大阪・熊取町教育委員会は3日、町立中央小学校の女性教師(30代)が、パソコンのサポート詐欺に引っかかり、児童約200人分の個人情報が流出したと発表。
トレンドニュースキャスター取材班は、町教委から詳しい話を聞いた。
「ウイルスにかかっています」
町教委によると、女性教師は先月29日、小学校の職員室で町所有のパソコンを操作。
ネットで検索したフリーのイラストを、資料に入れようとした。
すると、パソコンがフリーズし「ウイルスにかかっています」というメッセージが表示された。
言われた通りに…
また、サポートセンターの電話番号が表示されたため、教師はセンターに電話。
通話した相手の言われた通りに、パソコンを操作したため、乗っ取られた。
その後、代金3万円を請求されたため、校長に電話を代わったところ、相手は「私はあなたのお父さんです」などと片言の日本語で話したという。
個人情報流出
電話を切り、パソコンを再起動したところ、デスクトップ上のフォルダーが一部無くなっていた。
さらに、残っていたフォルダーは開けられ、中に入っていた児童の個人情報ファイルも抜き取られたことが判明。
流出したものは、町の児童約30人が写る集合写真や、個人名が掲載された学級通信など。
また、教師が3月末まで勤務していた、岸和田市立小学校の児童約170人分に関しては、活動の記録や成績の所見も流出。
「犯人特定は難しい」
なお、教師は、先月31日に大阪府警に被害届を提出し、受理された。
警察からは「このようなケースは、犯人を特定することがかなり難しい」と言われているという。
また、町教委もログ解析などを専門業者に依頼し、犯人を特定できるように努めている。
ルールが守られず
教委の担当者は、トレンドニュースキャスターの取材に「個人情報が含まれる資料は、インターネットにつながるパソコンに保存しないというルールが守られていなかった」。
また、「女性教師はサポート詐欺があることを知らなかったと言っている」と話す。
さらに、「今後はこのルールを徹底させると共に、サポート詐欺に引っかからないように、町内の学校に注意喚起した」と語った。
なお、国民生活センターは2023年度、サポート詐欺に関する相談が5,955件寄せられているとし、注意を呼びかけている。