2020年10月、あるツイートが目に留まった。
BAD HOPはBUZZ HIGHER(バズハイヤー)というクラフトビールメーカーを設立しました。
すでにビールは出来ていて現在川崎、横浜など近隣の店舗にだけ卸しています。
全国のみんなにも早く飲んでもらえるように動いています pic.twitter.com/pCuckqjCtE— T-Pablow (@TPablow) October 4, 2020
BAD HOPといえば、川崎区出身のメンバーで構成されている、その界隈では知らない人はいないHIP HOPグループ。
BAD HOP
神奈川県川崎市を拠点とするヒップホップクルー。T-Pablow、YZERR、Tiji Jojo、Benjazzy、Yellow Pato、G-K.I.D、Vingo、Barkの8人で構成される。2月からは全国16箇所17公演を行う3年振りの全国ツアー「BAD HOP THE REVENGE TOUR」が開催される。
公式HP:https://badhop-breath.com/
しかしこのツイートを見る限り、生半可な気持ちで造ろうと思ったのではないこと、また川崎のTKBrewingでビール造りをしたと書いてあることから、「どんなビールなんだろう」「どうして造ろうと思ったんだろう」と知りたい気持ちがふつふつと湧いてきたのです。
そこで、以前ビール女子でもインタビューさせていただいた縁もあり、TKBrewingの髙林亮一さんに連絡。BAD HOPに繋いでいただき、なんと、インタビューが実現しました!
今回は、TKBrewingがあるビルの一室で、BUZZ HIGHERの発起人・T-PablowさんとBAD HOPのビール担当・G-K.I.Dさんにお話を伺いました。
はじまりはバーで飲んだIPAから
左からBAD HOPのT-Pablowさん、G-K.I.Dさん
ーまずはじめに、クラフトビールを好きになったきっかけを教えてください。
T-Pablowさん
ー初めてのクラフトビールの味はどうでしたか?
T-Pablowさん
G-K.I.Dさん
T-Pablowさん
G-K.I.Dさん
ークラフトビールを知って、それからどんどんハマっていったんですね。でも、そこからTKBrewingの高林さんとビールを造ることになるきっかけは何ですか?
T-Pablowさん
ーそれは熱いですね!そこからどうやって構想を練っていったんですか?
T-Pablowさん
ーHAZY IPAといったら、ホップのフルーティな香りがありつつ、IPAよりは苦みがおさえられているので飲みやすいビールですよね。
G-K.I.Dさん
T-Pablowさん
CL決勝
PSG vs バイエルン
みんなの優勝予想は?
G-kidとIPA飲んで待機中#ucl
pic.twitter.com/A6e5YL2h3f— T-Pablow (@TPablow) August 23, 2020
ーなるほど。そのこともさらにあってビールを造りたい、伝えたいという気持ちが強くなったんでしょうか。
T-Pablowさん
ーなるほど!初めてのビールに最適ですね。ちなみに、おふたりの好きなビアスタイルは何ですか?
G-K.I.Dさん
T-Pablowさん
ーわかります。お二人が初めてクラフトビールと出会ったビアスタイルですね。好きになるには最初って大切ですよね。
BUZZ HIGHERができるまで
味わってみるとしっかりとしたボディは感じつつ、とてもフルーティなホップの香りでとても飲みやすい!まさに、初めてクラフトビールを飲む人にぜひおすすめしたいクラフトビールだなと感じます。
TKBrewingのFacebookにはこんな紹介が。
- 川崎が誇るHIP HOPグループ BAD HOPと川崎つながりのご縁で、BAD HOP × TKBrewing のコラボが実現し、その第一弾が完成しました。
クラフトビール界で急速に普及してきている苦味抑えめでホップの華やかな香りが特徴的なニューイングランドスタイルのビールは、その普及の仕方がBAD HOPの勢いとリンクします。
川崎の雄であるBAD HOPをイメージして、ド派手なホップをふんだんに使って、トロピカルでフルーティーな香りを強調したビールに仕上りました。
クラフトビール初心者にもとっつきやすい、川崎でしか飲めない一杯です。
ホップはオーストラリア産Galaxy、アメリカ産Mosaic、Ekuanotを使用しました。
(TKBrewing Facebookより抜粋)
ービールが完成したとき、どんな感想をもたれましたか?
G-K.I.Dさん
T-Pablowさん
ービールの原料から考えたんですよね。
G-K.I.Dさん
T-Pablowさん
ーいずれ、自分たちで醸造したいという思いがあるんですか?
T-Pablowさん
ーそれは楽しみですね。行きたい!ちなみに、次に造ろうと構想されてるビールってありますか?
T-Pablowさん
ーおお!私がBAD HOPがビールを造るならと最初にイメージした黒いビール!
T-Pablowさん
ーなるほど!やっぱり、ブルワリーさんが造りたいビールの方向性とは全く違う視点で考えられているので、とてもおもしろいです。
思いがぎゅっと詰まったラベル
ー『BUZZ HIGHER』のラベルのこだわりってありますか?
T-Pablowさん
ー「BUZZ HIGHER」の名前の由来は何ですか?
T-Pablowさん
ー確かに頭文字一緒だ!気づかなかったです!
T-Pablowさん
ー格好いい。こだわりが詰まってますね。そして、いろいろな思いも入っている。聞けば聞くほど込められた想いに触れられておもしろいです!
