いよいよ2022年もあと少しに。仕事納めに、年越しの支度などなにかと忙しいこの季節。そんななか、気持ちをほくほくとさせてくれるイベント「クリスマス」もあと2週間。
「クリスマスも、もちろんビールで乾杯!」そんな読者の皆さんにおすすめのビールを紹介したいと思います!
1. デリリュウム・クリスマス
2. メールノエル
3.サンタビー
4.ブッシュ・スペシャル ノエル
5.グーデン カロルス・クリスマス
6. スティルナハト
7. ドゥシャス デ ブルゴーニュ
8. シメイ・ブルー
9. サミクラウス
10. アップルシナモンエール<クリスマスラベル>
11. クリスマス ポーター
「クリスマスビール」って知ってますか?
とはいえ、なんとなくビールといえば夏の方が盛んなイメージ。クリスマスにビールといってもなかなかピンとこない方も多いのではないでしょうか?
確かに寒い冬にキンキンに冷えたビールを!とはいかないかもしれませんが、身体を温めることを目的としたビールならいかがでしょう。実は古くからビールづくりが盛んな国ベルギーでは「クリスマスビール」または「ウィンターエール」という名前で、身体がぽかぽかと内側から温まるようなビールがつくられてきました。
冷えた身体を芯から温めるべく、比較的アルコール度数は10%前後と高め。さらに今のように保存技術が発達していなかったので、仕込んでからビールを飲むまでの間にビールが腐ってしまうことも。そうした事態を防ぐために、クローブ、シナモン、リコリスやバニラビーンズなどのスパイスを保存料として使用したのです。
今回はクリスマスビールの本場であるベルギーのビールを中心に、全11種類を紹介していきますね!
1. サンタ帽をかぶったピンクの象
『デリリュウム・クリスマス』(ヒューグ醸造所)
最初にご紹介するのは、ベルギーのヒューグ醸造所から「デリリュウム・クリスマス(Delirium Christmas)」。1654年から醸造をしている老舗の醸造所でつくられるデリリュウムシリーズには、ピンク色の象が描かれています。
このシリーズの代表作である『デリリュウム トレメンス』は、オランダ語で「アルコール中毒による震え」という意味だそう。ちょっと刺激的なネーミングな気もしますが、中毒になっちゃうほどおいしいビールなのです。
赤みがかった茶色のボディにクリーミーな泡をもち、キャラメルやチェリー・ラズベリーの香りが複雑に絡み合った甘い香りが。飲んでみると、舌がピリッとするほどのスパイシーさもあり、飲んだ後にはどっしりとしたアルコールを感じます。
ラベルの象と一緒に、サンタ帽子をかぶってちょっぴりうかれたい。
デリリュウム・クリスマス
- 〇アルコール度数:10%
- 〇容量:330ml
- 〇URL:https://www.belgianbeer.co.jp/products/detail.php?product_id=581
- 〇醸造所:ヒューグ醸造所
- 〇原産国:ベルギー
2. ラベルの女性は醸造家の元カノたち
『メール・ノエル』(ヒューグ醸造所)
「デリリュウム・クリスマス」と同じ醸造所でつくられる「La Mere Noel(メール・ノエル)」。こちらのラベルにはなんと醸造家デイビット氏の元彼女の顔、上半身、下半身を組み合わせた女性が!なんともユニークなデザインがとてもおもしろい。
クリスマスビールとしては珍しく黄金色のボディで、重すぎずキレがあり、苦みも伴う味わい。“元カノ”というだけあって、別れる時の苦い思い出や、キレのある彼女たちの性格を味わいにも反映させたのでしょうか……
気になる真相は定かではないですが、デイビット氏のちょっぴり苦い思い出を想像しながら飲んでみると、より味わい深く、しんみり飲めそうですね。
『メール・ノエル』
- 〇ビアスタイル:クリスマス・ビール
- 〇アルコール度数:8.5%
- 〇容量:330ml
- 〇URL:https://belgianbeer.shop-pro.jp/?pid=164720104
- 〇醸造所:ヒューグ醸造所
- 〇原産国:ベルギー
3. 原料にはちみつを使用
『サンタビー』(ボーレンス醸造所)
ベルギーの農業地帯「ワース」地方に位置するボーレンス醸造所から、「SANTA BEE(サンタビー)」。サンタクロースの服を着た女性のラベルが特徴。1990年代から醸造されている「ビーケン」シリーズの中の1つのビールで、はちみつを使用しています。
ローストしたモルトと冬のスパイスを使用することで、独特な味わいを表現。瓶内発酵しているので、時間とともに味わいの変化も楽しめます。
はちみつのお酒といえば「ミード」。ミードにも麦芽を使用したブラゴットというスタイルがありますが、いつも飲んでいるビールよりもはちみつの甘みにより、とてもなめらかな味わいになるんです。ブラゴットとどう味わいが異なるか、一緒に飲み比べてみるのも良いかも!
