「オンライン検定」とは|検定を通したファンビジネス
ーー本日はよろしくお願いいたします。
ーーまず、貴社が提供する『オンライン検定』のサービス概要について教えてください。
市川様(以下、市川と表記)「サイバードの『オンライン検定』は、様々なコンテンツと検定を掛け合わせ、オンライン上で公式の認定試験を提供するサービスです。」
市川「エンタメ領域を中心に展開しており、例えばアニメや漫画、映画、さらにはアイドルやスポーツチームなどの検定があります。」
市川「分野を問わず、ありとあらゆるコンテンツに対して検定を掛け合わせることが可能です。」
ファンが喜ぶ検定を企画からワンストップで提供
市川「基本的には企画からデザイン、サイトの開発・運用、決済、サポート、グッズの制作・発送まで全てをお任せいただき、サイバードが検定の実施に関わる工程をワンストップで提供しています。」
市川「他社と比較をした際のサイバードの強みは、シナリオライターやプランナーが多く在籍しているため、企画段階から対応でき、問題作成も担える点です。」
市川「作品がリリースされているコンテンツであれば、その作品を拝見し、学習します。それにより、ファンの方に喜んでいただけそうなポイントを問題として作成できるため、版権元様には大変喜んでいただいております。」
リアル・デジタル両面の特典でロイヤルティ向上を図る
市川「サービス概要をもう少し詳しくご説明します。ご依頼されたコンテンツに合わせて検定を作成することで、ファンの方がクイズを通してそのコンテンツについて楽しく振り返る機会を設けることができます。」
市川「さらに、受験していただいた方や合格した方に対してリアルやデジタルの特典をお渡しする形になっています。これにより、顧客ロイヤルティのさらなる向上が期待できます。」
市川「事例紹介でも触れますが、ロイヤルティの高いお客様から自発的な発信が行われることにも繋がるので、それが大きな強みだと思っています。」
「オンライン検定」がもたらす効果・メリット
ーー企業が検定サービスを導入することで、どのようなメリットや効果があるのでしょうか?
ファンからの自発的な発信が増える
市川「先ほど少しお話した通り、検定を実施することでお客様の自発的な発信が行われ、作品への集客や認知度の向上に繋がることが大きなメリットの一つです。」
市川「例えば、X(旧 Twitter)上で合格認定証をアップし、検定に受かったことを報告する方が多くいらっしゃいます。」
市川「もしくは、試験勉強としてファン同士で想定問題を出題し合うような投稿や、『今、オンライン検定に向けてアニメのシーズン1を振り返っています』といった意気込みの投稿などもよく見られます。」
ーー検定合格に向けてお客様が自発的に勉強されるというのは興味深い動きだと感じました。やはりSNS上での発信は一番影響力が強い部分だと思います。
市川「著名人の方が検定を受けてメディアで発言してくださることもあるので、思わぬところで盛り上がっていることもありますね。」
市川「ファン同士の盛り上がりが明確に表れているもう一つの例が、お客様がYouTubeなどで『検定対策動画』や『検定受けてみた動画』を投稿してくださっていることです。」
市川「『オンライン検定』は、動画やテレビ、記事などで話題にしやすいコンテンツです。単にグッズを出すよりも、検定受験権利付きのグッズを出す方がよりメディアに取り上げられやすいと感じます。」
ーーノベルティとしてクイズを付けることで認知拡大・販売促進にも繋がりそうですね。
市川「ファンの自発的な発信が効果的なPRに繋がり、結果、オンライン検定の実施に投入したプロモーション費用以上の効果や利益を生む可能性もあります。なので、マネタイズできるプロモーション手段としての側面もメリットだと思っています。」
ーー確かに、プロモーション費をCMに全て投下するのが妥当なのかというと悩ましい場合もありますから、一部をオンライン検定に充てるのは非常に効果的な施策だと感じました。
既存商品の売り上げアップに貢献
市川「次に、既存商品の売上を底上げできるメリットがあります。」
市川「例えば有名漫画作品の場合、周年・新刊発売・劇場版公開の各タイミングでファンの方が新作を見ています。」
