近年、健康志向の高まりから、魚や貝、海藻など水産物への注目が高まっている。オメガ3や脂肪酸、魚肉たんぱく質といった健康効果への期待から、「健康的な食事のために魚介類を摂り入れたい」という人は約75%というデータも※。一方で、魚料理は下ごしらえに手間がかかる、調理方法が分からない、という理由から、魚を食べたいけれどなかなか摂り入れるのが難しいと感じている人も多いのではないだろうか。
※農林水産省「食料・農業及び水産業に関する意識・意向調査」(令和5年度 水産白書)より
水産庁は、毎月3日~7日までを「さかなの日」、特に11月3日~7日までを『いいさかなの日』と制定し、賛同メンバーによる水産物の消費拡大に向けた活動の強化週間としている。
そこで、三陸・常磐の水産物の魅力と美味しさを発信している「復興水産加工業販路回復促進センター」では、11月3日(日)~11月7日(木)の『いいさかなの日』に合わせて、管理栄養士・料理家の長谷川あかりさんが考案した、冬の免疫力向上・冷え・乾燥対策におすすめの、栄養豊富で美味しい三陸・常磐の水産加工品を使用した簡単レシピを紹介。
今回筆者は、紹介された3つのレシピの中から、「鮭トマトグラタン」に挑戦。「鮭トマトグラタン」は、骨や汁まで丸ごと使える鮭缶を活用し、鮭に含まれるビタミンDとチーズにも含まれるカルシウムを効率よく摂取でき、骨の健康を支える栄養が豊富なレシピ。さっそく作っていこう!
冬の免疫力向上に!「鮭トマトグラタン」
■材料 (1~2人分) 調理時間:15分(目安)
鮭缶1缶
トマト中1個(150g)
玉ねぎ1/2個
バター8g
小麦粉大さじ1
塩適量
みりん小さじ1と1/2
ピザ用チーズ適量
あらびき黒胡椒適量
タバスコお好みで
■作り方
1.トマトはざく切りに、玉ねぎは繊維に沿って5mm厚さに切る。
2.フライパンにバターを中火で熱し、玉ねぎと塩ひとつまみを加えてしんなりするまで炒める。
3.トマトと塩ひとつまみを加え、トマトから水分が出てくるまで炒める。
4.小麦粉をふり入れ、粉っぽさがなくなるまで炒め合わせる。
5.鮭缶の水分だけを少しずつ加え、トマトをつぶしながら炒め全体を馴染ませる。一気に鮭の香りが立ち込め、食欲をそそる。
6.鮭を骨ごと加えてさらに木べらでつぶしながら炒めたら、塩小さじ1/4とみりんを加えて混ぜ合わせる。
7.とろみがついたら耐熱容器に移し、ピザ用チーズをかけて焼き色がつくまでトースターで焼く。
あらびき黒胡椒をふって完成!タバスコはお好みで。
こんがりと美味しそうな焼き色とオレンジ色が見た目にも華やか。さけとチーズの香ばしい香りも食欲をそそられる。食べてみると驚くほど本格的な味で、手軽に鮭缶で作ったとは思えない。グラタンといっても乳製品のホワイトソースを使ったものと違い、ヘルシーでさっぱりとしており、罪悪感なくどんどん食べ進む。熱々のグラタンは寒くなってきたこの時期にもぴったりだ。ほんのりとしたトマトの酸味と玉ねぎの甘み、チーズのコクが鮭と相性抜群。鮭缶を使用しているためか、鮭の生臭さは一切なく、骨も柔らかく食べられるので、「魚は骨があるから嫌だ」という幼い我が子も骨を気にすることなく喜んで食べていた。
冬の冷え対策に!「あおさのシーフードカレー」
冬の冷え対策と免疫力向上に最適なレシピ。あおさの豊富な食物繊維が腸内環境を整え、免疫機能をサポート。カレーのスパイスが体を内側から温め、血流を促進。あおさとカレーの意外な組み合わせで、フライパン一つで簡単ながら本格的な味わいに。あおさの持つ豊かな風味と旨みをしっかり楽しめる、体に優しい一品。
■材料 (2人分) 調理時間:10分(目安)
あおさ10g
冷凍シーフードミックス1袋(150g)
長ネギ(白い部分)2本分
バター10g
料理酒大さじ2
塩適量
A水300ml
Aおろしにんにく1片分
Aカレー粉小さじ2
A塩小さじ2/3
Aみりん小さじ2
Aレモン汁または酢小さじ1
Aしょうゆ小さじ1/2
紫玉ねぎスライス・カットレモン適量
ごはん2人分
■作り方
1.長ネギは粗みじん切りにする。
2.深めのフライパンにバターを中火で熱し、1と塩ひとつまみを加えてしんなりする
まで炒める。
3.シーフードミックスを凍ったまま加え、料理酒を加えて水気を飛ばしながら炒める。
