塚本高史が自称“探偵”のフリーターで、愛車のカマロを乗り回す愛すべき主人公・釜田麻呂を熱演する映画、『京都カマロ探偵』が全国順次公開中だ。車好きにはたまらない名車が京都を駆け抜け、探偵・ヤクザ・SNS情報組織・謎の覆面集団が複雑に絡み合う本作は、アクションありコメディありの極上のエンターテインメント。その本作に麻呂の異母兄弟のヤクザ役で出演した木村祐一に、作品の魅力などを聞いた。
―最初に脚本を読まれた時はいかがでしたか?
脚本がかなり緻密だと思いました。しっかりとしたストーリー性があり、お話そのものが楽しめました。バイオレンスもあるのですが、一概にヤクザ映画、探偵映画と言い切れないものもあるなと思いましたね。
―どこか90年代の日本映画を観ているような雰囲気で、非常に楽しく拝見しました。
今の子(俳優)たちを使いながらも、物語の世界観は昭和50年代の後半みたいな雰囲気はありますよね。実際は現代のストーリーなのですが、不器用なヤクザも自称探偵も、アナログ人間なんですよね。おしゃれしたいけれど、なり切れていないという人たちがもがいている状況は、いい雰囲気があるなあと思いました。
―今回はヤクザの役でしたが、演じてみていかがでしたか?
普段から多いとは思いますが(笑)、監督からは「本当に不器用で、出世もできない、いい歳してジャージしか着れていないような」と。ただ、真面目だから、おやっさんには気に入られているんですよね。今思うと、監督ご自身のイメージもあったとは思います。それで「不器用な奴でお願いします」という想いを伝えたのかなと。
―木村さんは映画の監督経験もありますが、映画の現場はいかがですか?
好きですね。組という感じも。監督の判断・決断の連続にまわりがみな一致団結して、協力してひとつのものを作り上げていくわけですよね。最善の方法をその都度、その都度、選択していきながら各部署がやっていくわけですから、製作の現場は素晴らしいと思います。
―ちなみに撮影時の思い出はありますか?
寒かったですね(笑)。春なのに寒かったです。あと島津(健太郎)くんの拳銃がなかなか出てこなかった。ご時世的にどこにも行けていないですし、差し入れもダメな感じだったので、今ならではの現場でしたかね。
―俳優として心がけていることは何でしょうか?
それは監督の言うとおりにすることです。キャスティングされた時点で、もうそう思います。現場で着替えて、そのセリフをしゃべるだけです。質問もしない。まずやることですね。言葉でどうこうではないですね。
―最後になりますが、映画『京都カマロ探偵』、どういう方に観ていただきたいでしょうか?
より多くの人に観てほしいですね。日本映画のファンの方も含めて、いろいろな方に観てほしいです。とにかくカッコいい塚本高史を堪能していただきながら、緻密なストーリーを楽しんでいただければと思います。
全国順次公開中
(C)『京都カマロ探偵』製作委員会