『サンタビー』
- 〇アルコール度数:8.5%
- 〇容量:330ml
- 〇原材料:麦芽、ホップ、はちみつ
- 〇URL:https://www.belgianbeer.co.jp/products/detail.php?product_id=591
- 〇醸造所:ボーレンス醸造所
- 〇原産国:ベルギー
4. 原料は「麦芽・ホップ・あめ糖・水」
『ブッシュ・スペシャル・ノエル』(デュブイソン醸造所)
1769年に創業された老舗ブルワリー、ベルギーはデュブイソン醸造所の「Bush de Noël(ブッシュ・デ・ノエル)」。クリスマスの定番ケーキ「ブッシュドノエル」を思い出してしまうネーミングにワクワクします。
1991年から発売されている限定醸造のビールですが、クリスマスから年末年始のビールの定番として長年愛されてきました。
原料は、麦芽、ホップ、あめ糖、水だけ。カラメル麦芽を使用しているので液体はアンバー色をし、コクのあるまろやかな味わいが特徴です。甘み、酸味、苦みのバランスが取れているので、食事と一緒にビールを楽しみたい方におすすめです。
『ブッシュ・スペシャル・ノエル』
- 〇ビアスタイル:スペシャルストロングダークエール
- 〇アルコール度数:12.0%
- 〇容量:330ml
- 〇URL:https://www.belgianbeer.co.jp/products/detail.php?product_id=579
- 〇醸造所:デュブイソン醸造所
- 〇原産国:ベルギー
5. あなたのところにもサンタさんが来るかも?!
『グーデン・カロルス・クリスマス』(ヘット・アンケル醸造所)
トナカイに乗ったサンタさんがかわいい、「GOUDEN CAROLUS CHRISTMAS(グーデン・カロルス・クリスマス)」はベルギーのヘット・アンケル醸造所生まれ。なんとこの醸造所が創業されたのは14〜15世紀頃で、ベルギーで操業する醸造所としては、最も古い醸造所だそう。現在はパブやレストランを併設したビール博物館、さらには宿泊施設も併設していて、旅行もかねて一度は訪れてみたい醸造所です。
そして「グーデン・カロルス・クリスマス」は、2002年までの35年間、クリスマスビールの人気がなかったため製造が止まっていたのだとか。しかし本来のベルギービールの伝統を取り戻すべく、再びアルコール度数が高く、色の濃い、THE・クリスマスビールが復活。現代でも多くの人に飲まれています。
8月に醸造し数ヶ月間寝かせた、個性的で濃いルビーレッドのビール。3種類のホップ、6種類のハーブとスパイスが、味わいに深みを増してくれています。
『グーデン・カロルス・クリスマス』
- 〇ビアスタイル:スペシャル・ビール(クリスマス・ビール)
- 〇アルコール度数:10.5%
- 〇容量:330ml
- 〇原材料:麦芽、ホップ、糖類、オレンジピール、コリアンダー、カモミール、スペインカンゾウ、アニス、リコリス
- 〇URL:https://beershop.jp/SHOP/83876.html
- 〇醸造所:ヘット・アンケル醸造所
- 〇原産国:ベルギー
6. クリスマス・イブを聴きながら飲みたい
『スティルナハト』(デ・ドレ醸造所)
オランダ語で「サイレントナイト」を意味する、クリスマスビール「stille nacht(スティル・ナハト)」。このビールを造るデ・ドレ醸造所の近所の町「ポペリンゲ」で育ったホップと、ホワイトキャンディーシュガーを加えて、じっくりと醸造・発酵させています。クリスマスの寒い時期に身体が温まるハイアルコールな仕上がりで、干しぶどうのような甘みを感じます。
そんなデ・ドレ・醸造所を切り盛りするのは、“建築家”や“絵描き”としても活動する多才なクリスさん。ビールの醸造はもちろん、ブルワリーのキャラクター「ウルビアマン」はじめ、ブルワリーに関するデザインは全て彼が手がけるという、多彩なオーナーが手がけるビールです。
