イタリアで100年以上親しまれているリキュール「アペロール」。爽やかな味わいで、カクテルレシピも豊富なため、今や世界中で愛されているお酒となっています。今回はそんなアペロールの特徴や歴史、カクテルレシピなどについてご紹介します。
アペロールとは
「アペロール」はオレンジやハーブ、スパイスを原料に使用したイタリア産のリキュールです。アルコール度数は11%。鮮やかなオレンジ色の見た目が特徴となっています。現在190か国以上で親しまれており、2016年のリキュールブランド世界市場ランキングでは、世界第5位に輝いています。
アペロールの歴史
アペロールが生まれたのは1919年のイタリア北部。父親からバルビエリ社を引き継いだバルビエリ兄弟が、約7年の歳月をかけて開発したのだそう。
人気に火がついたのは1950年のこと。この年、19世紀ごろからイタリアで親しまれていたカクテル「*スプリッツァー」にアペロールを加えた「アペロールスプリッツ」が誕生。これが瞬くまに広がり「アペロールスプリッツ」=「スプリッツァー」といわれるほどになったと言われています。
2003年には大手酒造メーカー「カンパリグループ」がバルビエリ社を買収。その後一気にイタリア中、世界中へとアペロールが広まったのです。
*スプリッツァー:白ワインのソーダ割りのカクテル
味&香りの特徴
オレンジを思わせるフレッシュな香りが特徴の「アペロール」。口当たりはまろやかで、ハーブとスパイスが織りなす爽快な風味とビターな後味が楽しめます。
柑橘系フルーツや、その他のリキュールとも相性が良くカクテル作りの素材としても重宝されています。
アペロールがよく飲まれる「アペリティーヴォ」とは?
本場イタリアでアペロールがよく飲まれるのは「アペリティーヴォ」と呼ばれる時間帯。
「アペリティーヴォ」とは夕食前にお酒やおつまみをいただく時間のこと。日本でいう「食前酒」や「ハッピーアワー」のようなもので、夕食時間が20時以降と遅めなイタリアならではの習慣です。
アペリティーボに飲むお酒=アペロールという認識もかなり強いと言うほど、イタリアでは定番なのだそう!
アペロールに似てる?イタリアで人気のリキュール「カンパリ」
アペロールに似ているといわれることも多い「カンパリ」。アペロール同様イタリア発祥のお酒で、独特の苦みと甘み、鮮やかな赤橙色が特徴となっています。製造方法や原材料は全て企業秘密!ビターオレンジピールや薬草などが使用されているといわれていますが、正式に判明している原材料は水とアルコールだけという不思議なリキュール。
カンパリが生まれたのは、アペロールよりも半世紀ほど前にあたる1860年。当時イタリアミラノで酒場を営んでいたガスパーレ・カンパリ氏が「ビッテル・アルーソ・ドランティア」という名前で常連客に提供していたのが始まりだといわれています。
味もアペロールとよく似ていますが、カンパリの方は苦みが、アペロールの方は甘みが強いといわれています。
アペロールの大人気カクテル「アペロールスプリッツ」とは?
どんなカクテル?
「アペロールスプリッツ」はアペロールと白ワイン、ソーダを混ぜて、オレンジを加えて作るカクテルとなります。アルコールをあまり感じない爽やかな味わいが特徴で、アペロールの定番カクテルとして知られています。
イタリアで大人気!
2022年のGoogleトレンドカクテルでは第1位を獲得。本場イタリアでも大人気で、「カンパリ・ソーダ※1」や「モヒート※2」などと並んで「アペリティーヴォ」の定番カクテルになっているのだそう。
※1:カンパリのソーダ割り
※2:ラムとライムジュース、砂糖、ミント、ソーダを混ぜたキューバ生まれのカクテル
レシピ&作り方(ソーダ)
まず自宅で手軽に作れるソーダと白ワインを使ったアペロールスプリッツのレシピをご紹介します。
■材料
・アペロール:40ml
・ソーダ:40ml
・白ワイン:25ml
・スライスオレンジ:1かけ
・氷:適量
■準備する器具
・グラス:1個
■作り方
1.グラスに氷をたっぷり入れる
2.白ワイン25mlとソーダ40mlを注ぐ
3.スライスオレンジを1かけ加える
4.アペロール40mlを注ぐ
スパークリングワインを使ったレシピ
続いてイタリア本場でよく飲まれているスパークリングワインを使用したアペロールスプリッツのレシピをご紹介します。
■材料
・アペロール:40ml
・辛口スパークリングワイン:40ml
・スライスオレンジ:1かけ
・ソーダ:適量
・氷:適量
■用意する器具
・ワイングラス:1個
■作り方
1.ワイングラスに氷を適量入れる
2.アペロール40mlと辛口スパークリングワイン40mlを注ぐ
3.スライスオレンジを1かけ入れる
4.お好みでソーダを加えて濃さを微調整する
アペロールを使ったその他の定番カクテル
アペロールソーダ
アペロールをソーダで割ったカクテル。軽い飲み心地のため、夏場ごくごく飲むのにおすすめです!
