主婦の生活にいまや欠かすことのできない"掃除機"。最先端の技術を詰め込んだロボット掃除機をはじめ、様々なタイプが揃っています。主な3つのタイプを紹介した前回に続き、今回はその中でも昨今主流となっている"スティッククリーナー"にフォーカスし、トレンドと選び方のポイントを解説します。
スティッククリーナー購入時に悩む、「吸引力を重視するか、軽さをとるか」といったお悩みにも最後にアドバイスします。
※前回記事はこちら→「我が家に最適な掃除機は?--(1)家電評論家が語るタイプ別メリット&デメリット」
スティック型の特徴とは
前回、ご紹介した通り、「スティッククリーナー」は縦型でホウキのようにサッと使える手軽さと、バッテリー式でコードがないため小回りもよく、家具の隙間をぬって使いやすさが特徴。パーツを付け替えるだけでハンディ掃除機など1台で何役もこなせるパフォーマンスのよさから、市場の主流に変わりつつあるタイプです。ただし、バッテリー運転のために連続動作時間が短かったり、できるだけ運転時間を延長するために消費電力が低いモーターを採用する必要があり、コード式タイプの掃除機に比べると吸引力が頼りない製品が多いのが一般的でした。
ダイソンは吸引力と引き換えに……
しかし、このような状況を打破しようと登場したのが、英・ダイソンの掃除機です。吸引力の高さを謳い、日本市場に乗り込んだダイソンのスティッククリーナーは、いまや日本の大手メーカーを押し退け、堂々ナンバーワンのシェアを誇っています。
それほどまでに日本市場に受け入れられたダイソンの掃除機ですが、吸引力の高さと引き換えに、バッテリー持続時間や重量に難を感じるユーザーも少なくありません。そこで、これに対抗すべく、一定の吸引力は維持しながらも、とにかく軽さや操作性を重視して開発された商品も増えてきています。
代表的なのは、シャープの「RactiveAir」シリーズや、アイリスオーヤマの「極細軽量スティッククリーナー」「軽量スティッククリーナー ラクティ」シリーズです。構造や使用部品の素材の見直しなどにより軽量化が図られているのが特徴で、スティッククリーナーでありながらパイプやクリーナーヘッドを装着した状態でも重量わずか1.4~1.5㎏という軽さを実現しています。
吸引力のパナソニックとシャーク新製品
一方、2018年度モデルとして、ダイソンの高吸引力に対抗する製品も登場してきました。日本のメーカーではパナソニックの「パワーコードレス」、米国掃除機市場シェアナンバーワンブランドであるシャークの「EVOFLEX」です。両者は重量感や操作性に関してはダイソンとあまり変わらないものの、スティッククリーナーでありながら、ダイソンに匹敵する高吸引力のモーターとそれを動かすことのできるスタミナのあるバッテリーを搭載しています。価格はいずれも5万~9万円前後とスティッククリーナーとしては高価格帯で、消費者は基本性能である吸引力以外の要素、例えばお手入れのしやすさや収納性、付け替えパーツの便利さや操作性といった+αの機能を比較して、予算と相談した上で相性の良い一台を選ぶとよいでしょう。
最後に、今回のテーマである「吸引力か、軽さか」という疑問に対する回答です。掃除する場所がフローリング中心であったり、ハンディ掃除機としての利用頻度が高い場合には軽さを。ペットがいる家庭やカーペットや畳がメインの家である場合には、吸引力を重視して選ぶほうが高い満足度が得られると思います。