つかまえやすくて「阿呆な鳥」と呼ばれたのが名前の由来とも言われるアホウドリ。
警戒心が弱く、陸上での動きが鈍いことから、かんたんに捕まえることができるそう。幕末に活躍したジョン万次郎は、伊豆諸島の鳥島に漂着したとき、アホウドリを食べて飢えをしのいでいたそうです。
そんなアホウドリですが、パー(標準打数)より1つ少ないスコアを「バーディ(小鳥)」、2つ少ないスコアを「イーグル(ワシ)」、3つ少ないスコアを「アルバトロス(アホウドリ)」と呼ぶ、ゴルフの世界ではとても名誉ある鳥。
海の上で優雅に飛ぶ姿を目にした漁師たちは、畏敬の念を込めて「沖の太夫」とも呼んでいたそうです――。
「鳥の教室」シリーズ第2回は、誰かに話したくなる鳥のハナシを集めてみました!
【鳥ビア①】世界でいちばん小さな鳥の体重は1円玉2枚分!
キューバにすむマメハチドリは、花の蜜を吸ったり、小さな虫を食べたりして暮らしていますが、全長は約5cmで体重はなんと約2g。世界でいちばん小さな鳥として知られています。1円玉1枚が1gなので、1円玉2枚分の体重というわけです。実際に1円玉2枚を手に取ってみると、その軽さにビックリすることでしょう。ちなみに、世界でいちばん大きな鳥はダチョウ。地面から頭までの高さは2m以上にもなります。
【鳥ビア②】ハヤブサの最高速度は新幹線「のぞみ」と同じくらい
世界でいちばん速く飛ぶ鳥は、ハヤブサです。獲物を捕らえるために急降下する際、時速300kmほどになると言われています。新幹線「のぞみ」の最高速度がおよそ300kmなので、その速さがいかにスゴイかわかるかと思います。ちなみに、水平飛行時の速度がいちばん速いのはホンケワタガモ。時速76kmで飛んでいたという記録があります。
【鳥ビア③】エベレストよりも高く飛ぶマダラハゲワシ
鳥は、どれくらい高く飛べるのでしょうか? 記録保持者(記録保持鳥?)は、マダラハゲワシ。地上11,278mを飛んでいたのが確認されています。ちなみに、この記録は飛行機との衝突事故による報告のものです。また、キバシガラスはヒマラヤの山を登る登山者の後を、標高8,235m付近までついてきたという記録があるそうです。
【鳥ビア④】北極と南極を往復するわたり鳥がいる!
北極圏で子育てをするキョクアジサシは、なんと北極と南極を往復するわたり鳥。往復ともにS字型のコースをたどるため、その距離は1年で7万km以上にもなります。赤道で地球を一周すると約4万kmなので、1年間で地球2周分近くも飛ぶというわけです。
ちなみに、アラスカからニュージーランドやオーストラリアまで飛ぶオオソリハシシギは、7日〜10日間かけて、飲まず、食わず、眠らずに移動したという記録があります。目的地にたどりついたときには、体重が半分ほどに減っているそうです。究極のダイエッターですね。
【鳥ビア⑤】ペンギンは北極には暮らしていない
ペンギンは、南極大陸のほか、南アフリカ、南アメリカ、ニュージーランドなどに全18種が暮らしています。いそうな感じもしますが、実は北極にはいません。空を飛ぶことはできませんが、泳ぐのは得意。コウテイペンギンが500m以上もぐったという記録も残っています。冷たい海を泳いで寒くないのか心配になるかもしれませんが、ペンギンの皮膚をよく見ると、びっしりと羽毛が生えていて、肌に直接水が触れるのを防いでいるのです。
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