音楽とクラフトビールの「バランス感覚」
ーカルチャーとかビールと音楽って重なる部分があるってお話だったんですが、どんなところが重なってると思ったんですか?
T-Pablowさん
音楽とビールのバランス感覚が似てるなって思っていて。HIP HOPってここ4~5年くらいで盛り上がってきたんですけど、その前までは聴かれることもなかったし、ショップに置かれることもなかったんですよね。だから音楽業界って本当に大手が強いというか。どこかと契約しなければ売れることもないし、目につくこともなく、聴いてもらえるきっかけもない。そういう意味で、日本においてクラフトビールもそういった立ち位置かなと思っていて。コンビニに入ればそれこそ日本の大手のビールがほとんどじゃないですか。
ービール市場でいうとクラフトビールの市場は1%くらいみたいですしね。
T-Pablowさん
ーその世界における立ち位置みたいなものが似てるなと思ったんですね。
T-Pablowさん
ー高林さんからビール造りするなかで色々お話を聞いたかと思いますが、興味深かったことはありますか?
T-Pablowさん
G-K.I.Dさん
T-Pablowさん
G-K.I.Dさん
T-Pablowさん
G-K.I.Dさん
T-Pablowさん
音楽も同じで、音楽好きな人たちが日本の音楽業界を仕切ってるのかっていうとそうじゃなくて。本当に好きな人たちももちろんいるとは思いますけど、数字を気にする人が作っていたり、本気じゃない人たちがいるのも事実で。けどそういうのがずっとテレビでは流れるし。それで誰かを救ってることもあると思うのでそれも悪いことではないんです。でも、世に出てないだけでもっと濃いやつがいるよってことですよね。だから、そこを自分たちのやり方で、もうちょっとアピールしていきたいと思っています。
ー自分たちが納得できるものを造ってってことですよね。
今後の展望
ー場をつくりたいってお話があったんですけど、今販売しているのはバーだけじゃないですか。酒販免許も取得中とのことですが、展望としてはこれから全国展開に向けて販売したいと思っていますか?
T-Pablowさん
ーライブハウスで飲むお酒ってビールじゃないですか。BUZZ HIGHERがライブハウスにあるなんて本当に楽しみなんですけど。例えばBAD HOPの曲の中で、BUZZ HIGHERのイメージに合うなって思う曲はあったりしますか?
T-Pablowさん
ーえー!それは楽しみですね!!ビールについて、どういうシーンで飲んでほしいみたいなのって考えていますか?
T-Pablowさん
G-K.I.Dさん
ーなるほど。ツイートのリプライを見ていて、「まだ未成年なんですが、初めてのビールはBUZZ HIGHERを飲みたい」っていうコメントがすごく多いなとは思っていて。本当にその人たちが初めて飲むビールがBUZZ HIGHERになったら嬉しいですよね。曲は作るという話でしたが、他にクラフトビールについて展開しようとしていることってありますか?
T-Pablowさん
ーアニメーションまで!
T-Pablowさん
今回自分たちがBUZZ HIGHERをはじめることで、クラフトビールを知らない人も飲むようになってくれると思うんですけど。HIP HOPをやってきたのと同じように一からわかりやすく説明して、ちょっとでもクラフトビールが好きになってもらえたらと思っています。
G-K.I.Dさん
T-Pablowさん
G-K.I.Dさん
ーそうですよね。コロナがなければね。ライブもそうですよね。
G-K.I.Dさん
ーいやあ、本当に。一番最高ですよね。音楽聴きながらビール。
T-Pablowさん
ー楽しみにしてます。その際はまた取材させていただけたらと思います。ありがとうございました!
左からBAD HOPのT-Pablowさん、TKBrewing高林亮一さん、G-K.I.Dさん
単純に「ビールが好き」という人はたくさんいます。しかし、そこからビールを本格的に造ろうと思う人はそう多くありません。それは、日本におけるクラフトビールの立ち位置に共感し、またクラフトビールを愛する気持ちがあるからこそ。そのため、BAD HOPから見たクラフトビール業界の実情や実際にビールを造るまでの過程は興味深いお話ばかりでした。
アーティストならではの視点でクラフトビールを伝えていきたいと考え、具体的に動いているBAD HOP。BUZZ HIGHERを家の近くで見かける未来も、そう遠くないかもしれません。
そして、2021年2月26日(金)、BAD HOPのYouTubeの「“BUZZ HIGHER NIGHT 生配信”」の中で、一般販売のために本生産のラインを確保し、BUZZ HIGHERが一般発売されることが発表されました。
その後、3月4日(木)21時に、BUZZ HIGHERのオフィシャルサイトで6本セットで販売開始。そしてなんと、販売開始から10分程で、約9,000本が即完売しました!また購入できる機会を待ちながら、“BAD HOPのわがままが全て詰まっている”というBUZZ HIGHER、ぜひ手に取ってみてください。
『BUZZ HIGHER New England IPA』
〇ビアスタイル:New England IPA- 〇アルコール度数:6.5%
- 〇プロトタイプ版を醸造したのはTKBrewing
- 〇BUZZ HIGHER Twitter:https://twitter.com/BuzzHigher
- 〇BAD HOP Twitter:https://twitter.com/badhop_official
〇BUZZ HIGHER オフィシャルサイト:https://buzzhigher.com/
TKBrewing Facebookページ:https://www.facebook.com/TKBrewing.jp/