仕事の主な内容がデスクワークの場合、大切なのが集中できる環境なのは間違いないだろう。もし騒音が気になって集中力が途切れてしまうようなことになれば、生産性が減少して損害が発生してしまうからだ。では、仕事の際に集中力が続かないと感じたことがある人はどのくらいいるのだろうか? そして集中力が続かないと感じた主な要因とは何なのだろうか? そこで今回、オフィスの適正面積を算出して、それぞれの企業に適したオフィスのスタイルを無料で提案するサービス『ピタッとオフィス』を提供している株式会社アーバンプラン(https://urban-plan.com/)では、オフィス勤務の20代~40代の会社員を対象に、「集中できるオフィス環境」についての調査を実施した。
集中しやすい時間帯は半数以上が「午前中」と回答
はじめに「最も仕事に集中できるのは、どの時間帯ですか?(単一回答)」と質問したところ、『始業時間前(12.1%)』『始業時間~12時(56.5%)』『12時~15時(12.7%)』『16時~終業時間(12.5%)』『終業時間後(6.2%)』という回答結果になった。6割近くが「始業時間~12時」と回答していることから、午前中が最も仕事に集中できると感じているようだ。では、仕事に集中できる音環境はどれなのだろうか?
そこで「仕事に集中できる音環境はどれですか?(単一回答)」と質問したところ、『人の話し声や電話の音が少しある(39.0%)』と回答した人が最も多く、次いで『完全に静か(34.7%)』となり、約4割が人の話し声や電話の音が少しあった方が仕事に集中できると回答した一方で、完全に静かな方が集中できるという人も2番目に多い結果になった。
さて近年では、リモートワークなども普及しつつあるが、仕事に集中できる場所はどこだろうか?
「仕事に集中できる場所を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、7割が『オフィスの自席(71.6%)』と回答し、オフィス内の自席が集中できる場所として最多の結果となった。やはり、PCやモニターの配置などにこだわり、自分が取り組みやすい環境を作り出している人もいるのではないだろうか。では、より仕事に集中するために使用しているアイテムなどはあるのだろうか?
「集中力を高めるために使用しているアイテムがあれば教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『ブルーライトカット眼鏡(18.5%)』と回答した人が最も多く、次いで『ガム(17.6%)』『イヤホン・ヘッドホン(14.9%)』となった。どうやら「ブルーライトカット眼鏡」や「イヤホン・ヘッドホン」など、視覚や聴覚の負担軽減を目的としたアイテムが多く使われているようだ。また、集中力アップのためにガムを噛んでいる人が多いことも示された。
集中力低下時の要因や対処法 鍵となるのは環境の変化やリフレッシュ
続いて「現在のオフィススタイルとして当てはまるものを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『固定席(68.2%)』と回答した人が最も多く、次いで『フリーアドレス(21.8%)』となった。7割近くが「固定席」と回答しているが、フリーアドレスなど定まった固定席のない働き方をしているオフィスワーカーも一定数いることが判明した。
それでは、仕事中に集中力が続かないと感じたことがある人はどのくらいいるのだろうか? そこで「現在のオフィス環境で集中力が続かないと感じた経験はありますか?」と質問したところ、8割近くが『とてもある(25.6%)』『ややある(50.2%)』と回答。オフィスの自席が集中力が高まると感じている人が多い中で、固定席の有無で集中力が途切れてしまう要因に相違はあるのだろうか。
前の質問で「とてもある」ややある」と回答した人を対象に、「集中力が続かない要因を選択してください(複数回答可)」と質問したところ、固定席の有無で上位に相違がある結果が明らかになった。
・固定席がある人
『周囲の騒音が多い(人の話し声、電話の音、機械音など)(59.3%)』
『温度や湿度が快適ではない(24.2%)』
『煩雑なコミュニケーション(同僚からの声掛け、質問、依頼など)(20.0%)』
・固定席がない人
『周囲の騒音が多い(人の話し声、電話の音、機械音など)(43.6%)』
『人の出入りが激しい(共有スペースと作業スペースが近いなど)(27.4%)』
『個人の作業ペースがない(19.8%)』
周囲の騒音が集中の妨げの最も大きな要因となり、適度な音がある環境は集中しやすい音環境として求められているものの、騒がしすぎる環境は逆効果のようだ。また固定席があることで業務を行う場所が定まっているため、オフィス環境への改善点となる温度、湿度などの条件や、コミュニケーション量によって集中力が続かないのかもしれない。さらに一方で固定席がない人に関しては、オフィス設備の要因が多くみられた。
双方の結果の比較から、固定席がない人も個人で確保できる業務スペースを求めていることが示唆された。では、集中力が続かないと感じた際に、何かしらの対処をしているのだろうか? 前の質問で「とてもある」「ややある」と回答した人に、詳しく聞いてみた。
集中力が続かないと感じたときの対処法とは?