市川「その時、『映画を観た方にもう一度漫画を読んでもらいたい』、『新刊を買った方に昔の巻も買ってもらいたい』など、既存の商品を購入するきっかけにも繋げたいというニーズが生まれます。」
市川「ファンの方にとっては、検定というイベントがあった方が、自然な形で『勉強するために買おう』と購買意欲が湧きやすいですよね。」
市川「有名漫画作品の検定の実施によって、過去の作品を振り返る機会を提供することができ、既存のコミックスやDVDの掘り起こしに繋がりました。」
IPの新たなマネタイズの柱になる
市川「オンライン検定を有料で提供することで、グッズなどの売り上げ以外の部分でもIPの収益を生むことができます。」
市川「検定の受験料を収益エンジンとして、新しいマネタイズの柱を作るという目的で立ち上がったプロジェクトも比較的多くありました。」
ーーIPでどのように売り上げを立てるかという点はエンタメ業界における至上命題かと思いますので、その新しい選択肢の一つとして有効だと感じました。
ユーザーの分析が効果的なマーケティングに繋がる
市川「他にも、マーケティングの面でユーザー分析に役立つと思っています。」
市川「前提として、検定を受けた方の男女比や年齢層といったデータを取ることができます。それにより、実際に有料の検定を受けて、かつ合格点や満点を取るコアファンがどういう属性なのかを理解できるのです。」
市川「また、合格者限定のアンケートや満点者へのインタビューなどをサイバードで実施することも可能です。例えば『次はどういうグッズが欲しいと思いますか』ということを聞き、実際にファンが求めているものを企画に落とし込むことができます。」
市川「よって、購買意欲の高いコアファンの声をもとに効果的にアプローチする手段として、オンライン検定を活用することができます。」
ーーなるほど。コア中のコアを分析するとなると一筋縄ではいかない部分もありますから、かなり重要なお話だと思います。
市川「そうですね。版権元が公式の立場でファンにインタビューを行うと、平等性に欠ける場合もあるかと思います。ですが、検定というサービスにおいては自然に情報を取る機会を作ることが可能です。」
市川「ファンの方にとっても、インタビューをきっかけに自分たちの声が実現する可能性がありますから、双方にメリットがあるのではないかと考えています。」
商品の理解・購入を促進するプロモーション
市川「最後に、商品理解や購入を促進するプロモーションとしての需要も今後増えていくと思っています。」
市川「例えば、ドリンクに缶バッジなどのおまけが付いていることがありますが、それをモノではなく『オンライン検定の受験』という体験のプレゼントに置き換えるようなイメージです。」
市川「商品を買った人が受験権を得られる形にすれば、購買の促進に加え、クイズを通して楽しくその商品を理解してもらうこともできます。」
市川「ファンクラブや会員向けに受験権利を配り、会員の満足度・継続率に繋げることも可能です。」
市川「このように、受験料を無料にして打ち出す使い方も、選択肢として検討しやすいのではないかと考えています。」
「オンライン検定」の柔軟かつ幅広い事例
ーーサービス開始から今日に至るまで、どういった検定を実施されてきましたか。
市川「案件数でいうと、これまで20件程の検定を実施してきました。エンタメ領域では、複数の有名漫画作品の検定や、有名VTuberグループの検定などがあります。」
市川「他にもプロ野球チームの検定やプロレスの検定といったスポーツ業界の検定、さらに鉄道の検定などを幅広く展開してきました。」
※「オンライン検定」の事例一覧はこちらから。
市川「直近ですと、エンタメ業界巨大企業の100周年に合わせた検定を2024年1月15日まで開催中です。」
市川「この検定は、100周年にちなんで100問出題されることが大きな特徴で、コアファンの心をくすぐる内容となっています。受験者はもれなく、検定用に描き下ろされたキャップ&ガウンモチーフのグッズがもらえます。」
受験者への「ご褒美」がモチベーションを上げる
市川「その他の特徴的な事例としては、有名アニメ作品の10周年を記念した検定が挙げられます。」
市川「メインキャラクターの声優さんのオンライントークイベントのチケットがもれなく付いてくるというものでした。」
市川「そのトークイベントはオンラインで開催されたため、通常は画面越しでの参加ですが、検定で満点を取った方の中から抽選で50名様を会場に招待しました。」
