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順天堂大学とカルビーが共同研究を実施 『血液透析患者におけるフルーツ入りグラノーラ摂取が血圧低下および腸内細菌叢に及ぼす影響』を発表


順天堂大学とカルビーが共同で行ったフルーツ入りグラノーラの効果に関する研究により、血液透析患者がグラノーラを摂取すると血圧が下がり、腸内細菌叢が改善されることが示されました。この研究はカルビーの「100年朝食プロジェクト」の一環で、健康寿命の延伸に貢献するために行われたものです。研究では、フルーツ入りグラノーラを摂取することで便通も良くなり、薬の減量が可能になることが分かりました。カルビーはこの研究を通じて、透析患者だけでなく、糖尿病や腎臓病、高血圧の予防に役立つと考えています。

4月25日(金)、順天堂大学とカルビーが共同研究した『血液透析患者におけるフルーツ入りグラノーラ摂取が血圧低下および腸内細菌叢に及ぼす影響』についての発表会を開催。順天堂大学医学部腎臓内科学講座非常勤講師・上田 誠二氏とカルビー株式会社マーケティング本部兼シリアル部部長・江口 聡氏が登壇し、研究内容の説明、質疑応答が行われた。

順天堂大学とカルビーの共同研究の経緯

カルビー株式会社マーケティング本部兼シリアル部部長・江口 聡氏

順天堂大学とカルビーの共同研究について江口氏は「カルビーでは健康寿命への貢献を目指し、2018年に100年朝食プロジェクトを立ち上げました。人生100年時代といわれる現代において、朝食から良い未来を作っていきたいという思いから始まった取り組みです。この活動の中で順天堂大学と共に研究を進めてきました。これまで臨床研究を通じて、グラノーラ朝食の健康効果を科学的に明らかにする成果も得られています」と解説。

朝食白書

カルビーでは朝食欠食をなくしたいという思いから、日本で初めて1万人を対象にした朝食実態調査を実施。その結果、特に若い世代で朝食を食べる習慣が薄れてきていることが明らかになった。一方、朝食をしっかり食べている方ほど幸福度が高いという結果も判明。

江口氏は「人生100年時代を迎えた今、健康的な未来を築く上で朝食は非常に重要な存在となっています。特に若い世代に朝食の習慣を根付かせていくことが大切だと考えています」と語った。

高血圧患者の現状

順天堂大学とカルビーの共同研究の内容

上田氏は、血液透析患者におけるフルーツ入りグラノーラ摂取が血圧低下および腸内細菌叢に及ぼす影響について説明した。

高血圧患者は世界的に増加傾向にあり、過去と比較して2倍以上に増加。会場で示されたグラフでは、緑が治療中の患者、赤が未診断、黄色が未治療を示しており、半数近くが十分な治療を受けていない現状が浮き彫りとなった。高血圧の自覚症状は少ないが、最も強い死亡因子である。日本の高血圧者数は約4,300万人。食生活の改善、減塩が必要とされている。

日本で慢性腎臓病の患者は2,000万人

順天堂大学医学部腎臓内科学講座非常勤講師 上田 誠二氏

慢性腎臓病とは、生活習慣病や慢性疾患といった原疾患があるかどうかに関わらず、腎機能の低下が見られるもの。「糖尿病や高血圧、脂質異常、生活習慣病を背景とする腎臓病が増えている現状がある」と上田氏は分析。慢性腎臓病は健康につながっていくことがわかっていて、予防をしていくことが大切である。

慢性腎臓病の患者は日本で2,000万人、成人5人に1人。2022年末時点では透析患者数は約35万人である。1人にかかる医療費は500万円のため、医療経済上の観点からも大きな問題である。上田氏は「現在では、早期診断、新しい治療薬が開発されているが、治療の根幹は食事療法、生活習慣の改善が大切になってきます」と展開する。

日本人の塩分摂取量は依然として多い

日本人の1日塩分摂取量

1日の塩分摂取量は6g未満が推奨されているが、男性は1日10.8g、女性は9.2gから減少傾向が見られない。共同研究を始めた理由を上田氏は、「カルビーのフルーツ入りグラノーラは0.5gしか食塩が入っていないため、朝食を変更することで減塩できるのではないかという考えで研究を始めた次第です」と話した。

フルーツ入りグラノーラと健康の関わり

研究の結果、フルーツ入りグラノーラを摂取すると、便通が良くなる場合が多く、試験後も自主的に摂取を続けている被験者もいるとのこと。計24名の解析を行った結果、血圧は下がり、塩分摂取量も減少。5名の薬の減量または中止ができた。便秘、便通異常の方が一定数いたが、良くなっていることがわかった。病気の状態では腸内細菌の多様性も失われるが、腸内環境も良くなっていることが明らかになった。

「フルーツ入りグラノーラは透析患者さんの有効な治療食の1つとなるのではないかと期待しています。今回は透析患者さんだけでしたが、糖尿病、腎臓病、高血圧の予防にも貢献できるのではないかと考えています。こういった研究が国民の皆さんの健康の一助になればと思っています」と上田氏は締め括った。

今後の研究について

質疑応答では、被験者数が24名と少なく、全員に同様の介入をしている点についての指摘を受け、上田氏は「フルーツ入りグラノーラを辞めた後に血圧が上がっている傾向が見られ、因果関係はある」と主張。

今回の調査結果を受けて、販売経路を広げることはあるかという質問に対して江口氏は、「現時点ではどういう社会問題を解決できるのか知見をためている段階で、現時点で何かすることは考えていません」と回答した。

【概要】
『血液透析患者におけるフルーツグラノーラ摂取が血圧低下および腸内細菌叢に及ぼす影響』 順天堂大学×カルビー共同研究
100年朝食プロジェクト:https://www.calbee.co.jp/100nenchoushoku/

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