことができないのです。
泥汚れの洗濯方法
化学の力を利用できないのであれば、どのように汚れを落とせばよいのでしょうか?以下で説明していきます。
初期段階で水につけるのはNG
最もやってはいけないことは、泥汚れがついた衣類をいきなり洗濯機に入れて洗ってしまうこと。
地面にある泥に水をかけると、どうなるかイメージできますか?泥は広がるだけで、消えてなくなりません。これと同じで泥で汚れた衣類を洗濯機に入れて洗うと、泥汚れの細かい粒子が水で広がって繊維の奥まで入り込み、より面倒な汚れになってしまいます。
初期段階の泥汚れを落とすために大切なことは、泥を物理的に落とすこと!衣類や泥汚れが濡れた状態だと繊維の奥へ泥が入っていきやすくなるので、まずは泥を乾かしましょう。ドライヤーを使っても良いですし、天日干しでも大丈夫です。
完全に乾いたら泥を叩いてはたき落とし、洗濯ブラシや歯ブラシなどを使って泥をかき出します。
洗剤は弱アルカリ性がおすすめ
ある程度泥が除去できれば、あとは洗濯機を使ってもOK。そのとき使用する洗剤は、弱アルカリ性のタイプがおすすめです。洗濯用洗剤にはアルカリ性の他に中性もありますが、アルカリ性の方が汚れを落とす力が強いのが特徴。特に泥汚れが付きやすいユニフォームや靴下は汗もたくさん吸っています。皮脂汚れ(酸性)をよく落とせる洗剤で、全体の汚れも落としましょう。
落ちない汚れには酸素系漂白剤を
すでに泥汚れが繊維に染み込んでいる場合には、粉末状の酸素系漂白剤を使います。使用前には必ず、漂白剤が使える衣類かどうかを確認してくださいね。
酸素系漂白剤をお湯に溶かすことで、酸素の泡が発生して汚れを包み込んで浮かし、取れやすくしてくれます。製品パッケージの使用量や注意書きを確認しながら酸素系漂白剤をお湯に入れ、浸けこめばOK。
なお酸素系漂白剤は水ではなく、40度〜50度のお湯を使うとより効果的です。浸けこんだ後は汚れを揉み出すように洗うと、ほとんどの汚れが落ちてくれますよ。
泥汚れはしつこい汚れの一つですが、家庭で絶対に落とせないというわけではありません。汚れた衣類を真っ白にできると、洗濯が楽しくなってくるかも。ぜひ試してみてくださいね。