市川「メインキャラクターの声優さんと握手ができるかもしれないチャンスを設けることで、点数を取るためのモチベーションを高めた形です。」
ーー受験者に対する「ご褒美」も設計することができるのですね。
コアファンに響く唯一無二のキャラクターグッズ
市川「有名漫画作品の検定に関しては、5人のメインキャラクターそれぞれに対応する5コースを設けました。コースごとの特典として、アクリルキーホルダーやクリアファイルといった推しキャラセットが届きます。」
市川「さらに、受験者の名前入りのメッセージカードも届くのですが、満点・合格・不合格の3パターンに応じてメッセージ内容が異なる仕様にしました。」
市川「箱推しの方(グループ全体を応援している人)の中には、5コース分の3パターンのメッセージカードを手に入れるために、あえて点数を調整して合計15回受けた方もいらっしゃいました。
市川「この事例のように、作品に合わせて唯一無二の検定サービスを設計することが可能ですし、コアファン向けのコンテンツとしても非常に最適だと思います。」
ーー設計に関して非常に工夫されていらっしゃる印象を受けました。
ーー幅広く、色々な使い方ができるところも強みの一つなのかなと思います。
「ファンが求めている」コンテンツを生み出す
――サイバード様はエンタメ領域で長らくビジネスをされてきたからこそ、ファンが好むものを創出できるノウハウがあるのだと感じました。
市川「そうですね。私たちは25年間、『IP×エンタメ』の分野において、自社IPから他社様のIPまで幅広くサービス展開をしてきたため、ファンの方々が求めているコンテンツを作ることが得意です。」
市川「『オンライン検定』は、これまで培ってきたナレッジやアセットが活かされたサイバードらしいサービスだと思います。」
――これまで行なってきたファンビジネスの豊富なご経験がサイバード様の強みに繋がっていると感じました。
市川「ありがとうございます。今、あらゆる業界で『ファンの獲得』と『ロイヤル化』がテーマになっていると思います。また、IPビジネスの世界では『自社IPを使ってどうマネタイズするか』も大きなテーマになってきていると感じます。」
市川「この『オンライン検定』を通じて、色んな会社様とお話させていただいております。その中で改めて感じるのは、みなさま素敵なコンテンツやプロダクトをお持ちでいらっしゃる。」
市川「そんな素敵なプロダクトをより沢山愛してもらうために、これからもサイバードのサービスを通じて貢献していきたいと考えております。」
――本日は、お話を聞かせていただき、誠にありがとうございました。
株式会社サイバード|市川 卓 様
ソリューション事業本部 事業本部長
大学卒業後、SP広告代理店・ECコンサルティング会社・インバウンド事業会社でプロデューサー/ディレクター業務に6年従事した後、2016年に株式会社サイバードに入社。
キャラクターライセンスビジネスのプロデューサーとして、有名漫画作品の公式アプリなど、著名キャラクターのデジタルコンテンツサービスを中心に、10以上のサービスを管掌。
2021年、新設のIPソリューション事業部のエグゼクティブプロデューサーとしてファンロイヤル化支援サービス(FaneX)を展開。
20案件程の検定サービスをプロデュース。
現在、ソリューション事業本部の事業本部長としてBtoB、BtoBtoCのIPビジネスを推進中。
株式会社サイバード
サイバードは1998年、日本のモバイルインターネット黎明期に創業。
以来、市場環境の変化、テクノロジーの進化を常に見据えて、モバイルを中心としたエンタテインメントコンテンツサービスを提供してきました。
現在は、全世界でのシリーズ累計4,000万人以上の会員数を誇る恋愛ゲーム「イケメンシリーズ」をはじめとした各種ゲーム/コンテンツを中心に、ファンのエンゲージメントを高めるサービス群「FaneX」を運営し、ファンサイト、グッズ、2.5次元舞台、ネットくじ、オンラインIP検定等の各種サービスを展開しています。
関連リンク一覧
サイバード公式サイト:https://www.cybird.co.jp/
『オンライン検定』公式サイト:https://fanex.cybird.co.jp/exam/