7月も後半。夏が旬の野菜にはピーマン、かぼちゃ、ズッキーニ、なす、ゴーヤなどがありますが、中でも子どもに人気の夏野菜といえばとうもろこしですね。おいしいだけじゃない、とうもろこしを買うべき理由を解説します。
とうもろこしに関する基礎知識
とうもろこしといえばプチプチとした実の粒感と甘くてみずみずしい味が魅力ですよね。以前は黄色い粒のものばかりでしたが、最近では白と黄色の2色の粒が混ざったものから真っ白な粒のものまで品種も様々。北は北海道から南は九州までいろいろな品種があり、少しずつ時期をずらして収穫されますが、旬は6月後半から9月上旬までです。
とうもろこしの最大の魅力である甘みは、収穫後時間が経つごとに失われていくため、鮮度が命の野菜とも言えます。鮮度のいいものを見極めるポイントはひげ根。ひげ根が濃い茶色のものを選びましょう。ちなみにこのひげ根、実はとうもろこしのめしべであることをご存知でしょうか。そのためひげ根の数と粒の数は同じになります。ひげ根がふさふさとしたものは身の詰まったとうもろこしということです。
そして、もうひとつ。近頃はヤングコーンも人気が出てきていますね。最近は水煮だけでなく、店頭やレストランなどでフレッシュのものを見かけることもあります。
その名の通り、ヤングコーンはとうもろこしが未熟なうちに収穫したもの。とうもろこしにしっかり栄養と水分を行き渡らせて甘くするためには、1つの株からできたものの中から間引きをする工程が必要となるそう。この、未熟なうちに間引きされたものがヤングコーンというわけです。ヤングコーンはとうもろこしとはまた違う、ポリポリとした食感が楽しめます。
とうもろこしが「買い」な理由
さて、ここからはとうもろこしが本当の意味で買うべき食材である理由を見ていきましょう。
"買い"ポイント1: おいしさだけじゃない! 栄養だってたっぷり!
日本ではとうもろこしをそのまま茹でたり焼いたり、サラダなどで味わうことが多いかと思います。一方、世界を見てみると、とうもろこしは米や小麦と共に世界三代穀物として食べられており、アメリカやアフリカの一部の地域ではとうもろこしを粉にして主食としています。つまり、とうもろこしの主成分は糖質。また糖質を体内でエネルギーに変える役割をするビタミンB1も含むため、疲労回復にも効果が期待できます。
"買い"ポイント2: 冷凍して長く楽しめる
鮮度が命のとうもろこしは、買ってきたらすぐに加熱してしまうのが正解です。でも、すぐには使い道が思い当たらない場合もありますよね。そんな時は冷凍保存をしておきましょう。
冷凍保存の仕方は簡単。茹でるか電子レンジで加熱して実をほぐし、重ならないようにバットにのせて冷凍庫へ。凍ったらジッパー付き保存袋に入れればくっつきあうこともなく、使いたい分だけ取り出すことができます。凍ったままバターソテーにしたり、スープに入れたり、熱湯をかければサラダに使えたりと便利です。
"買い"ポイント3: 実はいろんなレシピに活用できる
茹でたり蒸したり、焼いて醤油を絡めたりして楽しめるとうもろこし。そのまま食べるほかにも、レシピの材料の一つとしていろいろなアレンジが可能です。
特におすすめなのは、生のまま実を包丁で削ぎ落として作るかき揚げ。天ぷら粉は通常より少し水分を控え気味にし、生のとうもろこしの実を入れてスプーンですくって油の中へ。サクサクとした食感で、食べた瞬間甘みが口の中に広がります。
また他にもとうもろこしのおいしさを丸ごと味わえるメニューとして、炊き込みご飯がおすすめです。かき揚げ同様に実を削ぎ落として使用しますが、風味を存分に楽しめるように仕上げるポイントは、芯を一緒に炊き込むこと。芯は食べることはできませんが、ダシが出るのでとうもろこしの魅力あふれる味わいがより堪能できます。
とうもろこしの良さをいかしたレシピを紹介
「とうもろこしの炊き込みピラフ」
使用する主な食材はとうもろこしとベーコンだけ。とうもろこしの芯も炊飯して、うま味をアップさせるのがポイントです。
材料(4人分)
とうもろこし 1本 / ベーコン 3枚 / 米 2合 / バター 小さじ1/2 / 塩・胡椒 各適量 / パルメザンチーズ 適宜
A: 洋風スープの素(顆粒) 小さじ1 / にんにくのすりおろし 小さじ1/2
作り方
1. とうもろこしは包丁で実をそぎ取る。ベーコンは1cm幅に切る。米をとぎ、30分吸水する。
2. 炊飯器の内がまに水気を切った米とAを入れ、すし飯の2合の線まで水を入れる。とうもろこしの実と芯、ベーコンを入れて炊飯する。
3. とうもろこしの芯を取り出し、バターを入れて混ぜる。味が足りないようなら塩・胡椒で味を調える。皿に盛り、好みでパルメザンチーズをふって完成。
この時期しか味わえないとうもろこし料理、ぜひ試してみてくださいね。