岡山県は14日に、真庭市で自家製おにぎりを食べた13人中9人が、食中毒症状を訴えたと発表。
トレンドニュースキャスター取材班は、同県生活衛生課から詳しい話を聞いた。
おにぎりから黄色ブドウ球菌検出
生活衛生課によると、今月10日、真庭市内で開催されたイベントのスタッフ13人が、差し入れの自家製おにぎりを食べたところ、9人が嘔吐や下痢などの食中毒症状を訴えた。
このうち、4人が医療機関を受診。
真庭保健所が調査したところ、食中毒症状を訴えた患者が共通して食べたのは、このおにぎりのみであることがわかった。
さらに、残っていたおにぎりから、黄色ブドウ球菌が検出されたことから、おにぎりを原因とした黄色ブドウ球菌による食中毒と断定した。
素手で前日深夜に完成
なお、おにぎりを作ったイベント関係者は、素手で前日午後11時に完成させて、常温で朝まで保管。
次の日の午前9時から、午後1時までにスタッフがおにぎりを食べ、その後2~3時間後に、次々と食中毒症状を訴えたという。
健康な人の20~30%が保菌
黄色ブドウ球菌は、食中毒菌の一種で、食品の上でも増殖。
この菌が食品中で増殖すると、熱・乾燥・胃酸・消化酵素に強い「エンテロトキシン」という毒素を作る。
なお、この毒素は加熱しても分解されず、食品に含まれる毒素を口にすることで食中毒になる。
黄色ブドウ球菌食中毒の主な症状は、激しい吐き気・嘔吐・腹痛・下痢。
また、脱水症状や血圧の低下、脈拍微弱などを伴った症状により重症化する場合もある。
黄色ブドウ球菌は人や動物の傷口をはじめ、手指・鼻・のど・耳・皮ふなどに広く生息し、健康な人の20〜30%が保菌しているといわれている。
素手で作らず速やかに食べる
保健所は、黄色ブドウ球菌による食中毒を防止するために、①おにぎりを作るときは、調理用手袋を着用するか、ラップなどで包んで握る。
②調理品は長時間保管せずに、速やかに食べることを呼びかけている。