今回のビジネストレンド特集は、「カシオ計算機」です。
前回「38500円の電卓が売れる!無くならない電卓ニーズ」を紹介しましたが、
今回はさらにユニークな電卓が登場します。
取材に行ってくれたのは、”電卓をそこまで使ったことがない”Z世代の学生、加藤キャスター。
開発秘話や進化する電卓の未来について取材してきました。
渋谷区、初台にあるカシオ計算機本社にやってきました。
今年の3月にも取材させて頂いたので、2度目のカシオさんとなります。
今回は、なんと「3度傾いた」電卓の新作が出たとのことでして、担当の方に詳しいお話を伺いにきました。
ちなみに、イタリアにあるピサの斜塔の傾きは、3.97度だそうです。
今回の電卓と何か関係があったりするんですかね?
いってみましょう。
カシオ計算機の従業員数はグループ全体で9500人以上。その本社の会議室でお話を伺います。
今回、「人間工学電卓」シリーズ商品の商品担当の方に直接お話を伺えることになりました。
商品戦略部の玉本さんです
よろしくお願いいたします。
今回たくさんお話を聞かせて頂きたいので、よろしくお願いいたします。
Q、まずお聞きしたいのが、
「3度」傾いた電卓は売れているんでしょうか?
玉本) 想定していた数量よりは(グローバルな数値ですが)期待値を大きく超えて売れています
加藤)具体的にどれぐらいですか?
玉本)約倍ぐらいです
Q、3度傾いた電卓のニーズ、どんなところにあったんですか?
玉本)電卓を頻度高く毎日使ってくれる方に、より使い勝手良い電卓して目にとまっていただけたと思っています。
Q、開発のきっかけを教えてください?
玉本)電卓というプロダクトはそこまで進化の余地がない。
機能的に大きく進化できるものはそれほどできていなかった中、設計者の方から他とは違う電卓を出せないかという思い「設計者魂」からうまれた電卓だと思います。
加藤)そうなんですね、設計者魂、かっこいいですね。
Q、開発期間はどれぐらいでしたか?
玉本)
着想から数えて、約4年の歳月をかけさせていただきました。
加藤)4年! すごいですね。
普通の電卓ですとどのぐらいかかるのでしょうか?
玉本)普通の電卓でいうと、1年ぐらいです。
加藤)ほぼ4倍ですね。
Q、当時、様々な試作機を開発したと思いますが、苦労したエピソードありますか?
玉本)
結論としては、3度の傾けることと、キートップは水平とシンプルな内容なんですが、その過程は膨大な時間がかかりました。
社内からも(そんなシンプルな内容で)これって本当に大丈夫という意見もあったが、膨大な検証が裏打ちされているので問題ないと言い切れた。
加藤)試行錯誤の上の三度だったんですね。
玉本)結論は3度になったが、実際は0から9度までのプロトタイプを用意しました。
トライアンドエラーを繰り返しながらの3度でした。
Q、ちなみに左利き用も出たんですか?
玉本)元々は右利きの方、右側に電卓を置いて使う方が多かったんですが、
カシオ計算機は、ニッチなユーザーでも確実に使っていただける方がいる以上は、商品を届けなければいけない。
簿記では、右手でペンを持ち、左側に電卓を置いて計算する方がいらっしゃるというのも聞いていた。 やはりつくるべきだと思い開発しました。
加藤)右利きでも、左で電卓を作業する方もいらっしゃるんですね。
私も左利きなんですけど、どちらの手で電卓を使っていたか意識していなかった。カシオさんならではの発想ですね。
実際に使ったからの声は届いていますか?
玉本)一度使ったら、元の電卓には戻れないという言葉も頂いております。
Q、ちなみに、イタリアにあるピサの斜塔の傾きは、3.97度だそうです。
今回の電卓と何か関係があったりするんですかね?
玉本) 実は、イタリアのピサの斜塔の角度を意識して、電卓を開発させていただきました。
加藤)本当ですか!
玉本)…嘘です(笑)
加藤)共通点はない?
玉本)いま、初めてききました。
海外向けにも販売しているので、ぜひイタリアの方にも親近感を持って使っていただけたらなと思います。
Q、最後に、電卓にもまだまだ進化の余地はありますか?
玉本)この電卓を出す前まではもう進化はない~~~~
開発としては、あきらめずにこれからも電卓進化させていくマインドをもって取り組んでいきたいと思います。
加藤)本日は、貴重な話を聞かせて頂きありがとうございました。