■材料
・アペロール:30ml
・ソーダ:90ml
・レモン:1/8個
・氷:適量
■用意する器具
・グラス:1個
・マドラー:1本(スプーンで代用可能)
■作り方
1.グラスに氷を適量入れる
2.アペロール30mlとソーダ90mlを注ぎ、マドラーで軽く混ぜる
3.レモンを搾り入れる
アペロールモーニ
アペロールをグレープフルーツジュースとソーダで割ったカクテル。グレープフルーツの酸味とアペロールの甘みが絶妙にマッチした1杯となっています。
■材料
・アペロール:30ml
・グレープフルーツジュース:45ml
・ソーダ:45ml
・氷:適量
■用意する器具
・グラス:1個
・マドラー:1本(スプーンで代用可能)
■作り方
1.グラスに氷を適量入れる
2.アペロール30mlとグレープフルーツジュース45ml、ソーダ45mlを注ぐ
3.マドラーで軽く混ぜる
アペロールオレンジ
アペロールをオレンジジュースで割ったカクテル。オレンジジュースがアペロールのビターな味わいを引き立ててくれます。
■材料
・アペロール:30ml
・オレンジジュース:90ml
・氷:適量
■用意する器具
・グラス:1個
・マドラー:1本(スプーンで代用可能)
■作り方
1.グラスに氷を入れる
2.アベロール30mlとオレンジジュース90mlをグラスに注ぎ、マドラーで軽く混ぜる
アペロールクラッシック
アペロールとフレッシュレモンジュース、シュガーシロップを混ぜ合わせたカクテル。「アペロールスプリッツ」と並ぶアペロールの定番カクテルで、甘みと酸味、苦みをバランスよく味わえるのが特徴となっています。
■材料
・アペロール:60ml
・フレッシュレモンジュース:40ml
・シュガーシロップ:20ml
・氷:適量
■用意する器具
・グラス:1個
・シェイカー:1個
■作り方
1.グラスを冷蔵庫で冷やしておく
2.シェイカーに氷とアペロール60ml、フレッシュレモンジュース40ml、シュガーシロップ20mlを入れ、シェイクする
3.2を冷えたクラスに注ぐ
アペロールミスト
アペロールとレモンジュース、ビールを混ぜ合わせたビアカクテル。ビール好きにおすすめです!
■材料
・アペロール:30ml
・フレッシュレモンジュース:30ml
・白ビール:250ml
■用意する器具
・グラス:1個
・マドラー:1本(スプーンで代用可能)
■作り方
1.アペロールとビールをよく冷やしておく
2.グラスにアペロール30mlとフレッシュレモンジュース30mlを注ぐ
3.白ビール250mlを静かに注ぐ
4.マドラーで軽く混ぜる
ベネツィアモヒート
ラムの代わりにアペロールを使用したモヒート風カクテル。色鮮やかな見た目が特徴。
■材料
・アペロール:30ml
・ソーダ:90ml
・ライム:1/8個
・ミント:5束
・砂糖:ティースプーン1杯
・氷:適量
■用意する器具
・グラス:1個
・ペストル:1本(すりこぎで代用可能)
・マドラー:1本(スプーンで代用可能)
■作り方
1.グラスにアペロール30mlとライム1/8個、ミント4束(1束は飾り用に残しておく)、砂糖ティースプーン1杯を入れて、ペストルで軽くつぶす
2.氷とソーダ90mlを入れ、マドラーで混ぜる
3.残しておいたミント1束を飾る
夏の食前酒にぴったり!「アペロール」を楽しもう
今回は「アペロール」の特徴やカクテルレシピなどについてご紹介しました。1919年にイタリア北部で生まれたリキュール「アペロール」。清涼感のある味わいでカクテルレシピも豊富なため、夏の食前酒としてもぴったりです!
気になった方はぜひ飲んでみてはいかがでしょうか。