韓国のチヂミによく似た食べ物が、沖縄にもあります。その名は「ヒラヤーチー」。今回も、管理栄養士で沖縄料理研究家の筆者が、ツナ缶を使った簡単沖縄家庭料理を提案します。
ツナ缶を使ったその他のレシピは「〇〇〇」でも紹介しています。
沖縄の家庭料理ヒラヤーチーと韓国のチヂミの違いとは!?
沖縄のソウルフードのひとつに「ヒラヤーチー」があります。ヒラヤーチーとは「平たく焼いたもの」を指します。沖縄の方言でヒラは「平たい」、ヤーチーは「焼き」という意味。
戦後の沖縄は、米軍から小麦粉の配給がありました。そのころから台風の時期やおやつの一品として、小麦粉を使って簡単に作られる「ヒラヤーチー」が親しまれてきました。当時は小麦粉、水、塩を入れて焼いただけのシンプルなレシピでしたが、現在では、たまごやニラ、ツナ缶など色々な具を入れて作られる、沖縄の家庭料理となっています。
ヒラヤーチーはその見た目から、韓国料理の「チヂミ」と似ていますが、具やタレが異なります。
●ヒラヤーチー 具: ツナ缶・ニラなど / タレ: ウスターソースや醤油
●チヂミ 具: 海鮮・豚肉・ニラなど / タレ: コチュジャンや韓国唐辛子+酢醤油
ヒラヤ—チーは「ヒラヤチー」とも呼ばれるほか、生地を平たく薄く焼くので「沖縄風クレープ」とも表現されます。沖縄県宮古島では「ナビパンビン」とも呼ばれ、地域や各家庭で愛されている郷土料理です。
今回は、食物繊維たっぷりの沖縄県産生モズクを入れた、"腸活"にも嬉しいヒラヤーチーをご紹介します。
モズクとニラのヒラヤーチー
材料(3人分)
A(小麦粉 1カップ120g / 和風顆粒だしの素 小さじ1 / 水1/2カップ 100cc / たまご Mサイズ1個...50g)
ニラ 1/2束 / ツナ 1缶(70g) / 生モズク 60g
油 大さじ1 / ウスターソース 大さじ1 / 紅しょうが 適量
作り方
1. ニラは長さ約5㎝に切る。生モズクは長い場合、約5㎝のざく切りにする。
2. ボールにAを入れ、泡だて器などで混ぜ合わせ、1のニラ、モズク、ツナ缶(油ごと全部)を入れ、全体的に混ぜ合わせる。
3. フライパンに油(1/3量)を入れて強火で熱し、油が温まったら2の1/3量を流し入れて薄く広げる。
4. 中火にして、表面が乾いたら裏返しにして弱火にし、ふたをして両面焼く。ほんのり焼き色が付いたら食べやすい大きさに切って皿に盛る。ウスターソースと紅ショウガを添えると、味の変化も楽しめる。
モズクとニラのヒラヤーチー 栄養価(1人分)1枚
エネルギー283kcal / たんぱく質10.1g / 脂質11.8g / 炭水化物32.3g / 食物繊維1.9g / 食塩相当量1.1g
ニラはカリウム、β―カロテン、ビタミンK、葉酸などを含む緑黄色野菜。生モズクの主な栄養素は、ミネラルや食物繊維など。最近は多糖類のぬめり成分フコイダンの効能が期待されています。
代表的な沖縄食材モズク。旬は4~6月なので、全国的に出回る時期ですね。沖縄の生モズクは、関東などのスーパーでも手に入りやすく、いろいろな食材と相性が抜群です。ヒラヤーチーに入れると、ぷちぷちとした歯ごたえや食感もよく、一段とおいしくなります。
アレンジレシピ
チーズ入りヒラヤーチー
ツナとチーズのヒラヤーチー。生地にピザ用チーズ30gを追加で入れるだけ。
野菜たっぷりヒラヤーチー
野菜不足が気になる時や、冷蔵庫に残った野菜を一気に片付けてしまいたい時にも使えるアレンジレシピ。野菜はなんでもOK。沖縄風にするのなら、ゴーヤーを入れるのがオススメです。
糖質が気になる方は、小麦粉を半分の量にして、たまごの量を増やしても糖質大幅カットになりますよ。
ツナ缶と小麦粉、たまごなど常備食材で作れる沖縄家庭料理です。冷蔵庫の余った野菜を入れたり、好きな具合をトッピングしたりとアレンジは自由自在。ぜひ作ってみてくださいね。