東京電力は、福島第一原子力発電所にたまる処理水を、24日午後1時ごろ、海洋への放出を開始。
地元からは、戸惑いの声が多くあがっている。
想定どおりに薄められた
事故発生12年を経てからの処理水放出。
放出の完了には、約30年という長期間が見込まれている。
東京電力は24日午前に記者会見を行い、「分析の結果、トリチウムの濃度が、放出の基準として自主的に設けた1500ベクレルを下回っていて、想定どおりに薄められた」と発表。
東電への信頼はゼロ
しかし、地元からは、戸惑いの声が多くあがっている。
福島県いわき市の漁業関係者(60)は、トレンドニュースキャスターの取材に「ここに来て、期限ありきで放出を強引に進めた印象。全く納得はしていない」と話す。
同じくいわき市に住む40代男性は、「東電の言うことは全く信用していない。今後設備に不具合が起き、誤って濃度が高いものを流してしまったという状況が目に浮かぶ」と、不安を隠せない様子だ。
ブランドにまた傷がつく懸念
やはり、風評被害を心配する声も少なくない。
「せっかく今まで頑張ってきたのに、また『常磐もの』というブランドに傷がつくことはやるせない」と漁業関係者。
不退転の覚悟で…
東京電力第一原子力発電所が立地する、大熊町の吉田淳町長は、取材に対して「ALPS処理水の取り扱いも含め、廃炉と汚染水・処理水対策は、長期にわたる取り組みが必要である」。
「これまで積み重ねられた復興や風評被害に向けた努力が水疱に帰すことがないよう、国及び東京電力は万全な体制を徹底的に講じていただき、不退転の覚悟で全うするよう、強くお願いしたい」とコメントした。