リノベーション物件の人気が高まるなど、中古住宅の取得を視野に入れる人も多いことでしょう。前回の新築住宅取得編に続き、今回は中古物件を取得した時にもらえる補助金や助成金、減税制度を紹介します。よりおトクに住宅を取得するために、使える制度はもれなく使いましょう。
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」
質の高い住宅を増やすことで、既存住宅を長持ちさせたり2世代同居など複数世帯の同居ができるリフォームを推進するための補助事業です3世代以上同居対象になると限度額が増えます。キッチン・浴室・トイレ・玄関の増設工事、バリアフリー改修工事 (手すりの設置など)、住宅を長持ちさせるためにする外壁の塗装、屋根の張り替え、雨どいの交換などが対象です。中古住宅を取得した際は、入居前になんらかのリフォームを行う人も多いもの。そのケースでも上記の工事を行った場合は対象となります。
補助金は、かかった費用の1/3で、補助限度額は以下になります。
- 一定の性能向上が認められる場合 100万円 / 戸(150万円 / 戸)
- 長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合 200万円 / 戸(250万円 / 戸)
- 2のうち、更に省エネルギー性能を高めた場合 250万円 / 戸(300万円 / 戸)
※()内は3世代同居対応改修工事を実施する場合
「エネファーム補助金」
家庭用燃料電池システムの「エネファーム」を導入すると、その購入費用の一部を国が補助してくれるのがエネファーム補助金です。新築でも対象ですが、既築(既に住んでいるまたは中古)物件はプラス3万円追加補助となります。補助金額は下記の2パターンです。
- 固体高分子形(PEFC) 基準価格以下6万円、基準価格を上回り裾切価格以下3万円
- 固体酸化物形(SOFC) 基準価格以下12万円、基準価格を上回り裾切価格以下6万円
区別がわかりにくいので業者に確認しましょう。
募集期間は平成31年2月22日までとまだ間に合いそうですが、設置工事完了と補助事業完了期限が平成31年3月11日であることに注意が必要です。
「すまい給付金」(2021年12月まで)
新築編でも紹介しましたが、「すまい給付金」は収入により3段階に分かれ(その住宅の持ち分割合により調整あり)、10万円・20万円・30万円のいずれかが給付されます。消費税が10%に上がると40万円と50万円も増え、合計5段階となります。
中古物件でも対象になりますが、新築物件の条件の他に下記条件が必要になります。
- 売主が宅地建物取引業者である中古住宅であること。個人売買は対象外。
- 住宅ローンを利用する場合、既存住宅売買瑕疵保険への加入など、売買時に検査を受けていること。
※すまい給付金について詳しくは「新築編」をご覧ください>>>消費税率アップ後なら最大50万円も⁉ 住宅購入時の補助金・減税制度(新築編)
「住宅ローン減税」(2021年12月まで)
購入年度から10年間、年末のローン残高の1%の所得税が減税されます。中古住宅事業者から購入した場合は、新築と同様には1年あたり40万円が最大控除額です。また、個人売買において中古住宅を取得した場合は1年あたりの上限は20万円となります。
さらに、新築と違い中古物件の場合は下記の3つの条件があるので注意が必要です。
1: 建築年条件
マンションなどの耐火建築物(※)…25年以内に建築されたもの
耐火建築物以外の建物…20年以内に建築されたもの
※耐火建築物とは主要な構造部が耐火構造である建物のこと。建築基準法で基準が設けられています。
2: 親族からの購入ではないこと
3: 贈与で取得したものではないこと。
5年に1度行われる土地統計調査(平成25年)によると、空き家の数は増加を続け、空き家率(総住宅数に占める割合)は13.5%となっています。中古物件も多く販売されるようになり、新築以外でも選択肢が広がってきていますね。しかし、補助金や減税制度に関して中古物件の場合は新築にはない制限があることも。事前にしっかり確認をしておく必要があります。知らずに申請もれをしてしまうことがないよう、どんな制度が対象になるのかをまずは知っておくことが大切です。