■関連記事:熱意から誕生した、世界でたった1つの直営店。異彩を放つベルギービールカフェ「ウルビアマン」
『スティルナハト』
- 〇アルコール度数:12%
- 〇容量:330ml
- 〇URL:https://beeronline.jp/products/150533578
- 〇醸造所:デ・ドレ醸造所
- 〇原産国:ベルギー
7. 酸っぱさがクセになる至福の味わい
『ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ』(ヴェルハーゲ醸造所)
「Duchesse de Bourgougne(ドゥシャス デ ブルゴーニュ)」は、ベルギーのヴェルハーゲ醸造所でつくられている「レッドビール」です。フランス語で「ブルゴーニュ公国の公爵夫人」という意味で、ラベルにもブルゴーニュ公国のシャルル突進公の娘、マリーが描かれています。
ワインの熟成にも使用されるオーク樽で18ヶ月熟成したビールと、8カ月間熟成した若いビールをブレンド。酸味の中にもローストされたモルトの甘みを感じるバランスの取れた味わいが特徴です。酸っぱいけれど赤ワインのような楽しみ方ができることがおすすめポイント。
クリスマスで定番のお肉料理にもぴったりで、成城石井など身近なスーパーでも手に入りやすいので、クリスマスに楽しみたいビールのラインナップに変化球として加えておきたい1本です。
■関連記事:【飲み比べ】個性豊かな「酸っぱい」が楽しい!今飲みたいサワーエール5種類を飲んでみた
『ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ』
- 〇ビアスタイル:レッドビール
- 〇アルコール度数:6.2%
- 〇容量:330ml
- 〇原材料:麦芽、ホップ、小麦、糖類
- 〇URL:https://beershop.jp/SHOP/83458.html
- 〇醸造所:ヴェルハーゲ醸造所
- 〇原産国:ベルギー
8. 実はクリスマスビールが起源
『シメイ・ブルー』(スクールモン修道院)
1948年、クリスマスビールとしてベルギー・シメイの修道士たちが醸造したのが起源とされる「シメイ・ブルー」。そのおいしさゆえに、1956年から定番ビールとしてつくられるように。
シメイビールは、「トラピスト・ビール(※)」を名乗ることを許されたビール。シリーズがいくつかあり、他には『シメイ・レッド』『シメイ・ホワイト』『シメイ・グリーン』などが日本でも展開されています。
※トラピスト・ビール…トラピスト会の修道院内の醸造所でのみつくられるビールで、この呼称を使うことを許されているのは世界にわずか10ヶ所のみ。
そんなシメイビールの中でも「シメイ・ブルー」は、ダークブラウンな色味で、しっかりとしたクリーミーな泡が特徴。カラメルのような香ばしさとスパイスの味わいを持ちながら、フルーティーな香りも漂う1本です。
『シメイ・ブルー』
- 〇アルコール度数:9.0%
- 〇容量:330ml
- 〇原材料:大麦モルト、ホップ、スターチ
- 〇URL:https://beerhouse.co.jp/shopdetail/000000000058
- 〇醸造所:スクールモン修道院
- 〇原産国:ベルギー
9. 毎年、サンタクロースの誕生日に発売される
『サミクラウス』(シュロス エッゲンベルク)
こちらは同じヨーロッパの国、オーストリアで醸造されたビール。「Samichlaus(サミクラウス)」とはスイスの方言で「サンタクロース」の意味で、毎年サンタクロースの誕生日とされる12月6日に発売されます。
世界最強下面発酵ビールといわれ、アルコール度数の高さが最も高いビールとしてギネスブックに掲載されたことがあるんだそう。14%のアルコール度数がどっしりとした味わいを醸しており、さらに芳醇な香りと甘みが味に厚みを出しています。
