今年も、暑く湿度が高い季節がやってきている。
夏が近づいてくると、虫に刺されることが多い。
今回は、虫刺されの対処法について解説する。
まずは水で洗う
虫に刺された時、まずはきれいな水で刺された部位を洗って欲しい。
これは刺された部位に、虫が運んできた汚染された成分がついていることがあるからだ。
やや冷ための水道水を出しっぱなしにして、数分間洗うのがおすすめだ。
この時、引っかいたりこすったりすると、汚染成分が刺し口から体内に入ってしまう可能性もあるため、何も触らずに洗浄することが大切だ。
毛虫に刺された場合は…
もし毛虫に刺されば場合には、毛虫に生えている「毛」や「針」が、刺し口に刺さっている可能性が高い。
そのまま放置すると、毛がなんらかのタイミングで体内に入ってきたり、残っている毒針が他の部位に移動して再度刺さることもある。
針を取り除くには、ガムテープなどのテープを、優しく刺し傷に貼った後に、ゆっくりと剥がすのがおすすめだ。
毛虫に刺された時は、まずテープで針を取り除いた後に、流水で刺し口を洗って欲しい。
刺された部位を冷やす
刺し口を冷やすのもおすすめだ。
刺された部位から虫の成分が入ってくると、身体の免疫が反応して、腫れたりかゆみが出てきたりする。
この際に、かいたり擦ったりすると、皮膚のバリアが取れてしまってさらに状況が悪化してしまう。
まれに、「とびひ」という、刺し口から細菌が侵入してくることで起きる皮膚病を発症することもある。
このような腫れやかゆみを予防するためには、氷のうなどで冷やすのが有効だ。
マダニに刺されたらそのまま病院へ
ダニの中でも特にマダニに刺された場合は、すぐに病院を受診して欲しい。
ダニは、皮膚を刺すと血液を吸うために、そのまま皮膚にくっついていることが多い。
無理やり剥がすと、ダニの一部が体内に残ってしまい、そこから感染してしまうことがあるため、病院で取り除いてもらうのがおすすめだ。
マダニに刺された場合、特殊なウイルスが感染すると、1〜2週間ほどで突然発熱、嘔吐、下痢、腹痛、リンパの腫れなどの症状が出現する。
最悪の場合、みるみるうちに病状が悪化して、若い方でも命を落としてしまうことさえあるので要注意だ。
危険なサインが出たら受診を
虫に刺された時は、強い痛み、頭痛、吐き気、発熱、じんましん、水ぶくれなどの症状が出たら、速やかに医療機関を受診して欲しい。
危ない病気や、強いアレルギー反応などにより、早く適切な治療を行う必要があるためだ。
たかが虫刺されでも、命に関わることもあるので注意が必要だ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。