コロナ禍真っ只中の2021年7月にスタートした「ご当地ラーメンチャレンジ by 東京ラーメンストリート」。神奈川県・戸塚の「支那そばや」を皮切りに、これまで全国の名店6店が3ヶ月ごとに期間限定で出店してラーメン好きを喜ばせてきたが、いよいよ次の名店で完結だ。
この大イベントのフィナーレを飾るのは、知る人ぞ知る北海道の「富良野とみ川」。1997年創業の富良野とみ川は2012年・2017年にミシュランガイド北海道でビブグルマン評価を獲得した実力派で、百貨店での北海道物産展には2002年から毎年出店しているが、東京に店舗を構えるのは今回が初めてだという。地元・北海道の店舗は車かバスを利用するしか交通手段がないにもかかわらず、常に店内は満員。そのお目当ては、北海道の食材にこだわり、地産地消をコンセプトにしたご当地ラーメン。化学調味料や添加物を一切使用せず、昔ながらの調理法で作られる富良野とみ川のラーメンは、ウマイだけでなく、身体にも優しいと評判なのだとか。
東京駅出店前日の4月26日に開催された記者発表会では、今回の目玉となる『石臼挽き中華そば』に加え、期間限定・数量限定の『焙煎小麦塩中華』と東京駅限定の『味噌バターコーンらあめん』の試食も行われた。
『石臼挽き中華そば』
富良野産の小麦を石臼で挽いた麺は粗めの全粒粉が練り込まれ、シコシコとした感じの食感。タレは化学調味料無添加の手作りで、スープは鶏ベースと煮干出汁を合わせたものを使用。デフォルトのトッピングは富良野豚のチャーシューと鶏コンフィ、三つ葉、半熟味玉・メンマなど。あっさりとしつつも様々な素材の旨みが凝縮され、食べ始めたら箸が止まらない。
石臼挽き中華そばは、胡椒よりも七味唐辛子との相性がよい。
『焙煎小麦塩中華』
真っ黒な麺が特徴的な焙煎小麦塩中華には、ふらの産小麦「春よ恋」を自家焙煎して石臼で挽いた焙煎粉を北海道産卵「さくら卵」でつないだ麺が使われている。鶏と魚介の白醤油ベースのスープに麺が絶妙に絡んで美味。
一見するとまるで蕎麦のような麺。焙煎することで黒くなった小麦を挽くと麺も黒くなるのだ。
挽く前の焙煎小麦。きれいな表面から、その丁寧な仕事ぶりがうかがえる。
右は全粒粉を練り込んだ麺、左は焙煎粉を使用した麺。湯掻く前からすでに色が違う。
『味噌バターコーンらあめん』
本店では提供していない、東京駅限定のメニュー。北海道産大豆を使用した3種類の味噌をブレンドし、背脂香味油で仕立てたスープに、北海道産生乳100%のよつ葉バターとたっぷりのコーンをトッピング。大人が食べても胃がもたれないのが特徴。
ラーメンのほかにおすすめなのが、トッピングとして用意されている「五郎のスモークチャーシュー」。これは、かつて富良野を舞台にしたドラマ『北の国から』撮影時に出演者や関係者が植樹したえぞ山桜と同じ品種の桜の木で燻したもので、スモーキーな香りがたまらない逸品だ。
富良野とみ川の富川店主。今回の東京初出店では「売上より富良野、北海道の小麦のよさをアピールしたい。」と語った。
地元にいればいつでも食べられる富良野ラーメンだが、今回は初出店とはいえ3ヶ月限定。この機会を逃すと、次はいつ食べられるかわからない。気になるラーメン好きは、迷わず東京駅の東京ラーメンストリートへ急ごう!