・諦めて早く帰る。翌日朝早く出社する。(40代/男性/岐阜県)
・目を閉じて一瞬『無』の時間を作る(40代/女性/奈良県)
・タブレットを食べる(40代/男性/大阪府)
・甘い飲み物を飲む(30代/女性/大阪府)
・席を立って外に出て深呼吸して一息つく(40代/女性/青森県)
集中力が続かないと感じた際は、休憩や環境を変えるなどの対処を行っているようだ。
より集中力を高めるために求められるオフィス設備とは?
「集中力を高めるうえで、オフィス環境に求める設備はありますか?(複数回答可)」と質問したところ、固定席の有無で上位に相違がある結果が明らかになった。
・固定席がある人
『レイアウトの変更(35.3%)』
『デスクや椅子の変更(34.7%)』
『集中スペースや個室の設置(32.3%)』
・固定席がない人
『集中スペースや個室の設置(36.8%)』
『休憩室やリラクゼーションスペースの設置(29.1%)』
『デスクや椅子の変更(27.9%)』
固定席があるオフィスで働く人に関しては、業務スペースがある程度定まっているため、オフィスのレイアウトやデスク、椅子の変更など働きやすい自席の環境が求められているようだ。
一方で固定席がないオフィスで働く人は、オフィスに追加の設備を求める声が多く、業務を行いやすいスペースと途切れた時に気分転換ができるようなスペースがそれぞれあることで、行き来しながら働ける環境が望ましいのではないだろうか。
【調査概要】「集中できるオフィス環境」についての調査
調査日/2024年9月10日(火)
調査方法/PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
調査人数/1,014人
調査対象/調査回答時にオフィス勤務の20代~40代の会社員と回答したモニター
調査元/株式会社アーバンプラン(https://urban-plan.com/)
モニター提供/PRIZMAリサーチ
コロナ禍以降、記者は自宅を仕事場にしたため、固定席やフリーアドレスの違いに悩まされることはないが、それでも騒音問題には困らされている。というのも、斜め向かいの町工場から聞こえてくる騒音がハンパないからだ。その町工場は高齢者の男性がひとりで切り盛りしていて、本当に毎日毎日、朝5時からハンマーで金属を叩き始め、それが大体18時頃まで続く。日中で音が静まるのはお昼ご飯どきだけで、それ以外の時間はずっと騒音がひどいので、集中力が途切れるどころか、まったく集中できない。そのため、記者の執筆タイムは必然的に夜から朝5時までの夜型に。かといって昼間は寝ていられるかというとそうではないので、毎日寝不足だ。これでカラダに何かあったら、家族は間違いなくそのじいさんを訴えるだろう。話が大きく逸れてしまったが、とにかく仕事の生産性を高めるために必要なのは「集中できるオフィス環境」なのはいうまでもない。もし、社内で知恵を出し合っても環境づくりがうまくいかないようであれば、今回調査を行った株式会社アーバンプランのような、オフィス環境設計の専門家に依頼してみてはいかがだろう。