普段からよく耳にする「高血圧」だが、健診や病院を受診した時に、偶然発見されることが多い。
少し血圧が高い程度であれば、ほとんど自覚症状がないことが多い。
しかし、実は高血圧になると症状が出ることもあるのだ。
今回は、注意すべき高血圧の症状やリスクについて解説する。
症状は頭痛・めまいなど
血圧が高いと頭が痛くなったり、めまいがしたり、肩こりがひどいと感じる場合もある。
これは高血圧が影響して、頭の中の圧が上がることが原因と考えられる。
しかし、このような症状は風邪などの他のよくある疾患でも見られる。
一日の中でも変動する
血圧は、一日中一定の高さではない。
もちろん、運動したり怒ったり、食事をすれば血圧は上がる。
それ以外で、安静にしていても血圧は変わるのだ。
例えば、睡眠中は血圧は低く、朝になると起きる前ぐらいから少しずつ血圧が上がってくる。
昼間は、活動量が増えるため上がりがちだ。
そして夜は寝るのに向けて、血圧は下がっていく。
一番高いのは午前中
一日を通して見れば、一番血圧が高いのは午前6〜12時頃だと考えられている。
つまり、朝起きてからお昼までに、頭痛やめまいの症状が多ければ高血圧の影響かもしれない。
実際、心筋梗塞や脳卒中などの、高血圧が原因となる疾患は、午前中に発症することが多いという報告もある。
寒くなると血圧が上がる
血圧は、季節によっても変動する。
冬場は寒くなり、血圧が上がることが多い。
寒くなると体温を逃さないように、血管が収縮するため、高血圧になりやすいのだ。
実際、冬になると、血管関係の病気の発症率が増える。
寒い時期に、高血圧を疑う症状が出ている場合は注意が必要だ。
自身で定期的に測定を
血圧は、病院や温泉、商業施設などで簡単に測れる。
少しでも上の症状やパターンに当てはまる場合には、一度測ってみて欲しい。
血圧は一回測ってみて、問題なければオッケー、というわけではない。
逆に、一度高かったら高血圧、と診断できるわけでもない。
最低でも1〜2週間程度、毎日同じタイミングで測定することで、本当の血圧が分かるのだ。
高血圧だと思ったら、早めに医療機関を受診してほしい。
放置しておくと、心筋梗塞、脳卒中、心房細動など、命に関わる疾患が起きやすくなるからだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。