10年間の瓶内熟成が可能ですが、製造から5年後くらいが飲みごろとされています。一度に数本買ってみて、毎年くるクリスマスに1本ずつ開栓し、味比べをしても楽しそう。
『サミクラウス』
- 〇ビアスタイル:ボック
- 〇アルコール度数:14.0%
- 〇容量:330ml
- 〇URL: https://beerhouse.co.jp/shopdetail/000000000103
- 〇醸造所:シュロス エッゲンベルク
- 〇原産国:オーストリア
10. クリスマス特別ラベルで高まるテンション
『アップルシナモンエール<クリスマスラベル>』(サンクトガーレン)
サンクトガーレンの「アップルシナモンエール」。収穫前に落果し表皮に傷ができてしまったもの、色ムラがあるものなど、訳あって販売されないりんご500個を使用して造られています。栓を開けて広がる香りはアップルパイの香りそのもの。
カラメルモルトのコク、りんごのほのかな酸味に、時折感じるホップの苦み。飲んだ後には、メープルシュガーの甘さの余韻にひたれる面白いビール。公式HPでは、りんご、シナモン、クローブ、角砂糖を加えて温めてつくるホットビールのアレンジも紹介されています。
ところでりんごとクリスマス、関係が深いってご存知でしたか?実は、もともとクリスマスツリーとして普及したのはリンゴの樹だったそう。しかしリンゴの樹は冬になると葉が落ちてしまうため、代わりに常緑樹のモミの樹が使われるように。クリスマスツリーにリンゴのオーナメントを見ることがあると思いますが、それは葉が落ちてりんごの実だけ残ったツリーの様子を再現しているのです。りんごとクリスマスの親和性を感じながら味わうのも乙ですね。
■関連記事:今年もやってきた!約500個の焼りんごを使用した、まるでアップルパイな『アップルシナモンエール』発売
『アップルシナモンエール<クリスマスラベル>』
- 〇アルコール度数:5.0%
- 〇容量:330ml
- 〇原材料:麦芽、ホップ、りんご(長野県伊那市産)、メイプルシュガー、シナモン
- 〇URL:https://www.sanktgallenbrewery.com/xmas/
- 〇醸造所:サンクトガーレン
- 〇原産国:日本
11. インテリアとしても重宝できそうなボトル
『クリスマス ポーター』(ハーヴェスト・ムーン)
最後にご紹介するのは、舞浜にある醸造所ハーヴェスト・ムーンより「クリスマスポーター」。ハーヴェスト・ムーンは、日本に数名しかいないビアテイスターの最高位資格「マスタージャッジ」の称号をもつ職人たちが集ってビール造りを行うブルワリーです。
クリスマス限定として醸した今回のビールは、ダークモルトの濃厚な味わいと程よいホップの苦みが重なり合い、飲みごたえある1本に。お肉料理や、イチゴやチョコレートなどのスイーツとの相性が良いので、クリスマスディナーにはもってこいのビールです。
クリスマスの気分をアゲてくれるツリーのラベルのおかげで食卓に並べても映えそう。ホームパーティーやプレゼントにもピッタリ。
『クリスマス ポーター』
- 〇アルコール度数:7.0%
- 〇容量:330ml
- 〇原材料:麦芽(イギリス製造、ドイツ製造)、ホップ
- 〇URL:https://store.shopping.yahoo.co.jp/harvestmoon/xmsp-po-3.html
- 〇醸造所:ハーヴェスト・ムーン
- 〇原産国:日本
伝統を感じさせてくれるビールや、クリスマスの雰囲気を感じるラベルをあしらうビールなど、とにかくワクワクさせてくれるビールたちをご紹介しました。年がら年中わたしたちを楽しませてくれるビールの世界に改めて感動です。
毎年クリスマスはいつものビールで乾杯していたあなたも、今年はクリスマスビールを用意して、気分も華やぎクリスマスに浸ることができる時間を過ごしてみてくださいね。