4.あおさとAを加え、煮立ったら味を見て、やや濃いと感じる程度に塩で味を調える。
5.器にごはんを盛り付け、4をかける。紫玉ねぎとカットレモンを添えて完成。
冬の乾燥対策に!「さんまと春菊のライムサラダ」
DHAとEPAが豊富なさんまの水煮缶が主役の、冬の乾燥に最適なレシピ。DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸は心血管の健康をサポートし、冬が旬の春菊の抗酸化作用で免疫力も高める。青魚のさんまとライムは香りの相性がよく、ライムの酸味がさんまのうまみを引き立たせる。作り方はとてもシンプルだが、特別感と存在感があり、どんな食事とも合わせやすいサラダ。
■材料 (2人分) 調理時間:5分(目安)
さんま水煮缶1個
春菊100g
オリーブオイル小さじ2
ライム小さじ2
塩小さじ1/3
■作り方
1.春菊は食べやすい長さのざく切りにしボウルに入れる。
2.1に汁気をきったさんまの水煮と、水煮の汁小さじ2を加える。
3.オリーブオイル、ライム果汁、塩も加え、よく混ぜ合わせる。味をみて塩で調える。
健康的な食生活のために水産加工品の活用を!
管理栄養士・料理家 長谷川あかりさん
体調を崩しやすい冬を健康に乗り切るには、免疫力を高める栄養素の摂取が重要です。そんな時には、栄養価が高く調理が簡単で、毎日に取り入れやすい水産加工品を使った料理がおすすめ。水産加工品は、保存性に長けており、ご家庭にストックがあれば都度お買い物に行かなくても、おいしい料理を簡単に作ることができ、下処理済みなので調理の手間も大幅に省ける大変便利な食材です。忙しい毎日でも無理なく健康管理をサポートしてくれる水産加工品には、私も日々助けられています。
長谷川あかり(はせがわ・あかり)さん プロフィール
1996年埼玉県生まれ。料理家、管理栄養士。10歳から子役・タレントとして活動、『天才てれびくんMAX』(NHK教育テレビ、現Eテレ)をはじめ、さまざまな番組に出演する。大学で栄養学を学んだ後、SNSで始めたレシピ投稿が大反響を呼び、現在は雑誌、Web、テレビなどで幅広くレシピ開発を行っている。2024年夏に自身初となるパーソナルムック『長谷川あかり DAILY RECIPE Vol.1』(扶桑社)を発売。近著に『いたわりごはん2今夜も食べたいおつかれさまレシピ帖』(KADOKAWA)、11月20日には最新刊『米とおかず』(光文社)が発売される。
料理のレパートリーが少なく、いつも魚料理は焼くかフライにするかの2択しかなかった筆者だったが、鮭缶でグラタンという手軽かつ見栄えのいいレシピは我が家の定番になりそうだ。何より、子どもがこれなら魚を食べるというのが嬉しい発見だ。水産加工品の可能性を感じ、今後もっと料理に活用していきたいと感じた。また『いいさかなの日』の期間中に、あおさのカレーやさんまのサラダも作ってみようと思う。ぜひみなさんも水産加工品を使った料理で、手軽にさかなを摂り入れてみては?
■復興水産加工業販路回復促進センターについて
復興水産加工業販路回復促進センターは、東日本大震災の被災地域における水産加工業等の復興を支援し、販路回復を望む水産加工業等をサポートしている。その支援の一環として、寒流と暖流が交わる世界三大漁場である三陸・常磐地域から、“うみ”の“うまいもの”を厳選して紹介するサイト「UMIUMA」(https://umiuma.jp/)を運営している。
■三陸・常磐の水産加工品専門のECサイト「UMIUMART」について
三陸・常磐は、寒流の豊富な栄養を含む親潮と暖流の黒潮が交差し、大量のプランクトンを発生させる潮目を形成する世界三大漁場を沖に持ち、多種多様な海産物が豊富。さらに職人の加工技術により、品質に優れ、栄養価が高い絶品の水産加工品が多く生産されている。水産加工品なら下処理などは不要で、手軽に栄養豊富な食事を摂ることができるのでおすすめ。「復興水産加工業販路回復促進センター」が運営する三陸・常磐の水産加工品専門のECサイト「UMIUMART」(https://umiumart.jp/)では、三陸・常磐地域の“うみ”の“うまいもの”=UMIUMA商品を販売している。