東京都が、新事業発掘プロジェクト(GEMStartupTOKYO)の「GEMStartupTOKYO 2022 機運醸成イベント」を2022年10月6日(木)に開催。有名起業家が講演を行い、今後の日本経済を盛り上げるであろう若者にポジティブなメッセージを残した。
このイベントは新事業創出を盛り上げることを目的に、オンライン・オフライン両方で開催されたもの。
第一部では株式会社デンソー新事業推進室担当部長兼株式会社OPExPARK取締役副社長&ファウンダー博士(医学) 奥田英樹氏を迎え、「転換期を迎えた中でのカーブアウトの重要性」をテーマとした基調講演にて、コロナ禍、働き方改革、SDGSなど、社会環境が変わる中でのカーブアウトの重要性や経験者としての貴重なエピソードを明かした。
【日本経済活性化のキーワード?「カーブアウト」とは】
カーブアウトとは、企業が自社事業の一部門を切り出し、新たにベンチャー企業を立ち上げて独立させること。
奥田氏は、カーブアウトの特徴の一つを「立場によってどんな風にもとらえられる曖昧さ・柔軟性がある」とし、「変動、複雑、曖昧な将来が予想できない社会の中で、カーブアウトによって経営に曖昧さや柔軟性を残すことが重要」と考えを話します。
また、自身の経験から「挑戦意識や好奇心はカーブアウト成功には必要条件だが、それだけでは組織的なカーブアウトはできない。継続的にカーブアウトを生み出すには、加えて個人へのインセンティブが必要」とカーブアウト成功への見解を示しました。
【カーブアウトは企業が成長する上の“ポジティブな”手段】
第二部ではユビ電株式会社CEO &Co-founder博士(システム情報科学)山口典男氏と、ソニーベンチャーズ株式会社シニアインベストメントダイレクター鈴木大祐氏を招いたパネルディスカッションを展開。企業目線での新事業創出のハードルやメリットについてトークを行った。
鈴木氏は「カーブアウトは、時代と共にあり方も変わっており、最近は、内部だけでできないことを達成するためのポジティブな1つの手段として、成長のためにカーブアウトする企業も増えている」と考えを述べた。
山口氏は、「所属する企業が目指す方向性と、自分が社会に対してしたいことの方向性が異なっていたので、カーブアウトを選んだ」と自身の経験を明かし、「企業に勤めているうちに良い企画や構想を思いついちゃうことってあるじゃないですか」と続ける。カーブアウトのメリットについては「円満に新しい事業を始められること」との見解を示す。
【成功する人の共通点「「同じ思いで繋がった仲間がいること」】
カーブアウト成功例とその共通点に関するテーマでは、「大企業では予算がつけられない面白い技術の種を、潰さずに伸ばせることがメリット」と鈴木氏。山口氏は、カーブアウトを実現させるために「古いアイディアをかみ砕いて理解するなど、自分の興味のあることや事業について、常に考え続けることが大切」と語ります。二人の共通認識として飛び出した、成功する人の共通点は、「同じ思いで繋がった仲間、共感できる人がいること」という言葉には来場者がうなずく場面も。
【企業を飛び出し挑戦することで日本経済にも貢献出来る】
起業家が増えた先に、日本経済においてどのような未来が実現されるかという問いに対し、「結論からいうとポジティブな方向だと思います。新しい企業や産業ができることはプラスにしかならない。戦後の苦しい時期にホンダやソニーが出来て、日本の再建を支えてくれた。政府がカーブアウトを支援するのは正しい方向だと思います」と鈴木氏。
山口氏「カーブアウトしてダメだったら再雇用するくらいの懐の広さがほしい。立派な大企業に働いていると、働き続けたほうが経済的に安定しているという正しい発想になりがちだけれど、そこを飛び出して挑戦することで日本経済にも貢献出来ると思う」と、企業側にむけての要望も述べた。
【若者にエール「夢を持って頑張って面白いことに投資しよう」】
最後には鈴木氏と山口氏からカーブアウトを目指す起業家に対してメッセージも。
山口氏は「現在、世界経済が不安定で資金調達なども大変な時代ですが、夢を持って頑張って面白いことに投資しながら、日本を盛り上げていきたい」と話し、鈴木氏は「日本経済を盛り上げるという同じ思いを持ったより多くの人と一緒になって仕事に取組み、仲間を増やしていきたい」とコメントし、イベントを締めくくった。
【『GEMStartup TOKYO』とは?】
「GEMStartupTOKYO」は、東京都内で起業や新事業を創出したい方に対して、新規事業創出に向けた基本スキルの習得講座、起業家からの体験談、各種専門家からの事業プランのブラッシュアップを始めとしたアドバイス、ピッチでのプレゼン方法に対するアドバイスを実施しています。第一線で活躍するアカデミアや経営者・投資家、士業専門家をメンター・講師陣として迎える他、コンサルタントによる様々なプログラムにより、企業発のイノベーション創出を支援します。
<開催期間>
(1)新事業エントリープログラム:10月13日(木)~12月まで
(2)事業化プログラム:10月31日(月)~2023年3月まで
(3)新事業創出に向けた企業支援プログラム:10月31日(月)~2023年3月まで
<応募資格>
民間企業のリソースを活用し、東京都内で起業や新事業を創出したい方にご応募いただけます。
<応募期間>※前/後期で内容は同一です。
(1)新事業エントリープログラム
:11月9日(水)17:00まで※1
(2)事業化プログラム
:前期10月27日(木)17:00まで※2
:後期12月1日(木)~12月16日(金)17:00まで
(3)新事業創出に向けた企業支援プログラム
:前期10月27日(木)17:00まで
:後期12月1日(木)~12月23日(金)17:00まで
※1講座の途中から参加いただくことになりますが、すぐにキャッチアップできるように実施済の講座動画を提供する等サポートします。
※210月8日(土)以降に応募された方は11月14日(月)より本プログラム参加となります。なお、11月初旬に参加希望者の面接審査を実施します。(11月14日以前のプログラムについては個別対応によりサポートいたします。)
<応募方法>
下記のエントリーフォームよりお申込みください。
(1)(2)新事業エントリープログラム&事業化プログラム:
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeTuiXG-__Jb-G_foCcfODDFfgARS3aECRoJ_DGPsM50Wt2DA/viewform
(3)新事業創出に向けた企業支援プログラム:
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfXM9HDwmJkMixkjW09o4-u1gEJVcLMCqiHQIR7Oee9Wo7Ifw/viewform